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『GP Car story vol.03  Wiliams FW14B』(三栄書房)

モータースポーツの最高峰とされるF1の歴史において、「究極のマシン」と呼ばれているマシンが存在します。 そのマシンは伝説の「史上最大の激戦、1992年モナコGP」の立役者としても知られています。

それが1992年のチャンピオンマシン「ウィリアムズ・ルノーFW14B」です。

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このマシンはちょっとF1の歴史に詳しい人なら誰でも知っているのですが、モータースポーツの電子制御・ハイテク化を具現化したマシンだと言われています。 ついつい電子制御に目を奪われがちですが、実はハード系においてもトータルバランス・トータルパッケージングの集大成であり、自動車における一つの完成型であるとされています。
そして語弊を恐れずに言うならば、自動車の歴史を変えてその将来の方向性を決定付けたとさえ言えると思っています。

F1のコンストラクターを資金力と待遇において乱暴に貴族派と庶民派に分けるとするならば、フェラーリやマクラーレンは貴族派で、ウィリアムズは庶民派に属すると思います。 そのウィリアムズがサーキットに送り出した究極の力であり、その力が放った究極の輝きとも呼ぶべきFW14Bは、あまりの速さゆえにライバル不在のシーズンを展開しました。

(ドライバーは『大英帝国のライオン』ことナイジェル・マンセル選手。 車椅子に乗られている方は、チームオーナーのフランク・ウィリアムズ氏です。)
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当時は日本を代表するホンダエンジンを搭載したマクラーレンが負けていた事もあり、「要はハイテクを持ち込んで回りを出し抜いたんだろう?」という揶揄の声を聞くことが多かったのですが、自動車の電子制御化はどのチームも取り組んでいた事でした。 このマシンとウィリアムズチームの特筆すべき点は、他のチームが諦めたり実現できなかった電子制御の実用化を、物凄い努力で克服した事にあります。
それがどれだけ壮絶なものだったかは、本文中に記されています。

(こうした写真を見ているとロッドの形状等は大変参考になり、ローレーサーを含めた自転車にも十分フィードバックする価値があります。)13032202 

今だからこれだけ詳細な写真を公開してくれるのでしょうね。 当時はここまで見せる事は無かったです…。

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「FW14B」と言われてピンと来なくても、「リアクティブ・サスペンション」という言葉は聞いた事があるって人も多いんじゃないでしょうか?

(何とリアクティブ・サスペンションについても解説があります!)13032204 

大事な事が書いてあります。

(こんな事を書いてもいいのか!?)13032206 

単なるエンジン供給の担当だと思われていたルノー社が、実はとんでもない役割りを担っていた事が明かされています。

(こんな事を発表してもいいのか!?)
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テクニカル・ディレクターであり共同オーナーだった(もうトシなので引退されました。)パトリック・ヘッド氏のロングインタビューも掲載されていました。

(こんな記事を出してもいいのか!?)
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エンジニアの鬼才エイドリアン・ニューウェイ氏のコメントも掲載されています! あまり社交的ではないという氏のコメントはとても貴重です。
氏は現在破竹の4年連続チャンピオンに輝いているレッドブルF1チームに所属して、そのマシン製作において存分に鬼才ぶりを発揮しています。 初めてレッドブルのF1マシンを見た時に、「何だかFW14Bを現代流の流線形にした様な車体だな…」と感じたのですが、気のせいでは無かった様です。

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まるで勝負にならない程に速かったFW14Bは、しかし大金を注ぎ込んだ事よってではなく、とても限られた予算の中でアイデアと情熱とひたむきで物凄い努力とチームワークによって作り出されました。 当時は誰も知らなかった事なのですが…。
当時を知る人がこの本を読んだら、とても信じられないんじゃないかなぁ…。

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その圧倒的なパフォーマンスゆえに、F1マシンにおける電子制御システムの搭載は、その後レギュレーションによって大きく制限されて行きます。

(裏表紙にはその全てを象徴する言葉が記されています。)
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当時を知る人にはぜひ読んで欲しい一冊です。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

「こんなこと書いていいのか!?」
非常に気になります(^^)

この当時は私も最も情熱を傾けてF 1を追いかけていた時期だったもので。

>えむきゅうさん
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まずはこの本を手に取って読まなくてはいけません。
いけませんと言う程の事でもないのですが、読まなければなりません!

「FW14B」「N・マンセル」「F・ウィリアムズ」・・・
当時、古館アナの実況を通して聞いて聞いた単語が並んで
いて懐かしいかったです。
限られた予算の中でイイ仕事をした人達の話に接すると
元気が出ます^^

>ocean810さん
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当時は無敵の「FW14B」だからマンセルも勝てたと思われていたフシがありましたが、この本を読んでいるとマンセルだからFW14Bの性能を引き出せたのだという事が明かされていました。 その理由は想像を絶するものでしたよ。
古館アナ・三宅アナ・河合アナ…。 私にとってこの三人はF1放送の象徴的な存在でしたよ。 いやぁ~懐かしいですね~。
限られた予算と言っても我々からしたら物凄い金額ですが、あれ程の速さを誇ったF1マシンを開発・製作する金額としてはかなりの低コストではありました。 実は多分にルノーの負担によるものが否めませんが…。 そのルノーが何をどこまでやっていたのかは本文中に書かれていましたが、それを読んだら…「ルノー恐るべし!」(←いい仕事をしていると言う意味です)。

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