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M5のフロントホイールを新調しました

M5のフロントホイール用に手組みのホイールを新調しました。

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※…(例によって長文です…sweat02

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まず始めにお断りしておきますが、今回の記事の内容については普段の記事以上に主観的な「盛豚が今回はこう感じて、こう考えて、こういう選択をした」という〝今回の私見″に過ぎません。

盛豚は趣味を通じて自動車については少しばかりカジって来たので、そこで学んだ工業的ノウハウを度々自転車に応用して来ましたが、国内の同業界では要求される耐負荷性と耐久性・信頼性の水準が極めて高いので、自転車で言うところのスポーク構造体のような不確かな物が使われる事は基本的に無く、この構造体については十分な業界的ノウハウが蓄積されていません。
その為盛豚自身もこの構造体に対する理解が浅い事は否めませんでした。

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※…(自動車業界では自転車で言うところのスポークホイールを『ワイヤーホイール』と呼びます。 ヤマハ2000GT… トヨタ2000GTのモーターショー向け展示用部品など造られた例は無いでもありませんが、これは国土交通省のガイドラインに定められている「ホイールは1ピース構造もしくは2ピース構造まで」という条件に適合できない為、JWL認定を取得できませんし法的に公道では使用できません。 その為国内では殆ど製造・流通しておらず我々には馴染みの無い存在となっています。 今までに何度か公道でこのようなワイヤーホイールを装着した車輌を見た事がありますが、それは道路交通法違反に該当します。 もしオーナーが「このままの状態で車検を通した」というのであれば、請け負った業者は闇車検行為をした事になりますので、発覚すれば最悪の場合その業者は国土交通省認定の民間車検工場としての資格を剥奪される可能性があります。)
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これから述べる話は「取り敢えず半年ほど参考文献を読み漁りながら俄仕込み程度には勉強してみて、それを自分の経験に照らし合わせて最後は自分の勘と経験で咀嚼しながら一回目の解を導き出してみた」という話に過ぎません。
実走テストによる検証もまだ150km程度しかこなしていないので耐久性に関する答えを得られたとは言えず(得られるのは何年も先の話になるでしょう…)、とても「今回の解が盛豚のファイナルアンサー」と言える段階にはありません。

従って人様にこの考えというか今回の解を推奨するつもりはありませんし、参考になるという保証はありません。

しかしながら今回の仕様を選んだ動機の部分についてはそれなりの根拠がありますし、仕上がったホイールでの150kmの実走テストを通じて一定の感触は掴めました…。

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M5を手に入れた時から、その前輪にはトラックレーサー用18Hラージフランジハブを使用した手組みホイールが組み込まれていました。
ラージフランジ自体は本来だとホイールの剛性に寄与する要素だと考えていますが、小径ホイールに組み込むとリムに対するスポーク・ニップルの射入角度が大きくなってしまうので、組み合わせとしては少々課題が残ります。

※…(自動車業界の例を応用してみると…  ある大手ホイールメーカーの製品に刻印されている内容を見る限りでは、同一ホイールがベースでも耐荷重はハブボルトのPCDの大きさによって変化するとされています。 これは所有している同メーカー製のレース・公道兼用の市販品半溶融鍛造アルミホイールに刻印されていたのですが、そこには『MAX WEIGHT-PCD100:398kg・PCD114.3:420kg』と書かれていました。 つまり同じ製品でもPCDが大きいほど耐荷重が大きい事を意味しており、これを踏まえて自転車のトラックレース用ラージフランジハブを見てみると、何となく頷けるものがあります。)

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このホイールは始めの内こそスポーク数が少なくシンプルで精悍な外見に魅力を感じていたものの、色々と勉強するほどに公道用としてはスポーク本数が少ない事が分かるようになり、やがて公道走行での遠出には少々不安を感じるようになりました。

その他にも純正リムのランド幅&直径やタイヤとの相性の関係でタイヤの芯出しがやや困難な事なども含めて、出先でのトラブルに不安が残る複数の課題が徐々に発覚してきたので、抜本的な対策を急ぐべきだという結論に至りました…。

(M5の前輪は18Hと、公道用にはちょっと不安が…)
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しかしながら小径の完組ホイールを物色してみても前後セット物しか見当りませんし(451の後輪は不要です…)、出てくるのは自分の意向に対して何らかの妥協を強いられるほど絞り込みの激しいカリカリチューンな物ばかりです(ミニベロに使うのであれば問題は無いのかもしれませんが…)。

(市販の完組ホイールは不均等な変則パターンの20Hにハブまで大きく削り込んだ軽量化品や…)
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(ベーシックな均等パターンの24Hでもこちらはダブルバテッドスポークと、これまたギリギリまでやり過ぎた感が…)
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あれこれ考えた挙句、今回のロープロファイルホイール新調にあたり、自分の要求を満たす一つの解として手組みホイールを選ぶ事にしました。

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「専用設計でスポーク本数が少ない20Hの完組ホイールや、ダブルバテッドスポークなんて自転車業界ではよくある事だ」と思われる方も多いとは思います。
でも一般的にはあまり注目されていない事なのかもしれませんが、個人的には以前から「リカンベント・ローレーサーの前輪にはメーカーの想定を上回る非常に大きな負担が掛かっている(って言うか、メーカーは前輪に掛かる負荷の大きさを把握できていない)のではないだろうか?」と考えていました。

もちろんたった一回や二回の走行でどうこうなるとは思っていませんが、専用のサーキットやトラックとは違って一般公道の路面では予期せぬ凹凸などによる負荷が大きく、走行条件に相応の耐負荷性と信頼性が要求されます。
実は今年の夏にこれらの考えを裏付けるかのように、ChinaMascotProducts LOW-RACERの前輪に組み込まれている六年物の20Hホイールのスポークが、走行中に一本折れたので修理に出した事があります。

(この時は首折れでした)
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その一方で後輪に入っていた十年物の16H(!)完組ホイールは見るからに何か起きそうな雰囲気だったのですが(実際に市場では同銘柄のホイールについて、現役当時にスポーク折れのトラブルが多数報告されています…)、こちらはLOW-RACERが盛豚の手元に来る前に前輪のスポークを一新するよりも以前から使いっ放しであるにも拘らず、特にトラブルは出ないまま一足先に別のホイールへ更新済みです。

(16Hのリヤホイールは意外にも破損などのトラブルも無く使い終えました…)
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LOW-RACERのフロントホイールは逆イタリアンのタンジェント組みになっており、一見するとディスクブレーキに適した仕様であるかのような印象を受けますが、個人的には前輪が受ける受動的負荷を考慮してJIS組みに変更した方が良いのではないかと考えていました(この受動的負荷と前輪の関係については、後でもう少し掘り下げて述べてみます)。
それからこのフロントホイールのもう一つ気になる要素として、スポークが交差する箇所が接触しておらず〝編み″が無いという事が挙げられます。

タンジェント組みではスポークの交点を接触させる〝編み″と呼ばれる状態の箇所を設ける事で、横方向の剛性を確保できたり路面からの衝撃吸収効果が得られたりホイールの振れが発生し難くなったりするメリットがあると聞いた事があります。
ところがアルミ製スポークの場合はステンレス製スポークとは異なり、材質的な特性として金属の中では比較的摩擦に弱くて削れ易い傾向がある為、お古クラムなどのアルミスポークを使用する完組ホイールでは、交点を接触させず〝編み″が無い組み方になっているとも聞いた事があります。

(まぁビックリ・キシリウム何とかや、お古クラム・レーシング何とかのアルミスポークの交点には、〝編み″と呼ばれる接点がありません)
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LOW-RACERを手に入れた時からこのフロントホイールは、ステンレス製スポークを組み込んであるにも拘らずこの〝編み″が無い仕様だったのですが、組み直そうにも20Hという少ないスポーク本数と片持ちハブが災いして、請け負い先を見出せないまま今日に至ります…。

(LOW-RACERの後輪の手組みホイールには丸印の部分に〝編み″と呼ばれる接点がありますが…)
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(LOW-RACERの前輪はタンジェント組みながら丸印の部分に〝編み″と呼ばれる接点がありません…)
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トラブルはLOW-RACERだけに留まりませんでした。
実はM5についても今回のフロントホイール製作に向けて部品を集めている最中に、出先で前輪のスポーク折れが発生したのです。

(今度はニップル側でニップル内のネジ山を出てすぐの位置で折れていました)
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盛豚の体重は約70kgあります。 確かに軽い方ではありませんし今回折れた各スポークはそれぞれ少なくとも五年以上経過している物ではありますが、二台のローレーサーは手に入れるまでの走行距離は少ない方でした。
日々のメンテナンスで把握している限りでは腐食も見当りませんでしたし、普段からマンホールや路面の段差もなるべく避けて走っていますし、何よりたった二本とは言え前輪だけがスポーク折れを起こしている事が気になります。

どうやらこれまでは想像の域を出なかった心配事が現実味を帯びてきた可能性がありますので、一度その考えを整理してみる事にしました…。

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駆動が掛かるリヤホイール… それも700Cの大径ホイールともなると負荷が大きくなるのは理解していましたが、これは主に駆動が掛かって路面を蹴り出して走る事により、つまるところ能動的負荷が掛かっている事になります。

これに対して前輪の場合はホイールに駆動が掛かる事はありません。 路面から転がり抵抗や段差による衝撃などが入力されて車輪が〝回される″事によって走ったり、そこにブレーキングで車重+αに相当する加重が駆動とは逆方向に掛かるので、つまるところ能動的負荷の代わりに大きな受動的負荷が掛かる事になるのですが、この受動的負荷は必ずしも前輪と後輪に均等に掛かる物ではなく、そしてこれがローレーサーの前輪の場合は意外とバカにならない物があると考えています。

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これは自動車の例の引用になりますが…

※…(MTBを除く一般道路用の自転車には自動車の場合とは違って基本的に独立サスペンションが付いてませんが、耐荷重・衝撃吸収・耐負荷の各機能については自転車の場合だとフレームとホイールが受け持っていると考えています。 ここではサスペンションと負荷の関係を手がかりとして、自転車の車輪と負荷の関係を把握するヒントを探ってみます。)

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乗用車のサスペンションに大きな負荷を掛ける要素として、ボディの重量の他にエンジンの重量による負荷と駆動力による負荷が挙げられます。

前輪側のサスペンションはエンジンルームの広いスペースを使える一方でボンネットよりも低い位置に収めなければならない関係から、太くて短い構造の物が多い傾向があります。
これに対して後輪側は後部座席の後ろのスペースに収めなければならない関係から、高さに余裕がある代わりに後部座席のスペースを確保する目的で、細くて長い構造の物が多い傾向があります。

FR車ではエンジン重量が前輪側に・駆動力が後輪側に負荷を掛けるので、前後サスの容量はある程度似た様なバランスになる傾向があります。
これに対してFF車の場合はエンジン重量も駆動力も前輪側に偏って負荷を掛けるので、前後サスの容量バランスも前側に偏って後ろ側は華奢になる傾向があります。

(典型的なFF車用サスペンション。 黄色いショックアブソーバー・黒いコイルスプリング共に左が前輪用で右が後輪用です。 FF車では後輪用が華奢なケースが見受けられます)
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ところがミッドシップと呼ばれつつエンジンが後輪の上に搭載されるMR車やRR車の場合は、エンジン重量も駆動力も後輪側に負荷を掛けるのですが、前後サスのバランスは少々後ろ側が強い傾向がありますけど、少なくとも前側が華奢な車種は見当りません。

(MR2スーパーチャージャーのサスペンション。 左側の二本が前輪用で右側の二本が後輪用です。 前後ともゴツイ…)
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ここで注目したいのはエンジンも駆動力も後輪側に掛かって前輪側の負荷が軽い筈のMR車とRR車のフロントサスペンションがゴツイ事です。

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もう一つの例を挙げましょう。

1980年代中盤~1990年代中盤に開催されていた全日本ツーリングカー選手権(いわゆるGr,Aレースね…)で、レーシングコンストラクターのTOM'S社(「トムス社」と読みます。 名前の印象とは裏腹にトヨタ社とは資本関係の無い自主独立企業です)から出場していたGR,A仕様のカローラレビンには、『ボルク・レーシング』ブランドで有名だったレイズ社製の特殊なホイールが装着されていました。 やがてこのホイールのレプリカという位置付けの『ボルク・レーシング 5/4S』という公道用ホイール(JWL認定品)が市販されたのですが、これらにはちょっとした特徴がありました。

自動車用ホイールでは自転車業界で言うところのバトンホイールを「スポークホイール」と呼ぶのですが、『ボルク・レーシング 5/4S』は一目見れば誰にでも分かるその特徴と言うか独特の形状のスポークを有していました。
何と前輪用は5本スポーク・後輪用は4本スポークと前後異形スポークになっており、過去に例を見ない前後位置指定ホイールとして登場したのです。

(左がAE92レビン/トレノの前輪専用・右が後輪専用です)
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その為FF用(当時のAE92レビン/トレノ専用ホイールとして販売されていました)にも拘らず車輪の前後ローテーションが禁止されているという徹底振りで、言わば「FF車種であるAE92の非駆動輪である後輪用4本スポークは、前輪側に掛かるエンジン重量や駆動力・ブレーキングなどの大きな負荷を想定しておりませんので、前輪に組み込んで万一支障があっても保証対応は致しません」と公言しているに等しい物でした…。

(『ボルク・レーシング 5/4S』を履いてレースを戦うTOM'SのGr,Aレビン。 カッコ良かったなぁ…)
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当時のAE92レビン/トレノと同じエンジンを後方に搭載して後輪駆動のAW11型MR2は、言わば「前のレビン/トレノ⇔後ろのMR2」と言った真逆のレイアウトを有していましたが、MR2の非駆動輪側である前輪用を4本スポークにして『ボルク・レーシング 5/4S』を逆にしたような前:4本・後:5本という形状のホイールは登場していません。
また、レイズ社が『ボルク・レーシング 5/4S』を前後反転してMR2に組み込むのを認める事もありませんでした(その為一部の好事家は前用5スポークを4輪に履いていました)。

(上がAE92レビン・下がAW11型MR2。 搭載するエンジンは同じなのですが…)
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つまり前輪側のサスペンションには、ボディ重量・エンジン重量・駆動力という三つの大きな負荷以外にも軽視できない何らかの負荷が掛かっている事を意味しており、これらのサスペンションやホイールの例が意味する物こそが、今回の考察のカギを握るヒントになるのではないかと推察されます。

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勘の鋭い方でしたら既にお気付きとは思いますが、前輪側に掛かってくるその他の負荷として挙げられる代表的な要素としてまず、

①前輪はハンドリングで舵を切る事による横方向の負荷が生じる事
②ブレーキングによる加重移動が引き起こすボディ&エンジン重量の前輪側への瞬間的な偏り

の二つが挙げられます。

それともう一つ。
今回は「前輪に掛かる転がり抵抗や路面の衝撃などの受動的負荷」という物にも注目してみたいと思います。

自転車・自動車を問わず後輪駆動車の後輪が駆動力という能動的負荷によって回転しているのならば、前輪は前から路面の凹凸に蹴飛ばされるように叩かれる受動的負荷によって回転しています。
つまり前輪は駆動力が掛からないからと言って回転方向の負荷が掛かっていない訳ではなく、後輪とは逆方向の路面からの負荷に曝され続けけているという事が分かります。 

しかも前輪にはその後方から車重(自転車の場合はライダーの体重を含む)が圧し掛かっている状態になっていますので、言わば「常に後ろから車重(自転車の場合はライダーの体重を含む)に圧し掛かられる負荷に押し出されながら、前から路面に叩かれる負荷と挟まれ続けている」という事になる訳です。
勘の鋭い方でしたら既にお気付きとは思いますが、これは自転車のヘッドパーツが傷むのと同じ理由であり、程度の差こそあれヘッドパーツが痛むという事はホイールも痛むという事を意味します。

こう考えてみると普段は何気なく踏み越えている段差を越える時でも、後輪に比べて前輪には「段差を壁にホイールを後ろから車重でブッ叩く」みたいな〝負荷の割り増し″が掛かっている事も想像に難くありません。(←ここ重要)
だから自動車の場合は駆動方式やエンジン搭載位置に関係なく、MR車やRR車でさえ前輪側にはある程度ゴツいサスペンションが必要になる訳です。

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※…(シマノ社はブレーキングの事を最優先事項として強く意識しているのか、MTBのディスクブレーキ用フロントハブに逆イタリアン組みを推奨しているそうですが、そもそもサスペンションが必要なほど激しい受動的負荷にさらされるMTB… 特にダウンヒル用の場合は、ゴツいスポークでJIS組みってのも立派な選択肢だという気がするんですけど、検証した訳ではないので単なる独り言という事にしておきます…。)

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こう考えてみると理屈上は前輪にも多少の負荷が掛かっている事が理解できますけど、それを数値で把握するのは容易ではありません。
そこでいくつかの事例をヒントにもう少し具体的な判断材料と言うか、比率や数字的バランスを探ってみたいと思います。

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ここからは話を自転車に戻して考えてみましょう。

前述の『ボルク・レーシング 5/4S』の例でスポーク本数(自動車用ホイールのスポークは自転車業界で言うところのバトンホイールのバトンに相当します)に注目してみると前が5本・後ろが4本となっており、これを少々強引かつ大雑把に解釈してみると「駆動輪:非駆動輪=5:4(20:16に相当します)の比率になっている」と言えなくもありません。

また、自転車のロードレーサー用の完組ホイールの例を一つ挙げてみると、盛豚がM5の後輪で使用しているWH7850-C24-CLのスポーク本数は前が16本・後ろが20本となっており、これを少々強引かつ大雑把に解釈してみると「駆動輪:非駆動輪=5:4の比率になっている」と言えなくもありません(他のホイールや最近のオプトバルでも同じ様な比率になっています…)。

(オプトバルだとリヤが3の倍数本になるので駆動輪:非駆動輪=21:16となりますが、やはり5:4の近似値の比率です…)
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自動車と自転車の両方で無駄を絞り込まれたレース用ホイール同士を採り上げて、駆動輪:非駆動輪のスポーク本数比率に注目すると、いずれも駆動輪は非駆動輪の約25%増しの本数になっているというのはちょっと興味深いです。

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ここからはリカンベントならではのホイール径の違いがもたらす影響について考えてみたいと思います。

完組みホイールを前提に考えてみると、700Cサイズの車輪を履くロードレーサーと大差無い走行速度で走るハメになるローレーサーの前輪に流用される小径フロントホイールには、本来の用途である小径車での走行条件に比べて明らかに想定を上回るレベルの負荷が掛かる事が予想されます。

(一台の車輌に小径車用フロントホイールとロードレーサー用700Cリヤホイールが同居するジレンマ…)
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乗り手や物にもよりますが同じライダーが乗る限り、ローレーサーの場合は小径車のトップスピード並みの速度で巡航し、トップスピードに至ってはロードレーサー以上の速度をマークします。

計算上では700-23Cの車輪が40km/hで走行する時に車輪の回転数は約310rpmになるのですが、これに対して451-23の前輪が40km/hで走行する時に車輪の回転数は約430rpmと約40%も高くなり、走行負荷はそれ以上になると予想されます。
一説には衝突事故の衝撃などは速度の二乗に比例して劇的に跳ね上がるとも言われていますが、走行負荷に関してはひとまずこの40%という数字を引用して計算してみたいと思います。

{前輪の方がいつも40%多く回っております!(←海老一 染太郎調で)}
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前:451-23/後:700-23Cのローレーサー(盛豚のM5の仕様より引用)が40km/hで巡航している時に、ハブの回転数を基軸に考えると前輪には700-23Cで言うところの約56km/hに相当する負荷が掛かっている事になります。 そして走行速度が60km/hに達した時には、前輪は700-23Cでいうところの約84km/hに相当する負荷に曝されている事になります。
もちろん40km/hで巡航しているところからのブレーキング時には、リム・スポーク・ニップルなどに700-23Cでいうところの約56km/hからのブレーキングに相当する負荷が掛かる事になりますので、日常的に相当な負荷が掛かっている事になります。

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※…(この数字をサイクロイド曲線の理屈に当てはめると、スポークの先端部やニップルは巡航中に瞬間速度で72km/hだのトップスピードで108km/hを越えるスピードだので走っている事になり、時間あたりでこの負荷が掛かる回数は後輪に比べて前輪は40%多い物になる事を意味します。 なるほど前輪のスポークばかり折れる訳ですね…。 こうして自分の走行条件の負荷を具体的に計算してみると肝が冷えます…。 因みにサイクロイド曲線の理屈について掘り下げて書き出したらキリが無いのでここでは割愛しますが、もう少し詳細を知りたいという方はのむラボさんの日記2012.10.01あたりを読んでみる事をオススメします。 ちなみに盛豚が自転車関係の難しい話で「聞いた事がある」という物の二割近くがこのサイトから来ています…)

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これらはあくまでトップスピードに関する単純計算による参考値に過ぎませんが、ロードレーサーが84km/hで走る状況に相当する高い負荷が、ホイールサイズ451でたった18本のプレーンスポーク(盛豚のM5に始めから組み込まれていた物がこれに該当します…)だとか20本のダブルバテッドスポーク(市販品完組451ホイールの多くに組み込まれている、全長の中間にあたる部分の断面直径を細く絞り込んだスポークです…)という絞り込んだカリカリチューンのホイールに掛かる状況を想像してみると、やはりローレーサーの前輪には、念の為に多少なりとも耐負荷的な余裕を持たせた物を選んでおきたいところです。

(たった18Hのフロントホイールで本当に大丈夫なのか…?)
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ここまでの考察を応用してそろそろローレーサー用の前輪のスポーク本数を考えてみたいと思います。

ロード用の完組みホイールを見ている限り、700Cの後輪のスポークは少なくても20本以上になっている傾向があります。 これに「駆動輪:非駆動輪=5:4」の比率を当てはめると700Cの非駆動輪は16本以上という事になり、これは大抵の完組みホイールの前輪のスポーク本数と一致しています。

同一車輌に組み込まれる700-23Cに比べて451-23の車輪には約40%増しの負荷が掛かるという見立てですので、451では16本の40%増しの22.4本と言いたいところですが、スポーク本数の基本は4本単位ですので端数を切り上げて24本という数字が見えて来ます。
大雑把ながらスポークの最低本数が算出できたので、一旦は24Hラジアル組みで手組みホイールの計画を進めた盛豚でしたが、実はこのタイミングで〝運良く″M5の前輪のスポークが折れが発生した為、念の為に見落としが無いかどうかもう一度計画内容を見直す事にしました。

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実はM5のスポークが折れた時は18Hホイールの残り17Hだけで帰路につくのはあまりにも心細かったので、秘密基地が近いtake3さんにご無理をお願いして451サイズの前輪をお借りして帰ったのですが、結果的にこの事が大きな転機となりました。

(このホイールに学んだ事は大きい…)
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盛豚が洗練された物を求めつつも保守的なまでに理に適った構造と信頼性を重視して外連味を嫌う者なら、take3さんはブルベ出場経験が豊富で信頼性と耐久性の大切さを知り尽くしている方です。

秘密基地からtake3さんが取り出して来て下さった451ホイールは32Hのタンジェント組みでした。 そしてそれまで「24Hのラジアル組みで手組みホイールの計画を進めている」と語っていた盛豚に対して、ホイールを差し出しながらボソッと一言、

「盛豚さん、451は32Hですよ(〝451サイズに信頼性を追求するのであれば、32本以上のスポーク本数が必要ですよ″という意味)

と仰られたのです…。
その帰りの道中で味わった前輪の感触は、「前輪一つ変わるだけで乗り味がこんなにも変わる物なのか!?」と思い知らされるほど素晴らしいモノでした。
そしてこの経験を通じて今まで見落としていたある事に気付いたのです。

(敬遠していた多本数スポークの乗り味に、眼から鱗が…)
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信頼性に加えて(と言うか掛け算の様に上乗せされて)走行距離・時間・回数・そして年月を重ねる事で真価が問われる〝耐久性″という、レース専用よりも高いハードルを基軸・条件として、耐負荷性を重視したフロントホイールを追求しようと思ったら、前述の計算で導き出した24本という数字はあくまで専用設計の集合体である完組みホイールの話なので、手組みホイールに当てはめる為には今一度補正を加える必要があると気付きました。

まず一つ目の補正ポイントとして、今までの「前輪にはラジアル組み」という漠然とした思い込みに対して、「本当はタンジェント組みの方が良いのではなかろうか?」という考えが強くなったので、ラジアル組みを候補から外してタンジェント組みを前提に考える事にしました。

そして二つ目の補正ポイントとして、ロード用700C完組みのフロントホイールのスポーク本数は専用のストレートスポークによるラジアル組み16Hが主流ですが、ロード用単品のタンジェント組みフロントハブは一般的な首折れスポークによるタンジェント組み(シマノ社の単品ハブはタンジェント組み指定で、メーカーはラジアル組みを認めていません…)で最低でも24Hです。 つまりこの構造の違いでスポーク本数は単純計算で50%増しになっている事を意味しますので、これも考慮に入れる事にします。

(本来シマノ社製単品ハブにこうしたラジアル組みする事をメーカーは認めていません…)
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補正ポイントを加味して一から計算し直しましょう。

ロード用の700C完組みホイールのスポーク数は少なくても駆動輪が20本・非駆動輪は16本以上になっている傾向があり、これは自動車にも共通する下限値の比率である「駆動輪:非駆動輪=5:4」に当てはまります。

(ロード用完組みホイールの前輪では、専用ハブ&ストレートスポークの16Hが一つの下限値という傾向があります…)
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これにホイールサイズが変わる分の補正を加えると…
700-23Cに比べて451-23の車輪には約40%増しの負荷が掛かるという見立てをしていますので、451では16本から40%増しの22.4本になります。

更に『ストレートスポーク・ラジアル組み→首折れスポーク・タンジェント組み』と、構造が変わる分の補正を加えると…
22.4本から50%増しの33.6本になります。

最後にスポーク本数の基本は4本単位ですので(世の中には6本組みという選択肢もありますが、今回はロード系で一般的な4本組みで考えます)端数を調整します。 一般的なロード用単品ハブの選択肢は24H・28H・32H・36Hですので、ここは近似値を優先するのであれば32Hという数字が見えて来ます。
車種がランドナーやキャンピングなどの荷物を多く積む物であれば切り上げて36Hを選んで6本組みを検討するところですが、荷物を積む車種ではありませんし小径に6本組みは〝編み″による屈折角度が強くなり過ぎるので、少し切捨てになりますが32Hの4本組みで良いと判断しました(おぉ、偶然にも実用重視のtake3さんと同じ結論!)。

(700-23Cストレートスポーク・ラジアル組み16Hに置き換える451-23は、首折れスポーク・タンジェント組み32H?)
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実は個人的にホイールに関する勉強を始める前は、スポークテンションを上げる事ができるので剛性が上がり転がり抵抗も少ないとされるラジアル組みの方が良いと考えていました。 またスポーク本数についても見た目がスッキリしているという事もあって、極力少ない24H以内の物が好みでした。

ところがtake3さんのホイールをお借りした事が足回りのしなやかさと路面追随性の大切さを思い出させてくれました。 そうして考える内に「ラジアル組みだから剛性が上げられて転がり性能が上がるのではなく、ラジアル組みでは中間支持点の〝編み″が無くて剛性と転がり性能が不足するのを、スポークテンションを上げる事で補っているだけなのではないだろうか?」という疑問が湧いて来たのです。

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自動車やオートバイの競技車輌のサスペンションでは、高速域で路面の凹凸から入力される高い負荷に対する力強さが求められる一方で、高速域になるほどより短い時間で瞬時に路面の凹凸に対応して追随するしなやかさが必要になります。
これは競技車輌ではなく市販車での例ですが、過去にエアサスのZ1300というオートバイで空気圧を上限値一杯まで上げて走ってみたら、国道でも車体が跳ねまくって駆動輪が空回りしっ放しで満足に走る事ができなかった経験があります。
この事からも分かるように硬すぎるサスペンションでは車体が跳ねてしまうので満足な走行性能が発揮できない為、自動車でもオートバイでも高いボディ・シャーシ剛性と強靭かつしなやかなサスペンション・タイヤの組み合わせが定石とされています。

(自動車でもオートバイでも、強化サスは〝単純に硬いサス″ではナイ…)
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もちろんより高度な運転技術を持つライダーであれば、しなやかさよりもひたすら剛性が高くて転がり性能が良い物を追求すればいいのですが、盛豚は自分の運転技術のレベルを鑑みて「車体側に多少は助けて貰う」という意味で、一定のしなやかさを追求する事にしました。
思い起こせば多本数スポークホイールやこの剛性としなやかさの組み合わせという考え方が自転車でも有効である事については、以前試乗させて頂いたツカモトさんのRANS Force5-700Cで確認済みですので…。

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構想がほぼ固まったので改めて計画を進める事にしました。(随分時間が掛かったなぁ…)

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基本的な条件と方向性が固まったのでいよいよお店へ製作依頼します。
今回は求める条件というかハードルが高いと自覚している上に、後輪など手持ちの完組ホイールに関する今後のメンテナンスを視野に入れて、そろそろロードレースに高いレベルで精通したお店との繋がりを確保したいという考えから、kimotoshiさんの紹介でサイクルショップ金太郎さんに助言を求めつつお願いする事にしました。

ちなみにこのお店は一見するとフツーに街の自転車屋さんですが、店長さんは海外のプロレースチームの専属メカニックとしての経験が豊富な方で、帰国後の現在も国内のプロチームの帯同メカニックとしてレースの度に駆り出される日々を送られています。
事前の確認でお店の取り扱い範囲外のパーツについては予め用意した上で、お店に出向いて店長さんに

「小径ホイールにローレーサーの公道走行速度・負荷でも対応できる強度と信頼性を追求して、そのついでの範囲で転がりなどの走行性能も良い物を作って欲しい」

という意向を伝えたところ、リムの銘柄やスポーク数については「希望の物で大丈夫でしょう。 良い判断だと思います」という回答を頂きました。

(信頼性を重視してハトメのあるリムを選択しました。)
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スポークについては破損箇所が首折れの例が多いという統計に裏付けられた自転車業界のノウハウや、それに基づくバテッドスポークの理屈も知ってはいましたが小径用の物は選択肢が限られますし、同じステンレススポークの中でも少しでも破断し難い物を選びたかったので、ニッケル系寄りの物ではなく比較的クローム系寄りのプレーンスポークを選ぶ事にしました(磁石にくっ付かないニッケル系よりも磁石に多少なりともくっ付くクローム系の方が折れ難いと聞いた事があります…)。

その一方でニップルについては「後輪のWH7850-C24とお揃いの赤い色の物を入れたい」という希望に対して、信頼性の高い真鍮製ニップルには銀色と黒色の二色しかありません。
結局、「信頼性には妥協せず、リム・ハブ・スポーク・ニップルの総合的なカラーリングは後輪のWH7850-C24とお揃いにしたい」という意向を完全に満たす組み合わせが無かったので、この段階ではニップルの色だけ妥協する事にしました。

(前輪もこの後輪のカラーリングに合わせたかったんだけどなぁ…)
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この相談の過程で店長さんは時間を惜しむ事も無く、「ラジアル組みでは一箇所のスポークテンションが緩むと、その箇所が集中的かつ加速度的に緩んで来る」とか、「ラジアル組みでは一箇所のスポークが折れると一気にホイール全体のバランスが崩れてフレが発生し易いから、出先でのトラブルの時にリスクが増える」とか、「適切なスポークテンションにする事が大事なのであって、高いスポークテンションが良い事なのではない」とか、「寿命は使用条件にもよるけれど経時変化という意味だけでも、使い始めて五年を超えたスポークはスポーク折れを警戒した方がいい」といった事も含めて、ラジアル組み・タンジェント組みの双方のメリット・デメリットについて色々と教えて下さいました。

こうして選んだホイールの構成は…

・リム : ALEXRIMS R390(451-32H)
・ハブ : シマノHB-7800(32H)
・スポーク : SAPIM LEADER BLACK#14(黒色)
・ニップル : スポークに付属している真鍮製の物(黒色)

という物で最終的な仕様を確定しました。

早速その場で正式注文としてオーダーをお願いすると、「お時間は大丈夫ですか?(〝待てますか?″という意味)」と訊かれたのですが、予てより仕事の速いお店との評判を聞いていたので「大丈夫ですので仕上がったら連絡を下さい」と言い残して帰宅したところ、翌々日には「仕上がりました」との電話が掛かってきました。

速っ!!

普段お世話になっているHC-WORKSさんもそうですが、こうした街の自転車屋さんベースのお店や街の自転車屋さん出身の方がやっているお店に乗りつけると、大手や有名店などのお高く留まった高級自転車専門店とは違って、納期や受注に対してミスが無くて仕事内容も誠実ですし、何より安易に「預かってゆっくりやるから歩いて帰れ」などと言わず、大抵のケースで何とか乗って帰れるように対処してくれるので助かります。

.

こうして仕上がったホイールを受け取り、その足でカー用品店に立ち寄って買い物をしてから帰ったところで次の作業に取り掛かります。 そう、注文の段階で妥協したニップルに小細工をしようという訳です。(笑)

(組みあがったホイールに細工をします…)
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買って来たのは自動車用のタッチペンです。 これを使ってニップルを後輪の赤アルマイトとお揃いの色に仕立て上げようという訳です。
本来アルマイトの色はペイントのそれとは異質なので再現するのは困難だとされていますが、自動車塗装のノウハウを応用してできるだけ色合わせしてみる事にしました。

そして少々強引ですが、既に組み付け済みのホイールのニップルだけをペタペタと筆塗りで塗装します!
本来の塗装は下処理から始まりますが、繊細な構造に強度と信頼性を担うニップル周りに傷を付けたくなかったので、いきなり色塗りから入ります。

色塗りの基本としては下処理の仕上げと下色のキャンセル(下の色… この場合は黒色が透けてしまうのを防ぐ事)を兼ねる明灰色のサーフェイサーと呼ばれる下塗り用塗料を塗り、その上から本来塗りたい色を重ね塗りします。
また、透明感のあるルミナス系やメタリック系やキャンディー系の色は、まず最初に専用のメタリックシルバーなどを下塗りして乾燥させてから、その次にクリヤー系に近い薄めの赤などを重ね塗りする事で透明感を出します(キャンディカラーの部分塗装・色合わせは、プロでも成功率が低いほど超難しいと言われています…)。

これらを踏まえて立てた作戦は…

①キャンディ塗装と同様に二色塗りをする事で赤アルマイトに近い色を出す。
②一色目のシルバーメタリックはとにかく明るい物を選ぶ。
③二色目の赤は透明感とメタリックを両立するルミナス系の明るい物を選ぶ。

という物です。 今回はHolts社の補修用タッチペンの中から、スバル車用『406ライトシルバーメタリック(F-12)』と、ニッサン車用『AY4ルミナスレッド2メタリック(N-73)』の二色を選びました。

まず一色目のライトシルバーメタリックをペタペタ塗っていきます。 下手にマスキングをすると却って境目が汚くなるので、マスキング無しの筆塗り一発勝負で塗ります…。

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季節がら気温が低いので時間と風を使って外気寒風で乾燥・一次定着をさせます。
一週間風に曝したら次は一色目の二度塗りへ。 一度目で残ったムラや塗り残しを無くすべく綺麗に塗り上げていきます。
筆塗りによる重ね塗りはスプレーガン塗装と違い、シンナーをタップリ含んだ塗料を筆でこすりつける事になるので一回目に塗った塗膜を溶かしてしまう恐れがある為、しつこく塗り直すのは禁物です。

※…(ちなみに銀色のニップルを選んでこのライトシルバーメタリックに塗装する工程を省略という選択肢もありますが、黒色スポークに付いて来るニップルは黒色なので銀色のニップルは2,400円も払って買い足さなければならない為、コスト優先で600円のタッチペンを買って差額の1,800円を節約しました…。sweat02

(鬼のような冷静さで塗り重ねます…)
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この状態でまた一週間かけて定着させたらいよいよ緊張の本塗りです。
先にも述べたようにシンナーをタップリ含んだ塗料を筆でこすりつける事になるので、二度も三度も塗りつけると一回目に塗った塗膜を溶かしてしまう為、失敗して色が混ざってしまうの避けるべくサッと一発でキメなければなりません。

TVはおろか携帯電話の電源も切った上で集中力を高めてから、一発勝負で塗装していきます!(どうしても看過できない塗り残し・ムラのみ、乾燥後に重ね塗りしました…)

(塗り終わったら天日干し&一週間の風乾燥…)
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こうして出来上がったホイールがこちら。
流石にアルマイトと全く同じ色とまではいきませんでしたが、「近寄ってアップで見たりせず実車をパッと眺める程度なら、黙ってりゃバレないかな?」という程度には仕上がったと思います。

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後輪のWH7850-C24のアルマイトニップルに対して…

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今はこれが精一杯かな…。

(やっぱ塗装だとアルマイトに比べて色の透明感が今一つでチャチだなぁ…)
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従来のホイールからタイヤを移してホイールバランスをチェックしたところ、40mmのロングバルブとサイコンのマグネットの自重だけでバランスが2g未満に収まってしまい、ガン玉チューンではこれ以上のバランス域まで仕上げる事ができないほどです。

早速、近所のCRを試走してみると…、感触が全然違う! 「カミソリみたいなグリップ」のような危うさが全然なく、あまりにもシットリと落ち着いて走るのでとても同じ車輌とは思えません!

剛性感はあるのにゴツゴツせず路面の凹凸をしなやかに吸収してくれるので路面追随性が非常に高く、まるでカーボン製フロントフォークかレーシングサスペンションでも組み込んだのかと思うほど、路面に吸い付いて滑るように走ります。
路面追随性が上がった事でタイヤのグリップ力も上がり、コーナリング性能も向上している事が実感できました。

いい感触に仕上がっている事が確認できたので、信頼性UPのついでにタイヤを451-23から451-28に交換していわしやポタに行ったところ更に走りが良くなり、帰りのR176西宮の下りでカッ飛ばしてみても路面の凹凸による跳ねに起因するアンダーステアが解消されていて、これまでの悩みの種だった高速域のスタビリティ不足が大幅に解消されている事が確認できました。

これは構造的な物も然る事ながら、盛豚のM5での走りを見た事も無いのに会話の中から「盛豚のM5での走りに適切なスポークテンション」を見出して、素晴らしいホイールを組み上げて下さったサイクルショップ金太郎さんの店長さんのお蔭に他なりません。

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店長さんにはこの場をお借りして厚く御礼申し上げたいと思います。

(って言うか、近々報告がてらお礼を言いに行こう…)

.

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コメント

カーボンホイールのデカールの件と言い、盛豚さんの器用さと忍耐力には脱帽!
とても真似出来ません。
実物を拝見しましたが、塗装とは思えない位ニップルが綺麗に光り輝いてましたもんね。
ビジュアルと実用性の相反、どちらを重視するか?車も自転車も同じで悩ましいとこです。

たいがい激しい走りでマシーンを酷使してますが、
私は体重が軽いので今のところスポーク折れてません。
だから常にビジュアル優先。
その発想って甘い?
折れたら考え改めますわ。

いつもながら考えられて理論立てられてるなぁと思いました
しかし数点疑問点が…

フロントホイールは確かにリアに比べて径が小さい分高回転となりますが、
タイヤ周速度は走行速度と同じです。
サイクロイド曲線に当てはめても頂点の速度は700cと変わらないです。
って考えたとき、ハブベアリングの回転負荷はリアに比べて高くなると思うのですが、
通常の回転においてハブベアリング以外はリアに比べて高負荷に晒されてるとは思えないのです。操舵角を入れたときに横剛性において後輪より負荷がかかる場面はあるとは思うのですが…

ただし、リカンベントについてはロードバイクと違い、フロントに"常時"高負荷がかかってるとは思うのです。

重心が前過ぎるんです。それもロードに比べたら、常時前なんです。
もるとんさんのM5もそうですし、自分のTSUNAMIもです。

単純に腰あたりが身体重心とするなら、前輪寄りに体がどっしり乗ってます。
パーツでも重い部類のパーツであるクランクがよりによって最先端についてます。
操舵系統もほとんど腰より前です。
特にローレーサー気味になるとリアホイールが後退するので、前に重心が寄ります。
ロードバイクなら体もパーツも大体前後輪の真ん中ですし、ブレーキングや対衝撃での重心移動も体の移動でどうとでもなるのですが、リカンベントに限っては「ポジション変化?何それ?」状態なので、常時前輪に負荷がかかります。

その状態で、細かな段差や路面の荒れを、ただでさえ段差に弱い小径が支えてるんです。

おまけに低重心なんでもろにフォークと前輪に負荷がかかります。
よって小径にもかかわらず大負荷がフロントにかかってます。

なんで、フロントは多少スポーク数が多いほうが望ましいとは思います。

ただ私くらいの体重なら24Hで十分かなぁって感じではありますにゃー。

盛豚さん、ここはやっぱり、ほら、
路面からの衝撃を緩和するよう
抜重のワザをリカンベントで。ね。

>Yおかさん
.
実はカーボンホイールのデカールは時間さえ掛ければ何とかなったんですけど、今回の組み付け済みホイールのニップルだけをハトメを避けて筆塗り塗装するのは、我ながら暴挙だったと思います…。(笑)
ビジュアル重視の24Hラジアル組みを諦めるには勇気が要りましたし、今実車を眺めてみても「やっぱ見た目のスッキリ感が欲しいいよなぁ…」と後ろ髪を惹かれる思いはありますね…。
まぁ見た目についてはYおかさんのホイールを眺める事で補うつもりです。(笑)

>えむきゅうさん
.
受動的負荷の大きさは上から押さえつける体重に左右される事になりますので、そのバランスさえ取れていれば後は走行距離と経時変化次第ですね。
出先のトラブルで帰還不能ってのは避けたいので、そういう意味では今回はラッキーでした。

>しろいねこさん
.
何方か一人くらいはこの疑問を抱かれるかもしれないなぁと思っていましたけど、案の定でしたね。(笑)
.
本文中ではこれ以上の長文化を避ける為に、ホイールサイズの違いによる負荷の違いについてサイクロイド曲線の理屈結びつけて同時に分析する事で初めて今回の解が見えて来るという解説を省略してしまったので、この疑問が出て来る一因になっていると感じましたので補足を…。
.
ザクッと書くと…
ご指摘の通り、〝タイヤを浮かせた空転状態″や、〝雑なアスファルトの路面ではなくヨーロッパの板張りバンクみたいに滑らかな路面で走る場合″ならば、ハブの回転数以外に前後輪の負荷の差は無視できるレベルまで下がるでしょう。
しかしながら一般道で走る場合は車輪はもっと平滑性の低いアスファルトの路面の上を転がる訳ですから、以前ホイールサイズの話(http://moruton.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-69eb.html)の五番目の図解で述べた様に、同じ路面の凹凸を越える時に700Cよりも451の方がハブを中心とした凹凸との接点へ結ぶ直線と路面に対する垂直線の挟角の角度が大きくなるので、路面からの車輪に対する衝撃入力がより大きくなり、どうしても振動が大きくなりがちです。
もちろん振動が生じる以上ハブ回転数(つまり走行速度)が上がるほどに振動による負荷がホイールに掛かってしまう事に繋がっていく訳ですが、こうした細かい要素の結び付きとその影響にも目を向けて分析したのが今回の考察であり、これはすなわち今回のテーマとして注目している〝受動的負荷″の影響に他ならず、室内実験では把握出来ない実走データーのフィードバックです。
.
もちろん前後輪の荷重バランスの比率についても認識はありますが、同一条件で測定比較できる車輌や設備を持ち合わせていませんし、ホイールベースの先にはみ出すのは膝から先程度なので、今回は「前輪の上から圧し掛かる重量」として括る事にしました。
.
今回は自転車業界ではあまり注目されない〝車輪の外径の違いによる負荷の変化″に目を向ける事で、初めて見えて来る物がありました(自動車でも同じホイールでも直径が2cm違うタイヤに交換すると路面追随性・走りの滑らかさが明らかに向上して微振動・受動的負荷が少なくなります)。
空転させたり転がり抵抗が皆無に近い路面で走る場合なら話は別ですが、今回は特に一般道のアスファルト路面では避けられない受動的負荷に注目して考えたので、必要なスポークの組み方と本数を何となく決めるのではなく根拠立てて導き出す事が出来たという話です。

>ゆっきょさん
.
そのテクニックについては高橋涼介にでも習おうかなと思案中です…。(笑)

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