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リカンベント・ローレーサーについて考える(私見) その3

一般向けに出回っているリカンベント・ローレーサーを観察すると、そのフレーム材質には異なる数種類の物が存在している事が分かります。 そしてそれぞれの材質の特性を知って車体の特性や乗り味との関係を理解する事は、自分が所有する車体と向き合う上で役に立つだけでなく、新規購入や乗り換えや買い足しの判断材料になる事もあります。

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リカンベント・レーサーのフレーム素材として使われる鉄やクロモリやアルミやチタンやカーボンファイバーなどには、それぞれに異なる特有の性質があります。
もちろんリカンベントに限らずどの自転車のフレームにおいても、その形状や肉厚などの設計に工夫を凝らす事によって狙った特性を実現するべく開発されている訳ですが、それらはフレームの設計だけではなく材質が持つ特性とも密接な関わりを持っています。

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今回の話はローレーサーに限らずリカンベント・レーサーの全てに、ひいてはどの自転車にも共通して言えるフレーム材質に関する話なのですが、主にローレーサーの乗り比べを通して体感・検証した事を基準に判断しており、特徴や具体例などについては独特の構造・乗車姿勢のローレーサーでの評価という視点に軸を置いています。 

ローレーサーはアップライトの自転車みたいな手脚や上半身のバネをフルに活用して体が受ける衝撃を吸収できるアクティブライドの乗り方と違い(独自のアクティブライド的な要素を含む乗り方も無くはありませんが詳細は割愛します)、フレームの上に直付けしたベンチシートに対して全面的に体重を預けて乗っかる形で寝そべる乗車姿勢ですので、腕・脚を除く体中で衝撃を受けながら走る事になる為、フレームの硬さの違いなどを顕著に感じます。
また頭部すなわち音を感じ取る耳や頭蓋骨が路面や後輪やフレームに近く、ベンチタイプのシートが面で受けて集音・増幅した音が伝わって来る事に加えて、フレームの振動がシート一面を介して背中全体に伝わって来ますので、アップライトの自転車に比べて音や振動をより激しく敏感に感じている事になります。

もしかしたらこれから書き連ねる内容はローレーサーだからこそ過剰かつ顕著に感じる事に過ぎず、ミッドレーサーやハイレーサーやアップライト自転車では取るに足らない事なのかもしれません…。

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リカンベントの歴史は以外と古く、1900年代前半に国際レースで無名選手がいきない優勝する事が何度もあった事をやっかまれて、1934年以降は国際レースの車輌規約を変更する事で主要なレースから締め出されたと言われています(後に小径車で有名なアレックス・モールトンも同じ憂き目に遭う事になります…)。
実は1970年代後半に誕生したと言われるMTBよりも古い歴史を持つリカンベントですが、歴史の古さの問題ではなく既存の物の縄張りに抵触したか否かでその命運は分かれました。

そんなリカンベントが僅かながらも日本国内に出回り始めたのは、事実上21世紀に入ってからと言えるでしょう。 それ以前に個人輸入されていた方もいらっしゃるのかもしれませんが、ディーラーが正規輸入販売を始めたのはこの頃みたいです。

その初期から今日に至るまで変わる事の無いリカンベント愛好家であり、今やエキスパートとして名高いやまおかさんと出会った頃から、盛豚も手持ちのOPTIMA LYNXXやChina Mascot Products LOW-RACERで試行錯誤を重ねるようになって、その過程で多くのオーナーさんのご厚意で様々なリカンベント・レーサーに試乗させて頂く機会を得て来ました。 

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盛豚がこれまでに所有もしくは試乗という形で乗った事があるリカンベント・レーサーのフレーム材質は、

①鉄
②アルミ
③クロモリ
④チタン合金(たぶんアルミベースだと思います…)
⑤ウェットカーボンファイバー
⑥アルミ/ウェットカーボンファイバー(ハイブリッド)
⑦ドライカーボンファイバー

の7種類が挙げられます。 もちろんフレームの特性は材質だけでなく材質と設計と作り込みの総合的な評価を出すべきなのですが、振り返ってみると材質によってある程度フレーム特性を分類できる傾向があると感じました。

それらをハイアマチュアの域には程遠い盛豚というホビーライダーの主観として以下に記しますが、盛豚が最初に所有したリジットフレームのリカンベント・レーサーが鉄フレームで、その次はクロモリフレームでしたので、これらが一つの判断基準になっている事を予めお断りしておきます。
またこれらは盛豚が公道走行を通じて個人的に感じた相対的な特性の違いについての私見であって、それぞれのフレーム材質や車体を貶している訳では無いという事も念の為に申し上げておきます。

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①鉄

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価格は安くて重量は重たい材質です。 靭性(「じんせい」と読みます。 大雑把に言うとしなり・たわみが発生する事で変形・破断を起こし難い粘りがあるという事です)が高いのが特徴で、乗り心地が良いと感じます。 また、「鉄はヒトの肉体の感性と相性が良い金属である」とも聞いた事があります。

瞬発力や鋭い加速など(いわゆる反応の良さ)については、アルミやチタンやカーボンファイバー系に比べると少々劣ると感じます。 また、しなり・たわみが発生し易いのでねじれ剛性はアルミやカーボンファイバー系よりも劣りますが、コーナリング中にタイヤのグリップ力を含めて車体の限界域に近付いているか否かを把握し易い傾向があると感じます。
また、路面が荒れている場所でもフレームが細かい振動をある程度は吸収してくれるので、アルミフレームに比べるとあまり振動で跳ねたりせずに路面追随性が程よくて安定した走りが得られます。 このように限界がやや低い代わりに把握し易い特性は、入門向けのレーサーに適していると感じます。

車重の目安:フルサイズのローレーサーで約16kg~
車輌の例:China Mascot Products LOW-RACER、他(今日では鉄フレームのリカンベントとして作られているのは主にコンフォートモデルで、ローレーサーはあまり作られていないみたいです…)。

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②アルミ

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車体の価格は鉄より高くてチタンやカーボンファイバー系よりもグッと安いです。 重量は鉄よりも2~3kg軽く仕上がる傾向がありますが、チタンやカーボンファイバー系ほど軽くはありません。 鉄と違って硬くて靭性が低く乗り心地は少し硬くなりますが、程々の価格で軽量・高剛性を実現できます。

瞬発力や鋭い加速など(いわゆる反応の良さ)については鉄よりも優れていますが、チタンやカーボンファイバー系の高性能な物には更に優れた物があります。 しなり・たわみが少なくて鉄よりもねじれ剛性の高いフレームを作れますので、カチッとした乗り味になります。

1G状態(重力下で静止した状態の事ね…)でライダーが着座するのを横から見ていると、その瞬間にフレームやリヤアームが少ししなるのを目視で確認できるモデルもありますが、走行状態での路面追随性については「良くも悪くもやや硬い」と感じます。
路面が滑らかな場所では鉄よりも優れた剛性感の恩恵で走りもパワーロスが少なく滑らかになり、中空構造のカーボンファイバー系みたいな走行振動の内部反響音も無く、ボートが水面を無音で滑るかのようにスーッと走ります。
路面が荒れている場所や細かい段差がある場所では細かい凹凸まで顕著に拾うので、鉄と違って特にフロント周りを中心に細かな振動が生じたり少し跳ねたりするケースがあります(アルミのローレーサーに加えてドライカーボンファイバーのローレーサーを買い足したfoxhounderさんも「アルミは挙動がじゃじゃ馬だった」と仰られていました。 また、ロードレーサーでもアルミフレームは手首が疲れ易いと聞いた事があります…)。

衝撃吸収性を期待でない代わりに適度な価格でありながら軽量・高剛性とバランスが良く、リカンベントのフレーム材質としては主流だと言っていいでしょう。 硬さや振動についてはそれほど気にならないと言うオーナーが多いので、慣れの問題と言えるかもしれません。 特有の硬さと振動が気にならない人にはオススメだと思います。

車重の目安:フルサイズのローレーサーで約13kg強
車輌の例:Performerローレーサー・スーパーローレーサー、OPTIMA BARON・BARON X-low、Challenge Fujin、他(路面の良し悪しによって乗り味にギャップが生じると感じます)。

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③クロモリ

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車体の価格はアルミと似たようなモンです。 重量もアルミに近いのですがアルミの方が1kgくらい軽い仕上がりになる傾向があるみたいです。 程々の価格で軽量・高剛性を実現できる上に、芯があるのに乗り心地も硬過ぎず良い方だと感じます。

瞬発力や鋭い加速など(いわゆる反応の良さ)についてはアルミと同等以上で、耐久性はアルミよりも優れているようです。 しなり・たわみが少なくてねじれ剛性の高いフレームを作れます。

剛性が高いわりに走行状態での路面追随性が良く、路面が滑らかな場所ではアルミと同様に優れた剛性感がある一方で乗り心地は滑らかで、中空構造のカーボンファイバー系みたいな走行振動の内部反響音も無く、ボートが水面を無音で滑るかのようにスーッと走ります。
路面が荒れている場所でも鉄よりは硬いのですが、路面の凹凸による振動や跳ねはアルミよりも明らかに少ないので乗り心地もそれなりに良く(まるでダンパーが効いているかのようなカンジです)、車輪への荷重が路面に影響され難い安定した走りを得られます。

芯が強いけどしなやかさもある特性はアルミよりも扱い易いので、個人的には価格・軽量・高剛性のバランスが最も好みなのですが、何故か少数派です…。

車重の目安:フルサイズのローレーサーで約14kg強
車輌の例:M5ローレーサー、他(すっごくイイ材質だと思うんだけどなぁ…)。

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④チタン合金(初代Performerチタン・ローレーサーの例です。 これは恐らくアルミベースのチタン合金だと思います…)

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車体の価格はアルミの約2倍+αになります。 重量はアルミよりも約2~3kg軽くなった例があります。 剛性については一口にチタン合金と言ってもベース金属や配合比によって大きく異なりますが、初代Performerチタン・ローレーサー(上の画像のモデルの一つ前のヤツです…)の例を見ると鉄よりもしなやかでした。

瞬発力や鋭い加速など(いわゆる反応の良さ)についてはアルミと同等以上なのに何故かしなやかで、乗り心地はドライカーボンファイバーと同等という魔法の絨毯… 材質です。

1G状態(重力下で静止した状態の事ね…)でライダーが着座するのを横から見ていると、その瞬間にフレームやリヤアームがしなるのを目視で確認できますし、そこから更に走行状態での路面追随性が高いと感じます。
路面が滑らかな場所ではアルミ以上に滑らかな走りで、中空構造のカーボンファイバー系みたいな走行振動の内部反響音も全く無く、底にワックスを塗ったボートが水面を無音で滑るかのようにスーーーッと走ります。
路面が荒れている場所でも鉄より遥かにソフトでドライカーボンファイバーに迫る滑らかさがあり、路面の凹凸をフレームが良く吸収しているので振動したり跳ねたりしませんでした。 ただしこれは初代Performerチタン・ローレーサーという一車種の例に過ぎません。 前述の通りチタン合金はモノによって千差万別であり、昔のM5チタン・ローレーサーなど他の車種についてはそれぞれ異なる特性である可能性もありますので、あくまで一例と考えた方が良さそうです。

車重の目安:フルサイズのローレーサーで約11kg
車輌の例:Performerチタン・ローレーサー、他(反応が良いのにシルキーライド! ステップアップの際は検討の価値アリかと…)。

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⑤ウェットカーボンファイバー

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車体の価格はアルミの2~3倍になります。 重量は目安としてアルミよりも約5kgほど軽くなる傾向があります。 剛性についてはアルミやチタンなどの金属製よりも高い傾向がありますが、チタンと同様にモノによって剛性や耐久性が異なります。

上記の俗称をより正確に書き表すとカーボンファイバーラインフォースドプラスチックス(C.F.R.P.)などという長ったらしい呼び方になりますが、自転車界で巷に出回っている『カーボン』と総称して呼ばれる物の大半はこれに該当します。
大雑把に言うと面積が小さく紙のように薄いカーボンファイバーシートを型に貼り重ねて一次成形した物に、タップリと樹脂を上塗りして大きい圧力釜で乾燥させて作った成形品で、より簡単に言い表すと薄いカーボンファイバーで補強した樹脂成形品です。 この時に使われる樹脂は粘度が高い状態とはいえ一応液状樹脂ですので、認識のある工業界人の間ではドライカーボンファイバーと区別する意味で、液状樹脂→湿式→ウェットと呼ばれているそうです。

樹脂の比率が高いので表面がツヤツヤになっていて透明層が厚いところが、ドライカーボンファイバーとの外観上の大きな違いです。 樹脂が主体でカーボンファイバーはあくまで補助的な骨格である前提なのでカーボンファイバー層が薄くて、質の低い物は振動などによる樹脂層の劣化(微細なひび割れなど…)が激しく、剛性や耐久性についてはピンからキリまであるようです。

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※…(これまでにロード用の『カーボンフレーム』と称する物を、新品~オーナー車~事故でバックリと割れた物まで断面も含めて色々と観察してきましたが、安い物の中には「芯部にカーボンシートを薄く貼り巡らせただけのプラスチック」と言わざるを得ない物もあり、「プラスチックのフレームに10万円以上って空しいなぁ」と思わずにいられませんでした。 さぞかしメーカーや販売店が儲かりそうなこれらのフレームを見ていると、ロード用のウェットカーボンファイバーフレームが流行っている理由を垣間見た気分になります…)

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瞬発力や鋭い加速など(いわゆる反応の良さ)については、物さえ確かであれば新しい内は金属の領域を超えた抜群の軽さも相まって金属製を上回ります。 一般的に振動吸収性があると言われていますがその程度については千差万別のようです。

路面が滑らかな場所では鉄よりも優れた剛性感がある走りを見せる一方で、路面から受けた振動を中空構造の内部で反響音として増幅してしまい、「ゴーッ」という独特の振動音を放ちます。
路面が荒れている場所ではそれなりに衝撃吸収性もあると言われていますが、個人的には「アルミほどじゃないけど意外とフロント周りを中心に振動があって跳ねる傾向があるな」というのが率直な感想です。 衝撃吸収性よりも反響音が気になって仕方が無いと感じるのは盛豚だけでしょうか…。

前述の通りチタン合金と同様にモノによって千差万別であり、剛性も耐久性も物によって大きく異なる傾向があるようです…。
Velokraft社製などを選んだらモノは確かなのかもしれませんが、同社製品は高度な運転技術を要求される傾向がありますし公道で乗るにはもったいないので、サーキットやバンク用と割り切った方が良いのではないかと感じます。

車重の目安:フルサイズのローレーサーで9kg未満
車輌の例:velokraft vkシリーズ、他。

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⑥アルミ/ウェットカーボンファイバー(ハイブリッド)

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車体の価格はアルミより高くてカーボンファイバー系よりも安いです。 重量はアルミよりも約2kg軽く仕上がる傾向がありチタンとどっこいどっこいです。 フレームの曲線部分にアルミを、直線部分やリヤアームにしっかり目のウェットカーボンファイバー製チューブ(OPTIMA BARON Eliteはリヤアームのみ)を使用して、それぞれを接着して作り上げている傾向があり、アルミよりも軽量・高剛性のフレームを作れます。

瞬発力や鋭い加速など(いわゆる反応の良さ)については、アルミとウェットカーボンファイバーの中間的な良さを感じます。 しなり・たわみがほとんど無い軽量・高剛性のフレームを作れますが、ウェットカーボンファイバーの効果で路面が荒れている場所ではアルミ特有の振動と跳ねがやや軽減されて、乗り心地の硬さの印象はアルミとクロモリの中間といった印象があります。

アルミを上回る軽量・高剛性を実現していますが、その特殊な構造故にリカンベントのフレーム材質としては少数派で、現行車種は無くなってしまったようです。

車重の目安:フルサイズのローレーサーで約11~12kg
車輌の例:Performerロードースター、OPTIMA RAPTOR、OPTIMA BARON Elite、他(実は全て製造元はP社だという説がありましたが、いずれも絶版になっています。 OPTIMA BARON Eliteについては正規輸入された車輌が一台しか無く、かつて盛豚が販売店に駆け込んだ時には一足違いで売れてしまった後でした。 それぞれが作りの良い車輌だけにぜひ再販して欲しいものです…)。

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⑦ドライカーボンファイバー

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真打ち登場です! 予算に糸目を付けずに最高の物を求める人は迷わずコレを買って下さい。
以上!

……

えっ、長文になってもいいから手抜きせずに言ってみろって?

それでは遠慮無く…

車体の価格はアルミの約4~5倍になります(750ccクラスのオートバイみたいな価格です…。 最近は転売を目的とした高価な自転車の盗難が増えていますが、コレは個体数が少な過ぎる上に個体ごとに入手経路やオーナーを特定できる方法がありますので、もし不届きな輩がこの長文を読んでも邪な考えは起こさない事!)。 重量の目安はアルミよりも約5kgほど軽くなる傾向があります。 剛性については前述のどの材質よりも高いのですが、それでいて乗り心地はどの材質よりも良いという魔法の絨毯… 材質です。

大雑把に言うと、カーボンファイバーをイチから編み上げて一定の肉厚を持たせて作った数個の立体ピースを接着して、大きい圧力釜で乾燥させて作ったカーボンファイバー製の成形品です。 カーボンファイバーを編む段階でシート状ではなく立体に編み上げられていて、樹脂をほとんど塗らずに成形されています。 その為ウェットカーボンファイバーと区別する意味で液状樹脂をほとんど使わない→乾式→ドライと呼ばれており、樹脂をほとんど含んでいないので表面にあまりツヤが無い事が、ウェットカーボンファイバーとの外観上の大きな違いです。
原料構成はウェットカーボンファイバーと共通する物を使用していますが、その構成比率や基本製法は大きく異なっていて、純カーボンファイバーと言っていいほどにカーボンファイバー層が主体で樹脂含有量は少なく、振動による劣化(ひび割れなど…)も極めて少なくて軽量・高剛性・耐久性に優れています。

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※…(カーボンファイバーの質の良し悪しについては、リカンベントならばフロントビーム先端の断面などを見れば、ある程度の察しは付くと思います…)

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余談ですがF1のコクピットは専門用語でサバイバルセルと呼ばれていて、超高速域での衝突事故からドライバーの命を守る為に、アルミのハニカムをドライカーボンファイバーでサンドウィッチしながら立体的かつモノコック構造に編み上げられており、物凄く厳しい衝突テストに合格しなければ出場する事さえ許されません。 つまりそれほどまでに信頼性が高い材質として認められていて今日では航空機にも採用されているなど、人類が現代技術で作れる最高の強度と安全性を実現する材質の一つだと言われています。

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瞬発力や鋭い加速など(いわゆる反応の良さ)については抜群に良く、他の材質を確実に上回ります。 しなり・たわみがほとんど無くて猛烈な軽量・高剛性を持ちながら、同時に高い衝撃吸収性を持つフレームを作れます。
剛性が高いのに足の関節へのキックバックダメージは少なく、路面が滑らかな場所ではカーボンファイバー系としては意外なほどに静かでチタン以上に滑るように走る一方で、路面が荒れている場所でも路面の凹凸による振動や跳ねが抑えられるだけでなく、中空構造ながら路面から受けた振動が生み出す内部反響音は極めて低く小さいです(乗っている時に「狐に騙されてるんじゃないか!?」と感じるのは盛豚だけでしょうか…)。

「えこ贔屓して褒めすぎなんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、一度乗ったら自分が抱いていたリカンベントに関する観念が覆される一台です(少なくとも盛豚は二度の試乗でそう感じました…)。
ただ、「できる事なら一台目からいきなりコレを買うのでは無く、リジットフレームのレーサーを乗り継ぐ過程で二台目か三台目に乗り換える時にコレを選んで、その違いを自分で体感して感動して欲しいなぁ…」というのが自転車屋さんと盛豚とオーナーであるfoxhounderさんの共通する意見です…。

それから「その乗り味については感動的でさえある」という感想については、エキスパートのやまおかさんとも意見が一致していました。

車重の目安:フルサイズのローレーサーで8kgちょい
車輌の例:TROYTEC REVOLUTIONシリーズ、他(もはや金斗雲ですな…。 コレは反則ですよ! ちょっとfoxhounderさんを逮捕しましょう。 うん、それしか無い…)。

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これまでに乗った事のある車種のフレーム材質に注目して、自分の経験の中から色々と私見を書いてみましたが、あくまでフレーム材質の傾向という話であって、車体の総合論から見れば一要素の話に過ぎないと思っています。
「そこまで細かい事は気にしない」という豪傑な方にとっては、読む価値ゼロの無駄な長文なのでしょう。 しかしながら振動・衝撃吸収性の影響によって発生する車体の跳ねについては、特に公道走行における高速域や限界域での操縦性の難易度に少なからず影響があるという事については、エキスパートのやまおかさんとも意見が一致しました。

材質別の特性と傾向について僅かな経験から書き出してみましたが、個々のフレームが持つ設計上の形状や肉厚などによって多少の変化はありますし、硬さやねじれ剛性についても組み合わせるフロントフォークやホイールがしなやかであれば結構緩和されたりしますので、フレーム特性が車輌の特性を完全に決定付けるという訳ではありません。 むしろ硬いフレームやシャーシにはしなやかな足回りを組み合わせ、柔らかいフレームやシャーシには硬めの足回りを組み合わせるのが乗り物のセッティングのセオリーですので、総合的な仕上がりはオーナーのセンスで多少は変わります。

また価格については為替の変動や社会情勢によって変化しますし、目安として書いた車重も軽量な高級部品を組み込む事でお財布と一緒にもっと軽量化する事が可能です。

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こうして書き出してみると材質ごとにメリット・デメリットはどうしても出て来てしまいますね。 最近ではリカンベント友達やお世話になっている販売店さんとの繋がりが深くなって来たせいか、書いている内に「アルミは○○さんや××さん達が乗ってるから言い回しに気を遣わなきゃなぁ…」だとか、「ウェットカーボンファイバーは△△さんに乗らせて頂いたのにデメリットをずけずけ書いたら怨まれるかなぁ…」とか、「ハイブリッドはあのお方の車輌を名指ししてるみたいなモンだから、本人が許してくれても周りから村八分にされるんじゃないかなぁ…sweat01」とか、「そもそもほぼ全部を扱ってられる販売店さんに冷たくされたらどうしよう…」などという事が気になってしまい、周囲で自分の他に見当らない鉄以外の材質については言い回しや表現に気を遣いました…。(汗)

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これまでにご所有のリカンベント・レーサーを試乗させて下さった皆様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

重ね重ね申し上げますが、これらは盛豚が個人的に感じる相対的な特性の違いについての私見であって、それぞれのフレーム材質や車体を貶している訳では無いという事をご理解頂いた上で、先入観を持たずに参考程度に読み流してやって頂ける事を願っております。 ( ・ω・;)

またこれら一連を踏まえた上で、「リカンベント・レーサーの購入を検討しているけれど、地域性などから販売店やオーナーが身近に見当らないので試乗の機会を得られない」という方にとって、幾ばくかでも参考になりましたら幸いです。

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※…(リカンベントのご購入に関するご相談・ご用命は、誠実がモットーで何かと頼りになるHC WORKSさんまで)

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コメント

ちょっと疑問点ですが。
アルミ/ウェットカーボンファイバーのカーボン素材ですが、アレは規格サイズで制作されたドライカーボンのパイプじゃないですかね。
鳥人間コンテストの航空機の主翼桁で使われているモノと同じ様な。
直線部分しか使われてないのは、直線規格しか無いからでは無いかと思っているんですが。

>ツカモトさん
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流石ですね。 いずれ何方か工業的知識の豊富な方からご指摘を受けるとは思っていましたが、やはりツカモトさんでしたか…。
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今日の工業界ではオートクレーブで加圧成型さえされていれば樹脂成型品でも「ドライカーボン」と称して販売されていますが、特にロード用フレーム・パーツでカーボンシートを少々入れただけのプラスチックを「カーボン」と称したボッタクリ商売が横行している事に対して、今回は揶揄を込めてカーボンシートを入れただけの樹脂成型品を「ウェットカーボン」、カーボンファイバー成型品を「ドライカーボン」と分類しています。 ⑥を「C.F.R.P.」・⑦を「カーボンファイバー」としても良かったのですが、「吟醸酒」と同様に未だ表示偽装として扱われない事に対する私なりの皮肉を込めたアンチテーゼの表現であり、止めにドライカーボンファイバーを「純カーボンファイバーと言っていいほどに…」と、言葉や現物をすり替えた結果としてどんな矛盾が生じているかを書き表す事にしました。
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ご指摘の通りあのハイブリッドフレームのカーボンチューブは今の工業界がドライカーボンと称する物です。 しかしながら上記の理由から樹脂成型品はウェットカーボンに分類しました。 ではそれほどまでに私が区別したがるドライカーボンってどないやねん?って事になると思いますが、その辺については塗装前のフォーミュラーマシンのコックピットを観察したり、TROYTEC REVOLUTIONの実車を良っっっく観察した上で滑らかな路面と荒れた路面の両方で他のカーボンと称する車輌と乗り比べて頂ければ、目からウェットカーボン製の鱗が落ちるほどお分かり頂けると思います(ツカモトさんほどのお方でしたら私が気付いた事以上のモノを感じられる事でしょう!)。
一度でも経験すると真のドライカーボンとそれ以外の物を同列に扱う事は出来なくなる事請け合いです。(笑)

よくぞこれ程の長文を・・
そして、よくもまぁこれだけのリカンベントを乗り比べてきたものですね(^_^ゞ

あまりのマニアックさに呆れてしまいます(^^)

やっぱり究極はドライカーボンですか!

高剛性アルミフレームに、 これまた剛性の塊の様なAEROSPOKEを組み合わせている私って・・・( ̄▽ ̄)ゞ

ただ、バイクや車の時代からガチガチに固いのが好みやったのは確かで、
跳ねまくるジャジャ馬みたいなんばっかり乗り継いで来たよーな気がします(^_^ゞ

『リカンベントスポーツ』創刊の日は近い!?

こんばんは。
大作、ご苦労様でした。
素材の話、興味深く拝見しましたよ。
ローレーサーに限らずロードバイクでも同じような傾向だと思いますよ。
そして同じ素材でも形状によって変わってきますし。
私的に金属好みでカーボンは必要ないと思っていますがこのドライカーボンには興味があります。
ロードバイクで我々が言うところの金満ロードのことかな?
でもやはりカーボンは気を使うので精神衛生上金属の方が私的に安心感がありますわ。
それにしてもこういう記事を拝見するとローレーサへの興味も再燃するのですが如何せん我が家の周辺の道路事情を考えると躊躇します。

いやはや、よくここまで研究されておいでで…。

素材以外の部分で言うなら、レボの真髄はコーナリングにあると思っています。
低すぎない重心位置から来る切り返しの早さ、ハンドリングの安定性、長くも短くも無いホイールベース等々…。
同じ挙動をPerformerのローレーサーで再現しようとしても、コーナーによってオーバー若しくはアンダーが出たり、立ち上がり加速でフロントのグリップ感が薄れたりと危なっかしいところが多々あります。
それをねじ伏せるのもまた一興ですが、純粋に速く走るなら、やはりスタビリティが高いほうが安心して身を任せられます。


残る試乗車はZockraですね!

またもや素晴らしい力作ですね!
きっとリカンベント選びに一番有効なバイブルになる事でしょう。

歴だけは盛豚さんの10倍程にはなるでしょうか?全く素材の違いなんて考えた事もありませんでしたよ。エキスパートやなんてとんでもないです(汗)
そんな鈍い私でもfoxさんのレボだけは他のリカンベントとは別物だと感動しました。

体をシートに預けて走るリカンベントにとって乗り心地はとても重要な要素ですね。
ただマシンの挙動や限界などは、私の様にランチの足程度でしか思ってないレベルでは、その低い限界内で走ればいいし、慣れも出てくるでしょうし、それよりむしろ気に入ったスタイルとか中身より外見重視で十分楽しんでます。

盛豚さんの様に敏感で違いの判る男だったら今頃私はリカンベント専門店でも開いてたかも知れませんね(笑)

>えむきゅうさん
.
今回は常々感じていた事を文字にしただけで、考えを纏め上げる作業は無かったですから、文字数のわりに楽でした。 例によって手短な文章に纏め上げる方が困難なので、これが手抜きして書いた結果です。 どちらかと言うとこれまでに試乗させて下さった皆さんに睨まれないような言い回しをする為に、気を遣って気疲れした事の方が応えましたよ。(笑)
自分が所有して乗り慣れたLOW-RACERが鉄フレームだった事から、興味本位で試乗させて頂いたレーサーというレーサーが、ことごとく乗り味の異なる物に感じられました。 色々試乗して来ましたが、今のところドライカーボン(カーボンファイバー)のインパクトが圧倒的ですね…。
えむきゅうさんがガチッとした剛性感を好まれるのも分かる気がします。 RC30や4型のNSRがそんなカンジでしたから…。
ところでえむきゅうさんのBARONですが、アルミの中では跳ねが少なくて車体を押さえ易いですね。 ヘッド周りの構造から推察するに本国製の最終モデルではないかと思われますが、前後のフレーム剛性が均一な印象がありますので、安心して乗れました。
.
『リカンベントスポーツ』創刊の日を目指して、お互いバシバシ原稿をUPしましょう!?

>kimotoshiさん
.
今晩は。
手抜きして書いたらまたしても大作になってしまいました。(汗)
車体に覆い被さる乗車姿勢のロードに比べると、ローレーサーは仰向けに乗っかっているので車体をねじ伏せる事が困難ですから、素材の特性の影響は無視できない傾向がありますね。 15台くらい乗り比べて違いが分かるようになった今だからこそ「ローレーサー選びの半分はフレーム材質選び」だと思っています。 でも現実はどのオーナーさんも取り敢えず手に入ったレーサーに馴染んでいく事になるのでしょうね…。
ドライカーボン(カーボンファイバー)の特性には物凄いモノがあるのですが、リジットフレームの一台目からコレに乗ってしまうとその凄さを感じる事ができないところが勿体無いかもしれませんね。
最初は圧倒されたローレーサーもちょっと慣れてしまえば何処でも走れる様になりました。 今ではロードで走れる所ならローレーサーでも走れると思っていますよ… っていうか何処にでも乗って行く私です。(笑) 

>foxhounderさん
.
研究というか今回は自分の感想が脳ミソから垂れ流し状態です。(笑)
レボのコーナリングですか。 フレーム材質をバックボーンにシート高の低さのわりに立ち気味のシート角や懐に入るコンパクトなホイールベース…etc、etc…。 こっちも考え出したら止まりませんね。 直線番長とは対照的な要素が満載されてますので、緩い下りのワインディングで高速域の走りを味わってみたらさぞ楽しい事でしょう。
価格はともかく挙動の面では、案外Performerローレーサーの方が上級者向けかもですね。(笑)
.
>残る試乗車はZockraですね!
.
注文されている方が長い入荷待ちに耐えられて納車されたら、是非お会いしたいのですが…。

>やまおかさん
.
今回は開き直って長文のままUPしました。(笑)
この長文がこれからの人のリカンベント選びに役立てばとも思うのですが、試乗車・販売店の取り扱い車種・他の条件的な面から、実際に選択肢が揃うかどうかもありますよね…。
.
謙遜されるわりに私の具体的な感想や意見や質問には確実に回答が出て来るあたり、やまおかさんには〝能ある鷹は爪を隠す″ってカンジでエキスパートに相応しい格好良さを感じます。
やっぱfoxさんのレボは別物ですよね。 まぁ私は予算的に不可能ですし収納場所の問題が…。 それにしてもやまおかさんのビジュアル系な愛車達を見ていると、性能とスタイルの両方に妥協の無い追及ぶりをヒシヒシと感じます。
ぜひ今からでもリカンベント専門店を…。(笑)

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