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リカンベント・ローレーサーのシートポジションとハンドリングの話

ChinaMascotProducts LOW-RACERの仕様変更やM5のセットアップを通じて、シートポジションのセッティングは奥が深いものだと感じました。

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ヨーロピアンシートを使用したリカンベント・ローレーサーにおいて、適切なポジションの条件として挙げられるのは、

・BBとシートの仰角が約130°~140°位
・ハンドルを握った状態で肘の角度が約90°前後
・BB長さは下死点で足首の角度を90°にした時に膝が少し曲がる位(ロードよりも狭い)
・etc、etc…

だと聞いた事があります。
具体的に画像で例を挙げると一般スポーツ走行の場合はこんなカンジだったり…

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競技用に特化した場合はこんなカンジ…

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らしいです。
あっ、オープンバーハンドルの場合は腕周りがどんなカンジになるのが適切なポジションなのかは知りませんので、それについてはこのサイボーグ… スゴイ人にでも訊いてみて下さい。

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手脚の角度については良く分かりましたが、そもそも基軸となるシートポジションはどうしたら良いのでしょうか? BBがフレームにリジットマウントとなっている機種が多いハイレーサーはBB位置が基軸となりがちですが、BBがブームマウントになっているローレーサーやミッドレーサーでは、シート位置からして考える必要があります。
ペダリングへの影響と言う意味では先日BB位置とセットでシート位置との相対的な関係をちょいと考えてみましたが、今回はシート位置を中心として他の要素との関係を考えてみたいと思います。

そしてここからはローレーサーにおける盛豚の経験談ですので、他の車種にもそのまま当てはまるという保証はありませんが、おそらくハイレーサーにもミッドレーサーにもある程度は応用できるのではないかと考えています。

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盛豚のChinaMascotProducts LOW-RACERには、手に入れた頃から純正シートではなくPerformer社製のローレーサー用シートが付いていたのですが、シート形状とフレーム形状との相性が今一つだった事から、本来の設計に対してシート位置が高過ぎたせいで重心が狂ってしまっていたらしく、腰高でコーナリング時のバランスが悪くてアンダーステア(カーブで曲がりきれない事)が酷くて手を焼きました。

今になって振り返ると良く分かるのですが、これは一番の重量物であるライダーの体の位置が基本設計に対して高過ぎた上に、前後車輪への荷重バランスが悪かった(フロント荷重が不足していた)事に加えて、更に横剛性が弱いリヤホイールが悪影響を与えていた結果だったのですが、当時は全く手がかりの無い手探り状態で試行錯誤をしていました。

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これは盛豚の独自の考え方なのかもしれませんが…、
ローレーサーは元々がバンクやクローズドサーキット向けの車輌なのでコーナリング重視の乗り物では無いとは言え、仰向けになってベンチシートに乗っかっているだけの乗車姿勢であり、ロードレーサーみたいに体を前後左右上下に動かしながらアクティブライドできる乗り物ではありません。 だからこそ車体そのものに一定のコーナリング性能が無くては困ると思うのです…。

※…(以降に添付するChinaMascotProducts LOW-RACERの画像はタイヤ接地面の水平バランスを重視し、背景を無視して補正しています)

(始めはバランスが悪くて交差点を曲がるのさえ難儀でした…)
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「とてもじゃないけどこのままでは乗れないな…」と感じたのですが、この時は手元に加工用の工具が無かったので、手始めにシート前側マウントの取り付け方向を反転する事でシート前側を約2cm下げてみたところ、少しだけ前輪荷重が増えて全然曲がらなかったハンドリングがちょっとだけマシになりました。

(シートの前側を2cm下げたらハンドリングがちょっとはマシになりました)
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それでもまだ腰高で不安定だったので、今度はシートのマウント固定用のボルト穴を開け直してシート高を前側で5cm・後ろ側で3cm下げてみました(後ろは台座に干渉してこれが限界)。 この時はシート側のマウント取り付け位置をシートに沿って上に前にずらす形となったので、シートの前後位置は逆に5cm後方に下がってしまいました(ついでにブームも後ろに引っ張ります…)。
低重心化(と言うか本来の高さに戻った訳ですが後退してしまいました…)が効いて直線での走行安定性は飛躍的に向上しましたが、手に入れた頃と同じかそれ以上にアンダーステアになってしまったので、シート高・重心の低さだけではなく前後位置も重要である事が分かりました。

(シートが後退したらまた曲がらなくなっちゃいましたよ…)
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そこで外注先に依頼してアイドラープーリーの台座とシート側のマウントとフレーム側の台座を丸ごと作り直し、更にシート先端部をU字状にカットしてシートを5cm前進させてシート後ろ側を2cm下げました(もちろんブームも5cm伸ばしたデスよ~)。 これでシートポジションは最初の時に比べて前側が7cm・後ろ側が5cm下がった状態になりました。

(シートを下げたまま前に出し直したらハンドリングが良くなりましただ!)
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(加工前のシート先端部)
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(加工後のシート先端部)
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走ってみるといいカンジになっていました。 低速では積極的にハンドリングがイン側に向かって入って行き、走行状態で程好い安定感と穏やかな切れ味を持ったニュートラルステアになり、不安無く走れる仕様が出来上がりました。

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一方M5を手に入れた時は…
ミッドレーサー用のシートを使っているものの元々の高さにマウントしてあり、リクライム角が起き上がっていてフロント荷重が大き過ぎるせいか、とにかくハンドリングの切れ込みが強過ぎて真っ直ぐ走れません。 しかも臀部に体重が集中し過ぎて5分も走ると足が痺れてきます。

(要手直しですな…)
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そこでこれまでの経験を生かしてまずシート位置を見直し、それに合わせてブームやハンドル周りを後からセットアップしてみたところ、アッと言う間に「切れ味の良いハンドリングを維持しつつ乗れる仕様」に辿り着きました。

(完成じゃないけどひとまずオッケー!)
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ChinaMascotProducts LOW-RACERではフレームとシートが別のメーカーの製品だったので過激な加工をしましたが、純正のヨーロピアンシートであればシートのマウント固定用のボルト穴の開け直しで多少のポジション調整は可能です。
そしてポジション調整がもたらす効果について盛豚の経験論をまとめると、

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・シートを下げると重心が下がって安定性が上がる
・シートを前に出すとハンドリングが良くなる
・シートの前側を軸にリクライム角を起こすと、重心が前に移動してハンドリングの切れ込みが強くなる(やり過ぎると真っ直ぐ走れなくなるので要注意!)

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現状でバランスが良い車体を下手に弄ると逆にバランスが悪くなってトラブルの元になりますけど、アンダーステアやオーバーステアに悩んでいる車体については、上記を参考にシートポジションの見直しで重心を調整する事によって対策を講じるのも一つの方法では無いかと考えています。

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コメント

苦労してきましたね~

迷走の挙げ句に変なとこに入り込まず、確実に理想に近づけているのが素晴らしい!

Phantomでの経験ですが、フロント荷重が大きすぎると走りが重くなったってのはありました。

あの状態でママチャリ代わりに近所へ買い物に出かけてた俺って・・・
って言うか、あれが自分のベストだったしなぁ・・・

>えむきゅうさん
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紆余曲折があった分、貴重なノウハウを蓄えられました。
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>迷走の挙げ句に変なとこに入り込まず、確実に理想に近づけているのが素晴らしい!
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ありがとうございます。 実は迷走せずにシート位置前進へ辿り着けたのは、他でも無いやまおかさんのM5に試乗させて頂いた事で得たヒントによるものです。 一昨年末にジオメトリーの事でご相談してみたところ、チンタライベントのパンポタにわざわざM5に乗って来て下さいまして…。 その時にチョイ乗り程度ではありますが試乗させて頂いたところ、その感動的な乗り味に「自分の求める方向性を具現化した車体が目の前に実在している!」と歓喜して、隅々まで観察して前側のマウントと台座を丸ごと作り直す決心をしました。 元々前側のマウント・台座の横幅が狭過ぎて強度が不足して困っていた為、作り直す事に躊躇いはありませんでしたから…。
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>Phantomでの経験ですが、フロント荷重が大きすぎると走りが重くなったってのはありました。
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これは私もM5のセットアップ中に経験した事があります。 本文中でも控え目に「やり過ぎは良くない」と書きましたが、アスファルトの上を走っているのにまるで泥濘に突撃して泥が右へ左へハンドリングに絡み付いて来るかの様な挙動になって困りましたよ。(苦笑)

>かーかみさん
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街乗りではシート角を起こしている方が操縦性は高くなりますからね。 幅の狭いストレートハンドルは手首の自由が利きませんが、そのお蔭でフロントの巻き込み挙動を押さえられてバランスが維持できていたものと考えています。
私自身は一般道における中・高速巡航でのスポーツ走行を重視して、シート角をセットし直す事にしました。 その為には一文字ハンドルでは手首の反し(カエシ)がきつ過ぎて自由が利きませんし、かと言ってTW-BENTSみたいな垂直ハンドルでは手首の反し(カエシ)が無いのでホールド性が低くて高速走行での安定性が不足します。 そこで拘ったのが適度なスラント角のある純正ハンドルだった訳です。
あくまで好みの問題ですが、現在のポジションを総合的に言うと、「やまおかさんポジションをベースに若干ハンドリングとシートのホールド性を妥協して、代わりに呼吸効率を重視したポジション」になっています。 まだ試行錯誤の過程ですがこのポジションには意外な収穫があったので、今しばらくはこのセッティングで乗るつもりです。

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