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『105』の10速カセットスプロケット

10速のカセットスプロケットを確保しました。

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※…(今回は長文です…)

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カーボンディープリムホイールの導入にあたり、カセットスプロケットのギヤレシオの選定をどうするかで迷ったので、ひとまず使い慣れたギヤレシオのモノを組み込んで様子を見る事にしました。

それまで使っていたヒルクライムにも使える軽量ホイールのWH-7850-C24CL(約800g)に比べると、カーボンディープリムホイール(ウェイト込みで約990g)は重量も少々重くて特性も異なります。 その為このホイールはこのホイールでもう少しロー側が低めのギヤレシオが必要になるのではないかと予想されたので、暫定的に使い慣れたギヤレシオをそのまま組み込んで暫くテスト走行をしてデーター取りを行い、走りの不具合や適切なギヤ比との差異・見直しの余地が出るようであれば、その相対的な差異を補正すべく適切なギヤレシオを算出し直してからカセットスプロケットを調達しようと考えたのです。

こうして各ステージを合わせて1,000kmほど走ってみたのですが、結論として200g近く重くて特性も大きく異なるホイールであっても、走るステージが同じであれば従来のギヤレシオのままがベストである事が分かりました。

(ホイールが変わっても走るステージが同じなら、選んだギヤレシオは同じでした…。)
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十分な量のテスト走行で見出した結論ですので迷いはありません。 WH-7850-C24CLをカセットスプロケットが外されたままの状態で放っておく訳にもいかないので、そろそろもう一つカセットスプロケットを買い足す事にしました。

そんな矢先でした。 シマノ社から『105(イチマルゴ)』のフルモデルチェンジが発表されたのは…。

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『105』は同社のスポーツサイクル用コンポーネンツ・ブランドの一つで、レース用のハイエンドモデル『DURA-ACE(デュラ・エース)』や『ULTEGRA(アルテグラ)』(ニョロで言うレコードやコーラスね…)に次ぐグレードで、一般的なスポーツ走行にもレースにも使えると言われているコンポーネンツです。

レースに特化した感のあるハイエンドモデルに比べてスポーツ走行の領域も視野に入れた『105』は、以前からコスト面の魅力や走行条件に左右され難いブレーキの安定性に定評があったせいか(世の中には雨で濡れると利かなくなるブレーキもあります…)、ちょっとお値段の高い完成車販売のロードレーサーに標準装備で組み込まれているケースも見受けられ、一言で言えば「物は確か」です。

ハイエンドモデルを愛用するほどのハイアマチュアや好事家の人達にとっては、完成車に組み込まれている物など「フツーのパーツ」に過ぎないらしく、「名前の響きに何となく高級感が漂ってカッコイイ『DURA-ACE』や『ULTEGRA』に比べて、名前がタダの数字な上にロゴデザインが安っぽいしダサい」と陰口を叩かれる事もある『105』ですが、必要十分な性能を備えつつコストパフォーマンスに優れているので個人的には愛用しているブランドです。

(BSモールトンにも当時の『105』をいくつか組み込みました)
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(LOW-RACERの仕様変更でもブレーキ・ディレーラー・カセットスプロケットに…)
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(M5でもブレーキと…)
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(ディレーラー・カセットスプロケットを組み込みました…)
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盛豚が子供の頃に登場した6段変速のカセットスプロケットも、三十年の時を経て7速→8速→9速→10速と多段化が進み、とうとうレース用のハイエンドモデル『DURA-ACE』は数年前に11速時代へと突入しました。 やがて11速化の波は『ULTEGRA』にも到来して、とうとう『105』もまたこの波に飲み込まれていく事になりました。

8~10速の各モデルは同じ従来型のハブ・完組みホイールで運用できますが、この11速モデルについては寸法の関係で組み込む事ができません(これは一眼レフカメラに例えると「今後は新しいマウントに規格を変更するので、新型のレンズをお使いになりたければ新型の高級一眼レフカメラをお買い求め下さい」と言っているようなものです)。

ホイールやシフターなども含めて駆動系を丸ごと買い直すのは出費が嵩みますし、何よりまだ使える物を自分が意図しないのにメーカーの都合で放棄する事を強いられるのは癪に障ります。
幸いにも10速用チェーンの入手には当分困らないので、チェーンの次に耐久消耗品であるカセットスプロケットを買い足して、今後も10速仕様のままでいく事にしました。

※…(今のところロード用『DURA-ACE』10速チェーンは供給されていますし下位グレードのコンポーネンツは10速仕様のまま残っている物もあります。 また、同社のチェーンは同じ10速用であればロード用もMTB用も中身は変わらないので、ロード用10速チェーンの供給が止められても上位モデルが9速→10速に変わったばかりのMTB用チェーンを流用できます。 ちなみに10速用の実物はまだ見ていませんが9速時代のXTRチェーンには『DURA-ACE』と刻印が入っていました…)

(今後10速の12-27Tは入手困難が予想されるので予備も確保します…)
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カセットスプロケットのギヤレシオに関心の薄い人も多いみたいですが、ギヤレシオはフレーム性能・ホイール性能と並んで走りに影響を与える非常に重要なファクターです。

自動車レースでは「ギヤレシオはエンジンパワーよりも重要」だと言われる事さえあり、ギヤレシオの分析を無くしてレースでの勝利はありません。 また、レースだけでなく市販乗用車の燃費向上も年々厳しくなる排ガス規制への対応技術も、ギヤレシオの研究と密接な関わりを持っています(国産車の6速MTは排ガス規制対策で3速のギヤ比が高過ぎて〝走り″には不向きなのもこの影響によるものです)。

ホビーライダーの中には「自分はレースなんてしないし、自動車なんて関係ない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくともある程度の走行性能を追及した車種であるスポーツサイクルやレーサーに乗るライダーであれば、走行条件を激変させるギヤレシオを理解して使いこなさないと勿体無いのではないでしょうか。

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自動車の例ではギヤレシオの選定は小排気量車などの出力が低い場合ほど絶大な効果を発揮しますので、その重要性についてはエンジンどころか更に非力な人力で走る自転車についても例外ではありません。 自分の脚力や走りとギヤレシオの関係を理解する事は、速さだけでなく疲労軽減や脚の各関節の炎症・ケガなどといったトラブルを無くす為にとても重要な事です。

自動車のトランスミッションでも自転車のカセットスプロケットでも、本来でしたらこちらが指定するギヤレシオでオーダーしたいくらいなのですが、コスト的に不可能なので市販品の中からなるべく理想に近い物を選ぶ事になります。

(現行仕様と次候補の市販品のギヤレシオを比較・検討します…)
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これまでの経験と分析の結果としてリヤホイールのサイズが700Cのリカンベント・ローレーサーには、12T~16Tまで1丁間隔で隣接するギヤ比(もっともクロスレシオな丁数設定の事ね。 一度に2丁や3丁も減るとシフトアップした時にペダルが急に重くなって加速できなくなったり失速したりします。 これを力任せに強引なペダリングでカバーしようとすると、無理が祟って脚の各関節が炎症を起こしたりケガをしたりする事があります…)とローが27Tか28Tである事が重要だと感じており、現行品の中でこれら二つの条件を同時に満たせるカセットスプロケットは『105』の12-27Tのみです(「自動車で例えると240クロスみたいな物を求めました」って言っても分からないだろうなぁ…sweat02)。

後者のロー側については盛豚の脚力不足の影響が否めない部分もありますけど、前者についてはリカンベントに700Cというホイールサイズを組み込む上で欠かせない条件だと考えています。

ちなみに12-27Tカセットスプロケットの丁数を一覧で書き出してみると、

12-13-14-15-16-17-19-21-24-27

となっています。

トップの12T~5速の17Tまでは1速につき丁数の差が1丁しか無く(クロスレシオ)、2丁以上の間隔が開いている(ワイドorオープンレシオ)のは5速未満の低速側のみである事が見て取れます。
ちなみにギヤ歯に0.5丁歯という物は物理的に存在しませんので丁数の差異の最小幅は1丁となります。 ですから隣のギヤとの丁数の差が2丁未満(=1丁)であってその間に割り込める数字的な隙間が無い場合は、これ以上無いクロスレシオだという事になります。
このカセットでは17Tからトップ側の全てのギヤレシオが1丁間隔のクロスレシオになっている事がポイントなのですが、その中でも鍵を握るのは6速の16Tという丁数のギヤです。

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この「16T」と「1丁間隔のクロスレシオ」に執着する理由についてもう少し掘り下げて述べてみますと…、

盛豚は自分が速さを求めて乗るあらゆる車輌に対して、数字上の最高速度や最高出力よりも中速域での瞬発力と伸びを重視しています。 その理由は自転車に限らず自動車にもオートバイにも言える事なのですが、走行性能を追求する車輌において中速域は最も重要なファクターだと考えているからです。

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最高速度や最高出力が高い事も性能の一つではありますが、トップエンドの性能を発揮する為には車速をその領域へと押し上げる中速域の力強さが不可欠であり、特に一般道で走る車輌の場合はゼロ発進・低速域から高速域へと繋げて行く中速域の力強さは必要不可欠とも言えるほど重要なものになります。
そして琵琶イチやアワイチなど余程の巡航条件化でも無い限り、一般道で走行時間中に最も多用する速度域はこの中速域ですので(ゼロ発進やトップエンドで走っている時間は極僅かです)、「使用頻度の高いモノを優先するべきだ」という考えに基づいてその対象となる中速域を重要視しています(ライダーがパワーライダーやサイボーグの場合は、必ずしもこれに該当するとは限りません…sweat02)。

またこの領域での力強さや速さが不足していると、それを補う為にエンジンに無理を強いる事になりますので、自動車やオートバイの場合はエンジントラブル・自転車の場合は脚の各関節の炎症やケガが発生するリスクが高くなります。

※…(もちろんトラックレースなどのオーバルサーキットやバンクでの走行では高速域だけでいいのかもしれませんが、国内ではリカンベントがバンクを走れる機会はほぼ皆無です。)

楽に速く走れるという事はスピード自慢という意味ではなく、「最も効率が良い状態で無理なく走れている事の証明」であると考えてみれば分かり易いのではないでしょうか。

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どんなに最高出力が高いエンジン・車体であっても、中速域が弱かったりトルクの谷があったりすると、風向きや路面などちょっとでも条件が良くない時に失速したり高速域まで加速できなかったりします。

これはオートバイでの例になりますが、80年代前半にkawasaki社の中型オートバイが他社に遅れを取ったのは、このトルクの谷を克服するのが遅れた事にも一因があると聞いた事があります。 カタログデーターの最高出力・最高速度が同じであっても、それらを発揮できるのはほんの一瞬に過ぎず(まして公道では法律上不可能です…)、サーキットでも公道でも走行中は中速域が基軸となりますので、真に速くて強いマシンは絶対的に中速域が強いものです(80年代にホンダ社の市販車やヤマハ社のレーサーが強かった秘訣はこの辺りにあります)。
事実、この事に気付いたホンダ社は80年代末期~90年代前半におけるレースシーンで、トップエンドの性能よりも中速域の強さを最優先した〝ビッグバンエンジン″を開発して他を圧倒し、いかに中速域が重要であるかを証明して見せました。

これらを踏まえた上で話を自転車に戻しますが、この中速域を生かす為には車重とギヤ比との関係を把握して、低速域と高速域をどこからでも繋げる事ができる要となるギヤ比を選定する必要があると考えています。

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リヤホイールサイズが700Cのリカンベントの場合、中速域のカギを握るギヤ丁数の組み合わせとそのギヤレシオは、

A(フロントアウターチェンリングの丁数)÷B(リヤカセットスプロケットの丁数)≒3.10

の条件に当てはまる組み合わせだと考えています。
具体例を挙げるとAがノーマルクランク53Tの場合ではBが17Tとなり、Aがコンパクトクランク50Tの場合ではBが16Tという組み合わせがこれに該当するという事が算出できます(下表の紺色とピンク色の部分を参照)。

実は当初の仕様のLOW-RACERで下表にある紺色の53Tチェーンリングx17Tカセットの組み合わせのギヤレシオに「中速域の要としてのギヤレシオ」を見出せた一方で、「そこから高速側のギヤレシオが離れていてシフトアップする度にペダリングが重くなり過ぎるから、1丁間隔のクロスレシオに替えたいなぁ」と思ったのが始まりでした。
そこでロングクランク化に伴いフロントチェーンリングが53T→50Tへと変更になったのを機に、6速のギヤレシオは従来仕様の3.12とほぼ同じギヤレシオを確保しつつ、そこから高速域にかけては1丁間隔で隣接するクロスレシオ化を図ったという訳です。

(①と②の間に要となるギヤレシオ3.13の③が必要でした…)
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この数値はあくまでホイールサイズ700Cの場合に盛豚が個人的に見出した物に過ぎませんが、650Cや26インチの場合にもそれら特有の要となる数字があるのではないかと考えています。

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多くのカセットスプロケットでは省略されている16Tが組み込まれている物を探し出すと、大抵はローが25Tと高めなので坂道発進やちょっとした上りで苦戦する事があります。 何分ロードレーサー用のカセットスプロケットですので、乗り方が異なるリカンベント・ローレーサーにジャストフィットする物が少ないのは仕方ないのですが、この12-27Tはロード用としては余程マイナーらしく、5700系『105』の他には既に廃盤になっている一つ前の7900系『DURA-ACE』(←そもそも高過ぎて買えない…)や二つ前の6600系『ULTEGRA』くらいしか見当りませんでした。
それでも現行の『105』でこのギヤレシオが手に入ったので満足しています。

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最後にちょっと余談になりますが…

シマノ社については好事家の間であれこれ言われていますし、盛豚が今回は見送った11速化についても巷では物議を醸しているみたいです。 ついでに言うと11速用クランクについても支柱が五本から一本減って四本になった新設計クランクのデザインはあれこれ評価が分かれているみたいですね。

(個人的には同じバッテンでも上位機種よりはマシなデザインに見えるんですけど…)
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工業機械・航空・自動車業界の人には説明の必要は無いと思いますが、軸出力でギヤを駆動する構造体としてはこのバッテン形状… 非対称断面支柱を持つ不等間隔Ⅹ字形状のクランクは力学的効率の面で理に適っていない形状をしていますので、シワ寄せが行くスプロケットの設計変更も含めて材質や加工方法で剛性などをカバーしようとしているのが見て取れますが、そもそもこの構造体に必要なのは単純な剛性だけではありませんので、力の伝わり方を考慮しているとは思えない形状になっているこの新型モデルは、従来モデルよりパワー伝達効率が少し下がってしまう事は避けられないのではないかという印象が否めません(その理由について詳細を述べようとしても長くて難しい話になるので割愛します…)。

大雑把な具体例を挙げると、同じコースを従来型と同じ速度・タイムで走ろうとしても、従来型より疲れ易くなる事が予想されます(使ってみて自分で気付く人はあまりいないんでしょうけど…)。

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まっ、盛豚はまだまだ10速使用のままですから関係無いんですけどね…。(苦笑)

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コメント

105のシンプルなデザインは好感が持てますね。
機能的にも必要充分なのでしょう。
ですが、私は昔からの憧れでアルテグラやデュラエースを使ってきました。
しかし、ここ最近の11速化や、センスの悪い残念なデザインから、
シマノに未来を見いだすことができません。
(あくまで個人的な見解です。)
やはり、10速パーツのストックをしておくべきか・・。

>えむきゅうさん
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必要十分な機能とコストパフォーマンスやシンプルで高級感が目立ち過ぎないデザインもポイントが高いですね。
さすがにM5については黒塗りやグレーアルマイトになる前のデュラエース・アルテグラを最後まで意識しましたけど、結局コストパフォーマンスで105に落ち着きました。(笑)
パワーライダーの人達とは違ってクロスレシオを愛用してシフト回数が多い私にとっては、9速→10速の場合はカセットスプロケットのギヤレシオの内容が大分違います。 ところが10速→11速の場合は内容がほとんどカブっているので、大金をつぎ込んでまでホイールと駆動系をAssyで買い替える意義を見出せませんでした。
ロード用10速パーツも今後は消化試合になって行くでしょうから、私みたいにマイナーなギヤレシオを愛用する人は念の為にストックしておく方が無難かもしれませんね。

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