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無印良品!?

M5用のフロントホイールを新調しました。

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M5のフロントホイールには小径ディープリムにトラックレーサー用のラージフランジハブが組み込まれていました。 この不思議な組み合わせは前オーナーがM5のフロント周りを専用の片持ち式モノブレードから一般的なフロントフォークに仕様変更する際に、片持ち式ハブの純正ホイールからM5純正リムを再利用して組み直されたのだと聞いています。

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当時はリムに合う18Hのハブを探しても該当する物が無く、たまたま見つけたトラックレーサー用ラージフランジハブ(特注品の売れ残り)の他に選択肢が無かったそうなのですが、実はM5を手に入れた時からこのホイールについては対策が必要だと感じていました。

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ホイールを断面図方向から見た場合、強度や耐久性の関係上フランジ幅が広くてスポークの角度がある程度斜めになっているのが好ましいとされていますが、斜めになり過ぎるのは逆に好ましくないと聞いた事があります。 その理由はスポークの頭やニップル部分を斜めに曲げる力が加わり、折れ易くなるからだとの事でした。

画像では分かり難いかもしれませんが、従来のホイールは現物を見ると結構スリリングです…。

(ある程度は仕方ないのですが、やはりストレスがかかっている感は否めません…)
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(ニップルとリムの接点が…)
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(ハブ側・リム側の両方でスポークに不安が残って、積極的に中・長距離走行へ出られずにいました…)
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451やそれ以下の小径ホイールではハブとリムの距離が700Cよりも近いので、スポークの角度は大きくなりがちです(より斜めになるという意味です)。

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またハブがラージフランジになるとハブとリムの距離が近くなるので、スポークの角度は大きくなります。

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それからリムがディープリムになってもハブとリムの距離が近くなるので、スポークの角度が大きくなります。

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そして同じスポークを使う場合、スポーク本数が少ないほどにスポーク1本当たりの荷重が大きくなるので、理論上は折れる確率は高くなります。

通常はこれら三つの要素が集中するホイールというのはあり得ないのですが(ラージフランジハブはトラックレーサー専用部品なので、基本的に小径ホイールに組み込まれる事はありません)、前述の事情からM5のフロントホイールには三つの要素が集中している上に18Hとスポーク本数も少なくなってしまっています。

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トラックや近距離の低速走行だけならまだ良いのですが、凹凸や段差のある公道での中・長距離スポーツ走行用のM5で遠出している時に、スポークが折れて立ち往生してしまったら洒落になりませんので、構造的な不安要素を取り除く意味でフロントホイールの組み直しは急務でした。

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とにかくラージフランジハブを何とかしなければならないのですが、18Hハブを探すとなるとシマノ社のトラックレーサー用デュラエースのような高価な物に限られがちですし、こうしたハブと質の良いスポークを使ってフロントホイールを組み直したら、予算的に工賃を含めて軽く3万円を越えてしまいます。

(せめてこのラージフランジだけでも何とかしなくては…)14033005  

これではブランド物の小径車用完組みホイールと同レベルの出費になりますし(もし仮に量販店で前後セット物のバラ売りに応じて貰えたらの話ですが…)、確実にバラ売りに応じて貰えるのは重たいエアロスポークくらいのものだと予想されます。
18Hノーマルハブでデュラエース・トラックハブの中古品を待つ手もありますけど、そもそも公道用の車輌にトラックレーサー用のハブを組み込む事自体あまり気が進みませんでした。

こうして今一つ解決策を見出せずにいた矢先にHC WORKSさんで紹介して頂いたのが、完組みのフルカーボン・ディープリム・クリンチャーホイールです。 従来のホイールについてはゆっくりと中古ハブを探す事にして、ひとまずこのホイールを調達する事にしました。

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タイヤはお馴染みのパナレーサーMinits Light PTを組み合わせます。 今回はかなり瑞々しいコンパウンドの個体が手に入りました。

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このホイールは欧米の有名ブランド品ではなく、表向きはノーブランド品という扱いになっています。 「ブロンプトン用の社外品クランプを容認しない盛豚がノーブランドホイール?」という声が聞こえて来そうな気もしますけど、正確には「盛豚は強度・信頼性に直結する構造を重視する奴」です(有名ブランド品であっても理に適っていない構造の物は容認しません)。 従ってどちらも現品の確認に加えて色々と調べた上で判断しています。

実は現品を入念にチェックするや否や直感的に注文してしまったこのホイール(物の良し悪しは手に取って質感と構造を見ればある程度は分かりますので…)、更に色々と調べたところいくつかの発見がありました。

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まずリムの表面にはお化粧用の3Kカーボンファイバーを貼ってグロス仕上げされています。 流石に細部の仕上がりはMAVICやFFWDなどの美しさには敵いませんが、ちゃんと仕上げられていて及第点と言ったところです。

(3Kは東レ社のT700で、この他にマット仕上げの物もあるそうです)
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そしてフランジの内側から肝心の中身を見てみると、その材質は明らかにUD材(単一方向性のドライカーボン)で、ニップル周りやリムフランジ周りなどの肉厚や形状には、意外なほど確かなノウハウを感じさせるモノがありました。
フルカーボンクリンチャーのリムには強度重視と見受けられる物と、軽量化重視と見受けられる物がありますけど、このリムは前者に該当します。

(肉厚はしっかり目…)
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ハブを持ってホイールを回してみると、走行性能の鍵を握るリムの精度の高さが見て取れました。
店頭へ展示される前にHC WORKSさんで振れ取り作業をやり直したというこの個体は、リムの振れがほとんど見当らず(作業前の物には完組ホイールとして一般的なレベルの微かな振れがある…)、ノーブランドと言うには違和感があるほどのレベルです。

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UD材でフルカーボンクリンチャーリムを製造するにはUD材を始めとするドライカーボンの加工技術も含めてそれなりのノウハウが必要ですから、ちょっとやそっとのホイールメーカーが見よう見まねで製造できるものではありません。 現にカーボン製ハイト+アルミ製フランジの接着物といった複合素材の物が主流であり、フルカーボンクリンチャーホイールをリリースしているメーカーは限られています。

これらを踏まえて現物を見るほどに、「もしかしてこのリムはどこかの有名ブランド品と同じ製造元からのOEM品なのではなかろうか?」という気がしてなりませんでした(個人的な推測に過ぎませんが、フランジ周りの形状が明らかに某数社の製品と酷似しています…)。

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スポークはロットによってCNスポーク社製かピラール社製の物が組まれているようですが、この個体にはピラール社製のステンレスのエアロスポーク(寸法・形状からPA1432と思われます)が組み込まれています。
ステンレスというと「磁石がくっつかない」というイメージがありますが、実は鉄ほど強くはないものの磁石がくっつくクローム系テンレスと、磁石がくっつかないクローム+ニッケル系ステンレスに大分できるそうです。 前者は後者に比べて相対的にはやや錆び易い代わりに引っ張り強度が高いので、より折れ難いスポークが作れると聞いた事があります(どのみち盛豚はスポークを保護する意味で定期的にグリスを薄く塗り込んで油膜を張っていますので、錆びに関する懸念は特にありません…)。 試しに磁石を近付けるとこのスポークには鉄ほど強くはありませんがくっつきました。
ノーブランドホイールというわりには侮れないパーツセレクトが垣間見えます…。

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ハブはNOVATEC社(シールドベアリング内臓)で良く回ります。
リムの製造元は明記されていませんが、一般的な良さの表面仕上げとは裏腹にUD材で精度も高い中身を鑑みると、大方ブランド物へのOEMリムと同等品をカムフラージュしてコストも抑える目的で、表面仕上げの仕様を通常レベルに留めて、格安で手に入る伝手のあるNOVATECのハブを組み合わせた物といったところでしょうか…(あくまで個人的な想像です…)。

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耐久性についてはHC WORKSさんのオーナーさんが既に愛車に組み込んで、何ヶ月もノントラブルで実走されていますので、特に心配はしていません。

唯一の難点はリヤのWH7850-C24とデザインが合わない事ですかね…。 まあこればかりはどんなディープリムでも仕方が無いと思います。(苦笑) そんな訳で700Cのリヤホイールも取り寄せをお願いしました(リヤは特に安かったもので…)。

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こうして見てみるとホイールの違いで車体の前側と後ろ側で大きく印象が違っているのが分かります。

工業会のノウハウの中に「カラーリングはポイントを絞って黒を入れると全体の印象が引き締まる」というモノがあるのですが、フランジまで黒くなっているせいか引き締まるを通り越えて厳つい印象を感じるのは盛豚だけでしょうか?

せっかく上品でシャープなイメージに仕上がりつつあったのに、これで後輪もフルカーボンディープリムに替えた日には、ヤクザのベンツも道を空けると噂されるえむきゅうさんのBARONとお揃いのバイオレンスモードになってしまいそうなので、雰囲気を和らげるカラーリング対策を考える必要が出て来るかもしれませんね…。

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そして後輪用700Cの入荷待ちの間に更に色々と調べてみたところ、徐々にリムを含めたこのホイールの素性が分かって来たのですが、それについてはまたいずれ…。

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※…(価格・他のお問い合わせはHC WORKSさんまで)

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コメント

ほーら、またそーやって、ワタシを引き合いに出し、あることないことゆーて妙なイメージ定着を図る(*`Д´)ノ!!!

私のPhantomも真っ黒でイカツくなりましたし、M5もとうとうバイオレンスモードにどっぷり足を踏み入れましたね~

前後フルカーボンでマッドマックス仕様のハイ完成!

BARONとはベースカラーも同じやし、益々どんぐり兄弟やないですか( ̄∇ ̄*)ゞ

かなり厳つくなりそうですね。
これは楽しみ。
シチュエーションで使い分ける楽しみも出来ましたね!

おはようございます。
おおっ!これはイカツイですね。
より精悍な感じになっていいと思いますよ。
例の如く盛豚博士によるホイール検証も参考になりました。
確かに斜め過ぎるスポークは負荷がかかりそうな気がします。
ただ私的にカーボンリムには不安感があります。
あくまでロードの前後700Cサイズのことですが・・・
ブレーキを掛けすぎるとリムに熱を持ちタイヤがバーストしやすくなるとよく聞きます。
実際にその事例はネットのブログで何度もみた事がありますし実走行中に止まってリムを冷やしている方にもお会いしました。
酷いとリムが変形するとか・・・
実際に前後カーボンリムの自転車に乗った事がありますがブレーキの効き具合に少々違和感を感じました。
効いてない訳ではないのですがなんか効き方が変な感じがして。
これは慣れでしょうけどね。
ディスクブレーキならカーボンリムは使ってみたいですがVブレーキなら私の乗り方ではちとリスクが大きいかなと思っています。
なんせ怖がりなのでダウンヒルの時はブレーキ掛けまくりなものですから(苦笑)

イイ感じですね~、後ろをどうされるのか期待大です。

え?マッドマックス仕様?
重低音を響かせながら交差点をゆったり曲がり、
まっすぐ直線になった途端に、猛烈な白煙とともに
猛ダッシュかます

という走り方をM5で?(爆)

猛ダッシュの時に、前輪リフトアップも加えていただけると
超絶拍手喝采間違いなし!でしょう。

期待大です~~

>えむきゅうさん
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イメージも何もそのままでんがな。  ( ˘ω˘ )
それにしても黒が増えるとえむきゅうさんみたく厳つくなり、原色が増えるとやまおかさんみたいにド派手になるものですよね。 このまま黒が増えたらえむきゅうさんとお揃いのバイオレンスモードに突入してしまって、関西リカンベントの皆さんと走る時に異彩を放ちそうで心配です…。
そして皆さんから違う意味で「ブラックどんぐり兄弟」とか呼ばれそうで怖いです…。 (T T)

>Yおかさん
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ちょいと誤算なほど厳ついデス…。
ド迫力を求めていたのは確かなのですが、これではド迫力とは少々路線が違うえむきゅうさん的バイオレンスモードになりそうな予感が…。
バイオレンスモードが定着したら困るので、早くもシチュエーションによって使い分ける事は決定ですね。(苦笑)

>kimotoshiさん
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今晩は。
予想外の厳つさになってしまいました…。(汗)
フロントホイールについては直ちに人体に… じゃなくてスポークが折れそうだという訳ではありませんが、18Hと少ないスポーク本数なのに厳しい条件が重なっているので、こうして改めて考察してみたところやはり放置すべきではないだろうとの考えに至りました。
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確かにカーボンリムについては多用途向けとは言い難いですね。 私の知人も伊吹山のヒルクライムレースに借り物のカーボンホイールで出場して、レース終了後の下りでリムを焼き付かせたらしいです(←補償問題が勃発したか否かについては知りませんが…)。
ロードレーサーは特にアップダウンのコースで使われるケースが多いですから、変な話カーボンリムはロードレ-サー向きでは無いかも!?(笑)
焼き付き問題の他にバースト問題もあるのですか? 不良品&トラブルだらけのパナのチューブはここで全部廃棄処分しましたけど、念の為に夏場は空気圧を上げ過ぎ無いようにした方が良さそうですね…。
ブレーキの効き具合については自動車のサーキット用パッドに似た特性というか違和感がありますね(好みの105とは大きく異なるので注意が必要そうです)。 そういう意味では仰る通りディスクブレーキの方が万人向けだと思います。

>ゆっきょさん
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後ろも同系のディープリムを注文しました…。
マッドマックス仕様というかドラッグマシン風というか…。
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>重低音を響かせながら交差点をゆったり曲がり、
>まっすぐ直線になった途端に、猛烈な白煙とともに猛ダッシュかます
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まさしくそんな印象を抱かせるイメージです…。(汗)

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