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リカンベントに関する誤解と足の痺れについて

リカンベントに乗っていて足が痺れた経験があるという人は以外と多いのではないでしょうか?

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リカンベントは国内であまり普及しておらず確かな情報源が見当らないせいか、よく「十分な実走テストで検証した結果ではなく、想像や思い込みに起因する誤解なんじゃないかな?」と思われる情報が語られているのを見かける事があります。
それは一般の方による物に限った事ではなく、中にはNETなどを通じてベントライダーの間でも広く知られている物もあるようです。

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その代表的な例として挙げられるのが、「BB位置が高いリカンベントに乗っていると足が痺れる。 その傾向はBB高が高ければ高いほど顕著になる」という物です。

(「BBが高いリカンベントに乗ると足が痺れる」って本当なの?)
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まるで定説でもあるかのように語られているこの仮説を信じている人は意外と多くいらっしゃるみたいですが、盛豚がLYNXXを手に入れてから今日に至るまで三台のリカンベントを所有して、五十台以上のリカンベントに試乗してきた経験を総合すると、これは単なる都市伝説なのだろうと認識しています。

ではこの足の痺れの件について盛豚の経験と検証に裏付けられた認識がどういう内容なのかと言いますと、

「リカンベントに乗っていて足が痺れるケースも多少はあるけれど、その理由は体重が臀部(お尻の事ね…)に集中してかかってしまう場合に血行不良が起きているせいであり、BB高との因果関係は無い」

と考えています。
足が痺れると言えば正座、正座と言えばお葬式! そう、お葬式の時などに長時間正座をしていると足が痺れる事がよくありますが、そのメカニズムを大雑把に述べると…、

「脚が非常に屈折する姿勢のせいで、脚の血管が圧迫されて血液の流れが悪くなり末梢神経に必用な血液が不足するので、末梢神経の機能が低下してそこに異常電流が流れる。 この電流が痺れの正体である」

と言われています。
かつて医療に従事する人から「人間の臀部にはかなりの量の毛細血管があり、臀部の血流量は非常に多いのだ」と聞いた事があるのですが、実際に統計と分析で解明された自動車の居眠り運転の原因の割り合いとしては、「睡眠不足」よりも「臀部の血行不良により脳への血流量が不足する事」の方が多いのだそうです。
よく高速道路公団の広報で「長時間運転の時は定期的に休憩を取って、軽く体操しましょう」的な呼びかけを見かけますが、これは長時間同じ姿勢のままジッとしている事による血行不良を改善させるのが目的なのだそうです。

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盛豚がLYNXXに乗り始めた頃は20分も走ると臀部に圧迫感を感じて両足の親指が痺れてしまい、どんなにガマンしても連続走行できるのは60分が限界でした。
乗り慣れてくると少しはマシになったとは言え、それでも90分も連続走行できたためしはありませんでしたが、リカンベントの独特のバランス感にも慣れた頃にシートのリクライム角を調整して後ろに向かって寝かせてみると、臀部の圧迫感が和らいで足が痺れ難くなりました。
そこでシート角の変更による影響なのかを確信するためにシート角を元に戻して走ってみると、アッと言う間に臀部に圧迫感を感じて足が痺れてきました。(笑)

(青い線は足が痺れ易い納車当時のシート角、赤い線は足が痺れ難い調整後のシート角)
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この事から言えるのは、「シート角を立てると臀部に体重が集中して血行不良(つまり足の痺れの原因)が発生し易いのではないか」という事です。

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次にChinaMascotProducts LOW-RACERを通じて感じた事なのですが、この車輌を中古で入手した頃はシート高が嵩上げされた不自然なポジションになっていて、LYNXXほど酷くはなかったものの60分も走ると臀部に圧迫感を感じて足の親指が痺れてきました。

(このポジションではLYNXXよりマシだけど、足がじんわり痺れてきます…)
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その後の仕様変更でシート角はほぼそのままシート高をフレームに沿った適切な高さへと下げました。 すると不思議な事に臀部の圧迫感が減って足の痺れはほぼ治まったのです。

(今回はシート角ではなくシート高の変更で痺れが治まりました…)
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この事でポジション的に変わったのはシートの高さのみで、シートに着座したライダーが感じ取れる変化は「相対的にBBの位置が高くなった」という事です。 つまり「BBが高くなったら足が痺れ難くなった」という訳です。

件の都市伝説的な「BBが高いと足が痺れる」という仮説とは真逆の結果となる検証事実が確認された訳ですが、前項のLYNXXでの経験を踏まえて分析してみた結果として言えるのは、「このLOW-RACERではシートに対するBBの相対的な位置が低かった頃は脚の重量が臀部に集中して血行不良(つまり足の痺れの原因)が発生してしまっており、仕様変更によってシートに対するBBの相対的な位置が高くなった結果として脚の重量が臀部と背中に分散した事で血行不良(つまり足の痺れの原因)が発生しなくなったのではないか」という事です。

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そしてライトニングM5ローレーサーを手に入れた頃はBB高が高くて、それでいてシート角はローレーサーとしてはあり得ないほど立てられていました。 この状態で近所を一回りしただけで臀部にかつて無いほどの圧迫感を感じて足が痺れてしまったのですが…、

(5分で足が痺れましたわ…sweat02
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すぐにシート角を寝かせてみたところ、臀部の圧迫感は無くなり足の痺れは治まりました。

(BBは高くても脚の痺れは治まりました)
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この事から言えるのは、「このLM5ではBB位置が高いのにシート角が立っていた頃は上半身と脚の重量が両方とも臀部に集中して血行不良(つまり足の痺れの原因)が発生してしまっており、シート角を寝かせた結果として上半身と脚の重量が臀部と背中に分散した事で血行不良(つまり足の痺れの原因)が発生しなくなったのではないか」という事です。

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補足としてこれら三台のシート⇔BBの高低差の数値については下の表の通りです。

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ライダーが乗った時の乗車姿勢はこんなカンジです。

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LYNXXは今でも久し振りに乗った時は足の親指がやんわり痺れる時がありますけど、LM5についてはいきなり乗っても足が痺れる事はありません。

なぜ「BB高が高いリカンベントに乗ると足が痺れる」などという誤解が存在するのか疑問に思っていたのですが、十年近く前に知人とその人から借りて乗った事があるという人が「ZOX20に乗っていると足が痺れる」と言っていたのを思い出しました。

(このZOX20はシート角が変更されていますが、市販モデルはもう少しシート角が立っています)
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既に述べた通り、シート角が立っている事で臀部に体重が集中して血行不良を起こしている事に起因する足の痺れであるのは明白なのですが…(もちろん個人差もあると思います)。

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こうした足の痺れ以外にも、「BBが高いリカンベントは自分の足で前方視界を遮られるので、走行中に前が見えなくて危険だ」という仮説をNET上で見て、思わず吹き出してしまった事があるのですが、もちろんこれもデタラメです。 LM5ローレーサーに乗っている盛豚が言うのですから間違いありません。
だってこれを本気で信じている人は「足元を見ると自分の足で遮られて地面が見えない」と言っているようなものですから…。
一体どれほど巨大な足をした人なんでしょうね?(爆笑)

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また、「リカンベントは足が下方向ではなく水平方向に伸びている乗車姿勢なので、血液を落下方向ではなく水平方向に送り出さなければならなくなる心臓に物凄く負担がかかるので、健康に悪い乗り物だから乗らない方がいい」と力説している人を見た事があります。 この人はリカンベントに乗った事がない人でした…。
もしまかり間違ってこの人の仮説が正しいのだとしたら、人間は睡眠を取る時に寝そべってわざわざ物凄く負担がかかる姿勢になって眠っている事になりますし、本来は寝そべる事なく立ったまま眠るべきであるという事になります。 そして大量の血液を必要とする脳がある頭部は心臓よりも低い位置にあるべきだという事になるのでしょう…(そもそもリカンベントはアップライトよりも楽なのでダイエット効果が低いというのが身近なベントライダーに共通する悩みなのですが…)。
一体誰がこんな奇説を信じるのでしょうね?(笑)

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ロードレーサーと同じ百十年ほどの歴史を持つリカンベントですが、まだまだ知られていない事や誤解されている事は多いみたいです…。 (´-ω-`;)ゞ

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