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自分でやってみるホイールバランス取り

カーボンディープリムホイールのホイールバランスを取ってみました。

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※…(今回は久し振りの長文です…)

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自転車で走っている時に速度が40km/hを越えて高速域に入り更に速度が上がると、車体に「ゴーーーッ!!」っという振動と轟音が響いてフワフワと落ち着かなくなり、タイヤの接地感が希薄になって下り坂でコーナリングでもしようものなら曲がりきれずに吹っ飛びそうになったり、下り坂の直線でさえ怖くてブレーキをかけたという経験をした人も少なくないのではないでしょうか?

この怖さは生物学的にいう「恐怖遺伝子」の有無とその作用の強弱によって感じ方に差があるらしいのですが(盛豚は人並みかそれ以上の作用があると自覚しています。 車体の挙動などに敏感な理由はこの辺にあるのかもしれません…)、そもそも恐怖感以前にこの振動と轟音が発生する事に大きな問題があります。
この振動と轟音はオートバイ業界では「ウォブル」と呼ばれていて(自転車業界では何と呼ばれているかは知りませんが…)、考えられる代表的な原因として以下の二つが挙げられると言われています。

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①速度・風圧・他による負荷が車体の剛性・重心・精度などの限界を超えてしまった為

②ホイールバランスが悪くて車輪が自らの回転で縦方向の振動(車体を浮かび上がらせる力となってタイヤへの加重を乱す)を引き起こしてしまっている為

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①について対策をするのは容易ではありませんが、②についてはホイールバランスを取ってやるだけで改善・軽減できますので、これをやってみようというのが今回のテーマです。

ちなみにホイールバランスを取る前と取った後の違いについて、下り坂の高速カーブの場面での例を挙げると、バランス取り前は車体の挙動がフワフワして、接地感が無い不安定な状態でハンドルをこじりながらギリギリのコーナリングをしていたのに、バランス取り後は確かな接地感を感じてビシッと安定したまま特にハンドル操作をしなくても車体を滑らかにバンクさせて視線移動するだけでニュートラルステアのままスーーーッと曲がれるようになるケースもあります。

これは車体が持つ本来の走行性能と安定性が発揮できるようになったというだけの事なのですが、裏を返せば高価な車体もホイールも吊るしの状態のままでは本来の性能と安定性さえ発揮できていない事を意味しています。

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「細かい事を気にしすぎだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これを陸上競技に置き換えて考えてみると「100m走の選手のシューズのスパイクを抜いてしまい、しかも靴底がバイブレーターで振動を起こしていては満足に走れない」みたいなモノですし、もっと乱暴な例えをするならば「地震が起きている最中に全力で走れる人はいない」のと同じようなモノだと考えれば分かり易いと思います。

(高価なホイールも単体ではタダの部品ですか…)
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まず作業に入る前に前述の「ホイールバランス」についてもう少し掘り下げて述べてみたいと思います。

自動車やオートバイに限らずあらゆる車輌の車輪には、肉厚や密度などの僅かな差異(公差と呼ばれています)によって、部分的に他の部位よりも重かったり軽かったりする箇所が存在すると言われています(バラつきがあるって事ね…)。
それは重量の偏りと呼ぶにはごく僅かな物なのですが、主に外周部分などでそうした他の部分よりも重たい箇所には、回転時には相対的により強い遠心力が発生しますので、その部分だけが他の部分よりも強く車輪を振り回すような現象を引き起こしてしまい、車輪の回転中に振動が発生するケースがあるのだと聞いた事があります。

こうした振動に対して対策を取らないと走行中に車体やハンドルが振動し始め、タイヤの接地圧が不足したり、ハンドルが切れ難くなったり、ブレーキの効きが悪くなったり、コーナリング性能が落ちたり、車体のウォブルを引き起こしたりするなど、車体の挙動が乱れる原因となる場合があると言われています。

ちなみに盛豚は実際にタイヤ交換時にホイールバランスが正確に取れていない知人の軽自動車を高速道路で運転した事があるのですが、その時は60km/h手前あたりからハンドルに振動が出始めて、80km/hでは高速道路の緩やかなカーブさえハンドルをこじらないと曲がれないくらいにハンドル操作が効かなくなった上に(ハンドルは切れなくなって来るわ切れてもアンダーが出るわで最悪でした…)、タイヤ交換前に比べて明らかにブレーキの効きが悪くなっていたので、その旨を同乗していたオーナーに指摘して戻り次第ホイールバランスを取り直しに行くように進言しました。 そしてその日は75km/hで長野県から滋賀県までのんびり帰って来ました(後日「バランス取りをやり直させたら激変した」とオーナーから報告があった事は言うまでもありません…)。

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これは特に品質不良とかいう事ではなく、なるべく均等に作っているけれど公差の範囲で僅かな重量バランスの誤差が生じているに過ぎません。 その対策として重量が重たく偏っている部分を突き止めて、回転軸(この場合は車軸・ハブ)を挟んで反対側にバラスト(錘の事ね…)を付ける事によって、回転軸を挟んだ両端にある外周部分の重量を均等にして、回転時の振動をなくす為の作業は日常的に行われています。

これが「ホイールバランス取り」と呼ばれるモノです。

(自動車関係の画像をちょっと借りてきました。 赤丸の中に見える銀色の芋虫がバラストです)
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このホイールバランスが如何に重要で繊細な物であるのかを物語るかのように、一本あたりの重量が10kg前後ある乗用車の車輪に使われるバランス取り用のバラストは、1チップあたりの重量が僅か5gと非常に小さな物です。 つまり車輪の自重の僅か1/2000単位でバランス取りを行う必要があるという事を意味しています。
自動車と自転車では走行速度が異なるので全く同じ数値が当てはまるとは限らないのは確かですが、その一方で車輪の直径については乗用車と700Cでは逆の意味で大きな差がありますし、自転車の動力は自動車のそれに比べて極めて非力ですので、回転バランスの重要性は決して無視できる物ではない筈です。
盛豚は今回約1.3kgの後輪のホイールバランス取り作業で、釣り用の錘を使って2g単位のバランス取りを行いましたが(自重比1/650単位)、これでもかなり大雑把なバランス取り作業だったという事が良く分かります。

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ちなみに一部の自動車用高級ホイールでは裏面の肉抜き部分に細工を施してあり、予めバルブの反対側に想定されるバルブの重量と同等のカウンターウェイトを残すという意味で肉抜き量を少なくしてある部分があったります。
こうする事でタイヤとバルブを装着した時に一体バランスが出易いように製造されている訳ですが、自転車用完組ホイールではそうした物を見た事はありません。

(自動車関係の画像をちょっと借りてきました。 赤の部分は他の部位よりも肉厚があるのでバラストの役割りを担っています)
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そもそも一部のロード系ショップを除く自転車業界では、ホイールバランスを気にする人はあまりいないように感じます。 自動車やオートバイではタイヤを交換する度に必ずホイールバランスを確認して、必要に応じてバランス取りをするのが常識ですが、自転車業界の場合は一般自転車で出せる速度がたかだか知れているせいなのか、販売店でもホイールバランスを取っている場面を見た事がありません。

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自転車業界は重量の数値に対しては異常なまでに神経質で執拗に高価な材質を使う事に熱心な一方で、こうしたバランス取りの重要性に関するノウハウは発達していなかったりする部分もあるのですが、百歩譲って完組ホイールを単体パーツとして販売する時は例外としても、完成車や注文制作車輌として組み上げられる時でさえホイールバランスを取っていない事については、せっかくの材質やコストが活かしきれなくてもったいない気もします。

そして盛豚がこれまでに単体・車体ごとを問わずに中古で手に入れたどのホイールもバランス取りをされていた物はありませんし、自分自身でそれらのホイールバランスを取った事もありませんでした。

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しかしながら僅かな重量差とは言え、700Cのホイールサイズともなると走行中の周縁部分の負荷は半端ではありませんから、条件が重なると相乗効果で走行性能・安定性に影響を与えるほどの振動が起きる事もあり得ます。 そうして一度振動が発生してしまうと、多少減速して収まったように見えても微細な振動は残るので再び速度を上げるとまた大きくなる為、大幅に速度を落とさなければ完全には収まりません。
盛豚も自宅でメンテナンスをする度に最終チェックで固定スタンドにかけたままトップギヤに入れて、手でペダルを回して後輪を目一杯回すので、ミニベロはともかくリカンベント・ローレーサーの後輪については、以前からホイールバランスの偏りが引き起こす振動が気になっていました。

(借りてきました。 一部のロード系のお店ではこうしたホイールバランサーをお持ちだそうです)
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アルミ製リムのホイールの場合は、リムの継ぎ目に接続部分の強度対策と芯出しの目的でスリーブが埋め込まれているので、どうしても重量バランスに偏りが生じがちです。 その為に重量物であるタイヤチューブのバルブは強度&重量バランス対策の意味で、リムの継ぎ目の反対側に位置するように作られていますが、この程度では焼け石に水という印象は拭いきれません。

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これに対してフルカーボンホイールにはこうした重量バランスを偏らせるスリーブが入っていないので、ホイールバランスの偏りはもっと少なくなる事が期待できます。

先日購入したカーボンディープリムホイールをM5に組み込んで、固定スタンドにかけた状態でトップギヤでペダルを回したところ、このように推定速度45km/hを超えて高速域に入ったあたりからホイールに振動が出始めました(フリーハブのラチェット作動音についてはホイールの振動とは関係の無いラチェット作動音のムラがありますのでアテにしないで下さい。 0:25のブレーキレバーの影の振動と、0:27のタイヤの振動と、0:46のステムの振動に注目。 この動画では僅かな振動に見えますが、肉眼で現物を確認していると車体ごと激しく振動しています)。

しかしながら、他にも所有しているベロシティやWH7850-C24などのアルミリムホイールの場合は推定速度30~40km/hあたりで振動が出始めるので、それらに比べると重量バランスはかなり良い方だと言えます。
せっかく元々のバランスが良くて重量差の絶対値も少ない事は明らかなので、実走用のホイール・タイヤ・チューブ・バルブエクステンダーをセットにして一体バランスを取る事にしました。

実際の作業については、専用の設備(ホイールバランサー)を持っているプロショップに依頼して、正確なバランス取りをして貰うのがベターだと思いますので、以下に記す盛豚流のやり方を特に人様へお薦めするつもりはありませんが(万が一何か起きても一切の保証は出来ませんので、試される方は自己責任でお願いします)、盛豚は自分で作業をやってみたかったので、ホイールバランサーはおろか振れ取り台さえ持っていなくても、固定スタンドさえあればできる自己流の方法を考えてみました。

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バランス取りをするにあたって作業を始める前にやらなければならないのは、ホイールに組み合わせるタイヤ・チューブ・バルブの仕様を確定する事です(特にバルブ長を変えると顕著な重量差に直結するので仕様を固定しましょう)。
今回のホイールはカーボン製なので、自動車やオートバイの金属性ホイールと違って一度貼り付けた粘着性のバラスト(錘の事ね…)を剥がすのは容易ではありません。 そこでタイヤのグレードやチューブのバルブ長などの仕様すなわち重量をある程度固めてしまえば、後で同銘柄の新品に更新したり同等他社品に交換しても、重量は大きく変わらないのでバラストを剥がしたりバランスを取り直したりする手間が省けるからです。

幸いにもその辺りの仕様は既に固めてあるので(チューブはミシュラン・エアーストップ、バルブエクステンダーはトピークYPP04500)、いよいよ作業に掛かります。

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用意する道具は…

【工具】
・ラジオペンチ
・マイナスドライバー
・ハンマー
・ビニールテープ

【バラスト】(今回のホイールの場合)
・測定用 : 釣り用の球錘『ガン玉』6Bサイズ(1.9g)×8個入りを二袋
・仕上用 : 釣り用の粘着付き板錘『S weight』ホログラム(2.0g)×4枚入りを四袋(←gあたりのお値段が凄いので、一次バランス取りで測定が済んでから必要な分だけ買いに行きました…)

だけで済ませました(最後の板錘『S weight』はその辺の釣具店では在庫されておらず、大手の釣具店マックスさんでやっと手に入れました)。

(ガン玉です。 これは小さいサイズですが、サイズを問わず一袋40円と激安でした!)14041209  

(粘着付き板錘『S weight』です。 一袋315円でした…)14041211  

自宅に自転車用の振れ取り台を持っていなかったせいもありますが、自転車の車輪はどの位置に重量が偏っているのかの見当が容易につきますので(アルミ製リムはスリーブが重いので継ぎ目位置、カーボン製リムはバルブが重いのでバルブ位置)、ポイントを押さえて誰でも出来るお手軽な方法を試す事にします。

設備や道具類がショボい代わりに、自分で行う作業は自分自身が納得できるまで徹底的に時間と手間を掛けられるので(盛豚はなるべく自分でやりたがるのはこの為です)、一次バランス・二次バランスと段階を踏んで、最終的にはダイナミックバランスを取りましたが、今回ご紹介する一次バランス・二次バランスだけでも推定速度50km/h以下での振動は無くなりました。

(カーボンリムの場合はバルブの重量がバランスの偏りの原因であるケースが多い…)14041203  

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まずは重量の偏り位置を突き止めます。 前述の通りカーボンリムの場合はバルブ位置が最も疑わしいので、確認の為にバルブ位置を車体の前方に90°の位置に持って来て、そっと手を放します。

(車体の右側から見ています。 画像の右方向が車体の前方です。 この位置で手を離します)
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すると予想通りバルブの重さでこのようににスーッと下がって行きました(厳密にはチェーンを外して試した方が分かり易いです)。

理論上は一番下に来た位置が一番重い位置な訳ですが、勢いが付いてしまっている可能性がありますので、一回目で一番下に来た位置(結局バルブ位置だったのですが…)を、次はもう少し低い60°の位置から、その次は45°の位置からと、徐々に下げて行くと余計な勢いが付かなくなるので、これを数回繰り返して重量の偏り位置の見当を絞り込んで行きます。
最終的にこの位置だと判明しました。

(意外にもバルブの1コ隣でしたね…)
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続いて重量差を算出する為に一次バランス取りを行います。 バラストは釣り用の『ガン玉』と呼ばれるスリット入りで釣り糸をくわえ込むように取り付ける物を使います。 これはお安い上に一般的な釣具店で手に入り易いので、これを使って必要な重さと位置を探ります。
今回はスリットの深さと重量の関係から、一個当たりの重量が一番重い6B(約1.9g)サイズを使いました。

(パックマン一個当たり1.9gです)14041212  

ガン玉の取り付けについてはスポークを咥え込むように固定するのですが、取り付け前に点検するとスリットの縁(パックマンの口の両端ね…)が少し浅くなっている物が散見されます。 スリットが浅いとスポークを咥え込む深さが浅くなって固定が甘くなり、走行中にガン玉が吹っ飛んで来るかもしれないので、スリットの縁が浅い物はマイナスドライバーとハンマーで矯正します。 やり過ぎると走行中に真っ二つになって吹っ飛んで来るかもしれないので注意が必要です…。

(縁の浅い部分を矯正するだけで全体を深くするのでは無い…)14041213

ガン玉を取り付ける時はその向きに注意しなくてはいけません。 ガン玉は口がスポーク進行方向の逆向きになる方向にして、スポークをしっかりと咥え込むカンジでラジオペンチでカシメるように固定します。

(車体の右側から見ています。 画像の右方向が車体の前方です。 パックマンはスポークの進行方向に背中を向けて、口はスポーク進行方向の後ろ側に来るように取り付けます)
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これをいくつかスポークに取り付けて、先ほどのようにバルブを前方90°の位置に持って来て再び手を放します。 バルブが下がるという事はバラストが足りない事を意味しますので、バルブが下がらなくなるまでバラストを増やしていきます。

(パックマンの個数は3・2・3に落ち着きました)14041216  

バルブが下がらなくなったらある程度バランスが取れた証拠ですので、回転テスト→実走テストに入るのですが…

でも、その前に!!

万が一にも回転中にガン玉の口が開いて吹っ飛んで来たら危険なので(鉛は柔らかいので万が一という事があります。 全速走行中に吹っ飛んで来て頭に当たったら死ぬかも…!?)、ペダルを回す前にビニールテープでグルグル巻きにして固定します。 

(上と下は入念に絞り込んで、グルグル巻きにしておきましょう…)
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しっかり固定できたらペダルを回して振動が減っている事を確認します。 この時に音だけを頼りにして確認するとフリーハブのラチェット音のムラに惑わされるので、最終的な判断はタイヤ外周のブレを目視する事と、リヤアームやシートシェルやブレーキレバーやフロントタイヤなどの末端パーツを目視して指先で振動を確認する方が分かり易いです。

ペダルを目一杯回しても振動があまり出なくなっていればひとまずOKです。 二次バランス取りに使うバラストは取り付け位置も重量も若干異なりますし、一次バランス取りでは大体の重量差を算出するのが目的なので、この段階でパーフェクトに仕上げる必要はありません。

ガン玉の個数を数えて計算すれば大体の重量差が把握できますので、二次バランス取りで粘着付き板錘を何枚用意すれば良いのかが算出できた事になります。
これでやまおかさん・タチさんとラーメンを食べに行ったりして実走テストを数回繰り返すと、「走りがちょっとスムーズになった気がするなぁ~」的な一定の手応えを感じました。

(実走テストにかこつけてラーメンを食べに行くの図)
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※…(ガン玉の材質は鉛ですから柔らかいので、十分にカシメても徐々に緩んで来る可能性があります。 長期間乗っていると走行中に外れて吹っ飛んで来る惧れがありますので、付けっ放しで長期間乗るのは絶対に止めましょう…)

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残された重量差も僅かな物だと確信できたので、いよいよ固定用の粘着付き板錘を使った二次バランス取りの作業に移ります。

二次バランス取りでは一次バランス取りで使ったガン玉を外して『ACTIVE S weight』という粘着付きの板錘を使います。 これはルアー用の錘らしいのですが大手の釣具店でないと手に入りませんでした。 この板錘の良いところは小切りにされていて一枚当たりの重量は0.5g・1g・2gと三種類の物が選べて、表面は鉛むき出しではなくコーティング処理と裏面には粘着加工が施されているので(鉛を素手で触るのは色々と好ましくないですしね…)、重量管理も貼り付け作業もやり易い事です。 少々割高ではありますが今回の作業に最も適しているので一枚あたり2gの物を選びました。

(gあたりではガン玉の15倍以上のお値段です。 バラストをたくさん買って無造作に測定する一次バランス取りにはとても使えません…)
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手に取って見ると表面はホログラム加工されています。 他にも色はあったのですが、パールホワイト、オレンジ、赤色といったラインナップだったので、比較的マシなホログラムを選びました。 まぁ鉛を素手で触るよりはこうした表面をコーティングされている物の方が安全ですから、良しとしておきます。

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ガン玉の時はその構造上スポークに取り付けましたが、この板錘はリムを跨ぐように取り付けます。 ひとまずリムを跨ぐように手で曲げてから粘着力の弱いマスキングテープで仮貼り付けをします。 この状態でペダルを回して推定速度50km/h以上のスピードで、厳密な重量バランスと位置を煮詰めます。

位置決めと個数が確定してから裏面の粘着でピッタリと貼り付けました。

(板錘はリムを跨ぐように曲げて取り付けます)
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(リムを跨いで貼り付けていますので、ガン玉の時とは違って安定した取り付けが出来ます)
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バラストを一箇所に重ねて集中させる事で不細工にしたくありませんし、それ以上にキメ細かいバランス取りをしたいという気持ちがあったので、複数個所にバラストを分散させるダイナミックバランス方式でバランスを出しました。
これにより推定速度55km/h以内では目視での振動を完全に消せたので(フリーハブのラチェット音のムラに惑わされずにタイヤの外周を見ていると、タイヤの振動が無くなっている事が分かりますし、0:26でブレーキレバーの振動も皆無である事が確認できます)、今度は中距離の試乗に繰り出しました。

(お花畑でちーりっぴと一緒に。 これでどんぐり兄弟Aのバイオレンスモードとは差が付いた!?)
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その後も背割堤や嵐山へ桜を見に行ったり、やまおかさん・タチさんと京都へラーメンを食べに行ったりして中距離走行テストをしては見直すという作業を重ね、最終的な調整・バランス取りが完了しました。
スタンドにかけてトップギヤに入れてペダルを手で思いっきり回し、推定速度60km/h以上まで回してみましたが目視では振動が確認できないレベルに仕上がり、末端部分を触診で確認してもハブラチェットやベアリングなどの作動感なのか、それともホイールの微かな振動なのか区別が付かないレベルになりました。

始めの内は一般的なレベルの一体バランス取りのつもりだったのですが、結果的にバラストは合計28gに達してバランス箇所は四箇所にも及ぶダイナミックバランスになってしまいました。 おそらく2g単位のバラストで取れるバランス取りとしてはこれが限界なのではないかと思います。

こうして後輪のバランスが出たので、前輪についてもバランス取りを行いました。
ただ前輪は駆動しないので走行速度級の回転テストが出来ない為、後輪での一次バランス取りの初期段階で行った「バルブの下がり確認」によるバランス取りに留まっています(それでも結構バランスは取れて、使用したバラストは14gに達しました)。

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こうして前後両輪のバランス取りが完了したので、改めて園田外周&猪名川CRの定番コースや淀川河川敷道路を試走してみました。 僅か28gとか14g程度のバラストによるバランス取りにも拘らず、ホイールの慣性効果や走りが滑らかになっているのが分かります。
路面が良い道で走る時ほど効果が分かり易く、特にCRや河川敷道路の中でも舗装後間も無い滑らかな路面では、スムーズを通り越えて気味が悪いほど滑るように走ります。

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それともう一つ変化が現れた事として、ペダリングの感触が変わった事が挙げられます。
常々ペダルを通じて足に伝わるキックバックや振動には色々な要素があると考えており、特に大きい要素は路面の凹凸に起因する振動であると感じていたのですが、「ホイールバランスによる振動も案外含まれていたんだな…」と実感できるほど感触が変わりました。

このペダリングの感触の変化については、率直に言葉で表すと「感触の違い程度」に過ぎないかもしれませんが、感触という形で脚に掛かる余計な負荷が減った事によってペダリングが楽になり、琵琶湖一周みたいな長距離走行で足に掛かる負荷・疲労感に明らかな差が出て来るであろう事は想像に難く無いと感じさせる…、そんな感触でした(これについては後日の実走テストで確認できました)。

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それから意外な収穫として挙げられるのは、コーナリング時(特に車体がバンクし始める時)のフワつきや加重・接地感不足が多少改善され、以前よりも落ち着いてターンインできるようになった事です。 この挙動についてはハブのフランジ幅やスポークなどが関わって来るホイールの横剛性以外の要素がここまで関係しているとは予想していなかったので、望外の収穫となりました。

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一体バランスを取った事によって加速・巡航・コーナリングとあらゆる走りが良くなった事については満足しているのですが、一方で外観についてはまたしても「エディー・マーフィーに金歯」みたいになってしまいました。
このままで乗る訳にはいきませんので仕上げにビジュアル対策を施します。

(この後一箇所二枚の板錘が増えてしまったのでもう見過ごせません。 工作員による隠蔽工作をします…)
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黒いカッティングシートを求めて何件もお店を回ったのですがどこにも在庫が無く、止むを得ずカー用品店でcm売りの「なんちゃってカーボン風カッティングシート」を10cmだけ買って来て、適度な大きさに切り抜いて上から貼りました。

(「忍法なんちゃってカーボンの術」が四箇所に貼ってあるのが分かるかな~?)
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ついでと言っちゃあ何ですが、最近どうも不名誉な事に誰かさんと「似た者同士」とか「どんぐりの背比べ」などと言われる事がありますので、名誉を挽回すべく新たなビジュアル対策も施す事にしました。

元々デカールが無い地味なホイールなので、賑やかしと安全対策も兼ねてディープリムにお絵描きをしてみます。 ホームセンター港の南でリフレクターのカッティングシートを買って来て、チョキチョキ・ペタペタして… えいっ!

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暗闇でちょっと光を当てると…

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リフレクターが良く効いてます。 でも面積対策で独自にデフォルメした字体がイマイチなので、ちょいと手直しをして… よいしょっと!

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やっぱ純正の字体の方がイイですね…。 上下非対称のデザインではありますけど、同じ手間をもう一回分なんて想像したくもないので、これでヨシとしておきます…。

これでこちらのどんぐりの方が3mmくらい背が高くなったことでしょう!

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うむ、麿は満足じゃ!

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コメント

ホイールの回転バランス、取る前と取った後の感じは、書いておられる通りです。
バランスが悪いと、ホイールの回転数である領域を超えた途端に明確に症状が現れますね。場合によっては、直線でもどこかに吹っ飛んで行きそうなぐらい自転車全体が震えます。

自分はウルトラ適当な処置でやってますけど、全く何もしないよりは遥かにマシ。完組ホイールと言えど、チューブ/タイヤまでセットしてバランスを取らないと意味が無いので、どんなホイールでも必須の作業と思います。

こんにちは。
ホイールバランス、大事なんですね。
実はマビックのホイール2組はお店でやってもらいました。
実走行状態のホイール(当然サイコンのマグネットも装着)で微妙な調整でしたが1g弱ほどのシールオモリを付けてもらいました。
実際に走行しましたが以前との差が全くわかりませんでしたよ(苦笑)
まあ1gほどなのでねえ。
かなり狂いのあるホイールだと調整すれば体感できるのでしょうね。

>ゆっきょさん
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やはりゆっきょさんは対処済みでしたか…。 私は恥ずかしながらこの程ようやく着手しました。
ホイールの回転数がある一定の領域を超えた途端に現れる、車体が振動しながら浮かび上がって吹っ飛びそうになる挙動は恐ろしいモノがありますよね。
プロショップの専用設備には大いに関心がありますけど、レース系のお店は相手を見て仕事をしたり気分次第と言うか仕事にムラがあるので、どこまでキチッとした作業をして貰えるのか個人的に確証が持てません。 一軒だけ相談したいお店があったのですけど、そのお店はバックオーダーが凄いらしいので諦めざるを得ず、そんな訳で自己流でもキチッと突き詰めてやった方がいいだろうと判断しました。 
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ゆっきょさんも自己流でしょうか? 今回の私の作業は2g単位と大雑把ですけど、ペダリングでの最高速度でも振動が出なくなり、作業前の100kmテスト走行よりも作業後の160kmテスト走行の方が疲労感は少なかったので、ゆっきょさんの仰る通り何もしないよりは遥かにマシだと実感しましたよ。

>kimotoshiさん
.
今晩は。
マビックのホイール2組をやって貰ったお店というとあのお店ですね?
ホイールバランスは作業前にある程度乗った後で作業をして乗り比べないと、作業後は「性能が上がる」のではなく「ちゃんとなる」だけなので、 元々分かり難いモノですからね。
話が長くなるので詳細については割愛しますが、12コスは構造的に元々重たい代わりにバランスの差異が抑えられているホイールで、Rは重量バランスまで織り込み済みで設計されているでしょうから、この高級過ぎる二本は特にホイールバランス取りとは縁薄いでしょうね。
案外ゼロで下りを60km/h位まで飛ばせば分かるかもしれませんよ。(笑)

折り畳み小径車で十三峠によく通っていた頃(爆)、信貴フラワーロードの下りで恐ろしい目に遭ったのが、ホイールバランスに目覚めたターニングポイントかなと思います。

フレーム中折れの小径車だったのですが、下りで速度が乗ってきた時突然に猛烈な振動に襲われ、自転車がブっ壊れてふっ飛ばされるかと思いました。

バランス取りのポイントは記事にある通りで同じです。ホイールの振れ取り台を使うのが違うぐらいです。ハブの回転性能が良いと、かなり追い込んだセッティングができますが、廉価ホイールなので適当なとこでやめてます。最近気づいた技は、使わなくなった電気ヒゲ剃りを使う方法。ヒゲ剃りをハブ軸に当ててSWを入れると、微細振動でホイールの重点が下に動いてくれるので、ワリと追い込めます。

が、盛豚さんのように2gオーダとかは…どうかなぁ…

振れ取り台で「これでヨシ!」とした後は、ホイールを自転車に取り付け、トップギアでペダルをおもいっきり手回しして、自転車全体にどれぐらい振動が出るか確認して、自分の常用域で辛抱できる範囲の振動に収まれば、そこで納得しています。

ホイールバランスが取れてると、漕いだ時のスピードの乗りが違いますね。かけたパワーがリニアに速度に変わっていく、というか…。そんな感じ方をしています。

>ゆっきょさん
.
なるほどあの頃でしたか、早いですね。
ミニベロはどこまで行ってもミニベロですから本気で走ると怖いですし、限界も早く見えてきますので分かり易いといえば分かり易いんですけどね。 ただ私の場合はそこでBSMに妥協してしまいましたので、ホイールバランスなどの段階には踏み込みませんでしたけど…。
電気ヒゲ剃りは気付きませんでしたね~、やり直す時には使わせて貰います! それにしても今回はツーリング用の格安ホイールな上に初回という事もあって2gでやってみましたけど、レース用のBORAとかだったら0.5gでダイナミックバランスまでやってみたいですね。 もちろん自分で…。
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常日頃バランス取りされていないホイールばかり使っているせいか、たまにバランス取りされたホイールを使ってみると、パーフェクトには程遠い2gレベルでさえパワーがロス無く推進力に変換される走りは、感動的でさえありますよね!

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