最近のトラックバック

« 西山牧場ポタ | トップページ | 未来への遺産Ⅱ (前編) »

リカンベントオフ会2016

日曜日は恒例のHC-WORKSさん主催リカンベントオフ会に行ってきました。

16050801

.
例年このイベントでは撫で斬り試乗乱れ撃ちだの、人の意向に関係なく自分の愛車への試乗を強要するだのと何かしらやらかす盛豚ですが、今年もまた悪だくみをして入念な手回しをした上で当日を迎えました。

朝からちょいと野暮用を片付けて時間ギリギリに出発。 道中のはやし食堂さんで腹ごしらえをしてから会場へと向かいました。

16050802 

予定時刻をちょいと回ったところで会場に到着すると、既に三十台近いリカンベントが集まっていました。

16050803 

今回盛豚が会場へ乗って行ったのは RANS Force5改700 です。 既にツカモトさんはForce5改700で現地入りされており、間もなくYおかさんもForce5改700で到着されました。

名古屋方面から来られている顔馴染みの四四久さんを始め色々な方とリカンベント談義に興じて親交を暖めながら待つこと暫し、HもとさんがForce5-XPで到着されました。 これで全部揃いましたね。

(とても希少なForce5-XPが登場!)
16050804 

そう、今回は数えるほどしか輸入されなかった絶版車Force5の中で、同じ地域に現存する車輌を一堂に会して並べてみたかったのです。

最近でこそ国内でもハイレーサーが普及しつつありますがForce5が現役だった十年ほど以前では、国内に輸入されているリカンベントのスポーツ車と言えばミッドレーサー&ツアラーやローレーサーが主流であり、前後フルサイズホイールのアメリカン・デュアルレーサーはまだまだ実績の浅い少数派に過ぎませんでした。

事前の調査では同じ地域で盛豚の愛車を含めて4台ほど納車された事が分かっており、それらは何れも当時のオーナー各位が手放す事もなければ破損等で廃棄する事もなく乗り続けられていました。 そして今回は昨年最後の一台を手に入れた盛豚のリクエストに応えてオーナー諸氏が集結して下さったという訳です。

(一堂に会したForce5。 全国ベースでも六台位しか輸入されていない!?)
16050806 

同じ地域に納車された車輌が十年の時を経て一台も欠く事なく現存しているという驚異的な事実にも拘らず、当時の輸入台数があまりにも少なかった為、フレーム加工を施してたった三台だけ製作されたカスタムメイドのForce5改700よりも、スタンダード仕様で650C&26インチ対応のForce5-XPの方が更に少ないたったの一台で、全部合わせても僅か四台というこの状況! もはや希少を通り越えて不憫でさえあります…sweat02

同じ車種同士で固まるのは傍目にどうかとも思うのですが、国内の現存個体数がパンダよりも少ないこの哀れなForce5をせめて地域内の物だけでも一度は引き合わせてやりたいという思いと、「是非ともスタンダード仕様のForce5-XPをこの目で見たい!(←もちろんタダ見るだけで引き下がるつもりはナイ…)」という一部腹黒い動機で、一月前から手回しを始めていたのでした。

.

会場では参加者の皆さんが代わる代わる試乗に興じていました。 その中にはカーボン・ハイレーサーを囲むやたらとテンションの高い人の輪がいくつかある一方で、注目を集めて盛り上がるも中々走り出さない少々異彩を放つ人の輪もあったりしました。

ちょいと覗いてみるとその輪の中にはツカモトさんのForce5改700〝エチトン号″の姿が…。 どうやら乗れるだの乗れないだのという事で盛り上がっているようです。 盛豚のForce5改700に乗った事があるベントライダーが二人揃って悪戦苦闘するも走れずにいました。

はぁ、なるほどね…。

(Force5改700〝エチトン号″ ハッキリ言って上級者用です…)
16050807 

この個体はForce5改700の元祖であると同時に、今回集結した4台のForce5が輸入されるきっかけを作った第一発注車輌です。

オーナーのツカモトさんは約十年前にこの車輌を特注するよりも以前からZOX26に乗ってらっしゃった筋金入りのハイレーサーフリークで、車歴がやたらと多いというタイプではありませんが非常に造詣が深く、関西では知る人ぞ知るハイレーサーのスペシャリストとでも呼ぶべき第一人者的な存在だと言えます(少なくとも盛豚が知り得る範囲ではそうです)。
このForce5改700はそのツカモトさんがローレーサーで言うところのYおかさんのM5ローレーサー以上にタイトなポジションセッティングに絞り込んであり、しかもご本人の体格がやや小柄である事から盛豚と同等以上の体格の人が乗るのは困難なんですよね…。(苦笑)

苦戦している皆さんにちょいと交替して頂いて、盛豚も久し振りに乗らせて頂きました。

Force5改700の中でも特にこの個体はただ動かすだけでも体格的な問題でハードルが高い上に、シート位置の高さのわりに寝かせたシート角・低く広く構えたハンドル周り・独自に熟成された駆動系が繰り出す乗り味・走行性能はまさしくレーサーそのもので、その真価を味わうには高いレベルのローレーサーとハイレーサーを自在に乗れるだけの運転技量を要します。

ポジションのセッティングはオープンハンドルとトップロードハンドルの違いこそありますが、その方向性については盛豚のLM5や2012年アワーレコードのM5カーボン・ハイ等に共通するモノがあり、十分に熟達した上で乗ってみて初めて理解できると同時にライダーの身体能力を解き放つかのように発揮できるように仕上げられている事が感じ取れます。

(競技用M5カーボン・ハイ アワーレコード・レーサー)
16050805

市販のリカンベント・レーサーにありがちな、腰や背中が窮屈に押し込まれるように曲げられた姿勢を強いられるポジションとは全く異なり、窮屈感が全然ありません。 五体・四肢が完全にリラックスした状態を生み出すポジションになっているので、同じ速度で走るにもより少ない運動量・肉体的負荷で滑るように走れます。
その肉体的感触と滑走感は盛豚のLM5に共通するモノがあり、「湖に浮かべたボートに寝転んでいるだけで追い風に吹かれて勝手に滑走している」みたいな感覚に陥ってしまいます。

駆動側アイドラーにスラスト方向の自由移動幅を与え、O'SYMETRICのチェーンリングを基軸に仕上げられた極めて負荷の少ない駆動系と相まって、ともすれば「自転車に乗っている」という事を忘れてしまいそうになる独特の軽い走行感は、ツアラー志向で仕上げた盛豚のForce5改700とは明らかに一線を画した仕様に仕上がっている事が確認できました。

この走行感には組み合わされたメッシュシートが大きく寄与しており、盛豚のForce5が前輪のスポークをラジアル組みからタンジェント組みに変更する事で得られた滑らかな走行感を上回る滑らかさを実現しています。 これで前輪のスポークをタンジェント組みにしたら、快適のあまり走りながら眠ってしまうのではないでしょうか…。(笑)

.

さてお次は本日の目玉商品(売る訳ではナイ…)、Force5-XPに試乗させて頂く事ができました。

盛豚達のForce5改700はホイールのサイズアップにあたりフロントフォークを700C用に交換している為、スタンダード仕様に比べてメインフレームの前輪側が少々持ち上がった状態のジオメトリーになってしまっています。
走る上で特に問題はないものの本来のForce5の重心設計とは少々異なり後ろ寄りになってしまっているので、盛豚としては是非とも一度スタンダード仕様の乗り味を体験したいと常々思っていたのです。

Force5は元々650Cと26インチの両サイズに対応する車輌として設計されており、この個体は26インチ仕様である事からForce5が持つ設計上で最も低く安定した重心バランスを持っている事になります。
純正ゼファーシートではなくヨーロピアンシートが装着されていますが基本的にはスタンダード仕様を維持されており、逸る気持ちを抑えつつ体格に恵まれたオーナーさんのXシームに合わせたポジションと格闘しながら、何とか走る事ができました。

(純正カーボンフロントフォークが標準装備の上位グレードXP仕様!)
16050808 

走り出してすぐ感じたのは驚くほど安定した前後の荷重バランス! 驚くほど低く安定した重心位置! 感動のあまりスプレットイーグルを試すのを忘れてしまったほどでした。
その重心の低さと安定感はBacchetta・Corsa等のこれまでに乗った事がある650Cサイズのスティックフレーム・ハイレーサーとは比較にならない物があり、単純に650Cと26インチの重心の差というだけでは説明が付かないほどの違いを実感できます。

また盛豚のForce5改700に比べて明らかに前後輪の加重バランスが良く、安定感の良さが一層際立ちます。 Force5改700の方が前上がりになってしまっている分だけ荷重バランスに偏りが出ているのは当たり前と言えば当たり前なのですが、大抵の自転車は前輪荷重がやや不足しているのに比べて、スタンダード仕様のForce5の荷重バランスは秀逸でした。

(手前がスタンダード仕様のForce5-XPで奥が盛豚のForce5改700。 Force5改700はメインチューブの角度がスタンダード仕様のForce5-XPよりも前上がりになってしまっているのが分かるかな~?)
16050811 

後輪が同じ26インチでありながら前輪が406サイズのミッドツアラーOPTIMA・LYNXXと比べても同等以上の重心の低さと安定性が感じられ、ある意味とてもじゃありませんがハイレーサーに乗っているという実感が湧いて来ません。
RANS社H.P.に公開されている当時の論説で強調されている通り、抜群の操縦性と安定感がありました。 盛豚はこれまでに試乗・所有を合わせて約70台のリカンベントに乗った経験があるのですが、その中でもこのForce5-XP26インチ仕様の安定感は際立っています。
もし今からでもスタンダード仕様が中古で手に入るのであれば、今所有しているForce5改700とは別にもう一台買い求めたいほど(←比喩ではなく本気です。 何方か「譲ってもいい」という方がいらっしゃれば、是非当サイトのコメント欄へご一報下さい)秀逸な乗り味でした。

この重心の低さと安定感の秘密は独特のトラス構造を持つフレームにあるのですが、それについては話すと長くなりますので近い内に別の機会を設けて論じてみたいと思います。

.

.

こうしたリカンベントの話題を中心に書き綴るマイナーなブログなどをやっていると、時々オフ会で初対面の方から「盛豚さんですよね? ブログ読んでます」と声を掛けて頂ける事があったりします。 実は今回もそんな出会いがありまして、その方の愛車に試乗させて頂ける事になりました。
実はこれがとても貴重な経験となる物で、その車輌は何とOPTIMA・LYNX(本国製)アンダーハンドル仕様でした。

16050809 

ご存知の方も少なくないとは思いますが、OPTIMA社は2000年台の途中で一度生産を台湾へと移管した経緯があり、盛豚が所有するLYNXX(末尾のXが二つのヤツね)はいわゆる〝台湾リンクス″と呼ばれる物です。
本国オランダ製時代の物に比べてホイールベースが10cmほど短いので小回りが利き易く(一説にはこれはMサイズフレームであり本国製と同サイズのLサイズフレームが存在するとも言われていますが、盛豚はLサイズフレームに該当する実車を見た事はありません…)デイリーバイクとしての街乗りに適している一方で、ホイールベースの差が利いて本国製の物は乗り心地の優雅さや長距離走行や高速域での安定性において一日の長があると聞いた事があります。

盛豚の個体はPerformer社が製造を請け負っていた当時の物ですが、その後同じ台湾国内の他のメーカーへと製造請負先が移管されました。 更にその後組み立てについては本国へと戻されましたが、昨年半ばからはOPTIMA社の別の事業が一時的に忙しくなってリカンベント事業の製造・販売が休止されています。 現時点では今年中に再開の見込みだと発表されていますが期日は明記されておらず、入手するには再開を待つか中古を探し求めなければならないのが現状です。

今回試乗させて頂いた個体は本国製のLYNX(末尾のXが一つのヤツね)であり、第一印象は盛豚のLYNXXと比べて一回り大きく感じられます。 それとシートがPerformer社製の物に交換されていました。
現オーナーさんが入手されてからはシート高を嵩上げして、アイドラープーリーを取り外すと共にPerformer社製のチェーンチューブをガイドレール・チェーンキーパーとして活用する事で、駆動側のチェーンラインを直引きに変更されたとの事でした。

乗ってみるとこれが非常に優雅な乗り心地で「噂に違わず本国製は走りが優雅だなぁ~」などと浸ってしまい、遠くにある噴水のところまで行ってしまったのはここだけの話です。(笑)
またチェーンラインの変更がここまで効くものなのかと驚くほどフリクションロスが少なくてスムーズな駆動感になっており、「これは自分のLYNXXについて一考の価値があるかもしれないから憶えておこう」と思った次第です。

.

こうして華やかなカーボンレーサーの試乗会で盛り上がる中心部から隠れるように、隅っこの方でコソコソと個人的に盛り上がった今年のオフ会だったのでした。(笑) 気がつけば陽が傾き始めて人気もまばらになっており、やがて解散の声が…。

解散後はツカモトさんご夫婦に御一緒させて頂いて尾道ラーメン山長さんで美味なラーメンを堪能して帰ったというのは、Yおかさんにはナイショの話です…。

16050810 

参加された皆さん、お疲れ様でした。

また次の機会も宜しくお願いしますね。

.

※…(一部 ツカモトさんと さん た。さんの画像を使用させて頂きました)

.

« 西山牧場ポタ | トップページ | 未来への遺産Ⅱ (前編) »

リカンベント」カテゴリの記事

自転車でお出かけ」カテゴリの記事

コメント

先日は初対面にもかかわらず気さくに御対応下さり誠に有難う御座いました。貴重なお話を伺う事ができ、更にずっと参考にさせて頂いていて、私がリカンベントを入手するきっかけとなったこのブログで取り上げて下さり自車に対する思い入れが更に深くなりました。遠隔地の為自走で気楽にとはまいりませんが、ポタリングなどで御一緒させていただく機会があればと切に願っております。有難う御座いました。

はじめまして関東のベントライダーで、イザケンと申します。
RANS Force5-XPはそんなに輸入数が少ないのですか。
私はアメリカより持ち帰ったレモンイエローのForce5-XP(650C)を所有しております。
ノーマルと違う点はシートを止めるブラケットを新型に変え、Baccettaのユーロメッシュ
シートに変えてます。RANSのブラケットに何の改造も必要なくシートは取りつきました。
ハイレーサーは他にBaccetta Corsaと中華製チタン(Volae互換フレーム)を
持っており、いずれもホイールサイズは650Cです。
盛豚さんの考察から色々と有用な情報をいただいております。これからも参考に
させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

>金沢の前田さん
.
ようこそお越し下さいました。 コメントありがとうございます。
こちらこそ先日は楽しい一時を過ごせた上に、貴重な試乗の機会を頂きましてありがとうございました。 本国製LYNXについては私が所有している台湾製LYNXXのルーツですのでたまたま経緯を知っていた事と、見覚えのあるシートが装着されていたのでついつい懐かしくて…(笑)
当ブログをご愛読下さってありがとうございます。 素人の徒手空拳でただただ私見を書き綴っているに過ぎませんが、幾許かでも参考になりましたら幸いです。
.
いずれ機会がありましたら一緒に走りたいですね。 また気が向かれましたらお気軽に当サイトへお立ち寄り下さい。

>イザケンさん
.
コメントありがとうございます。 関西ローカルの零細ブログへようこそお越し下さいました。(笑)
古参のベントライダー諸氏からは「2002~06年頃にリカンベントが急激に普及した(絶対数は知れていますが…)時期があった」と聞き及んでいるのですが、その頃はOPTIMA社品とチャイナマスコットプロダクツ社品が流行っていたようですね。 今でもその名残りで当時物のBARONやLYNXやTSUNAMIの中古車がネットオークションで出品されているのをよく見かけます。
.
当時アメリカンハイレーサーは出たばかりで馴染みが薄かったせいか、その年代の車種は国内であまり見かけないように思います。 Force5はLORO社経由で本文中の計四台・スカイライフ社経由で東京と九州に一台ずつ輸入されていたのは把握していましたが、スカイライフ社経由が他に何台輸入されたのかまでは私も把握できていません…。
.
Force5-XP(650C)をアメリカから持ち帰られたとの事、羨ましい限りです。 本文中に出ている友人のForce5もイザケンさんと同様にBacchetta社のユーロメッシュシートをほぼポン付けで装着していました。
ハイレーサーだけでも複数お持ちとの事、これまた羨ましいですね。 私も現物さえあればもう一台今度はスタンダード仕様のForce5が欲しいのですが、普及個体数が少な過ぎて頓挫しているのが現状です…。(苦笑)
.
当ブログは私自身の備忘録を兼ねて徒手空拳の私見を書き綴っているに過ぎませんので、内容的に認識が甘い部分も間々あるとは思いますが、今後も些か寛容に見てやって頂けましたら幸いです。

この記事へのコメントは終了しました。

« 西山牧場ポタ | トップページ | 未来への遺産Ⅱ (前編) »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ