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リカンベントは周囲から見えない? (その1) 『なぜ〝見え難い″と言われるのか』

一般的に「リカンベントは周囲から見え難い」と言われる傾向があると感じます。
その詳細な理由と原理について分析して理論的に解説されている文献やサイトが見当らないせいか、ベントライダーの中には「そういう意見も聞いた事はあるけれど、何がどう見え難いのか今一つピンと来ない」という方も少なくはないと思います。
そこで今回はこの事について画像を交えて確認しながら考えてみたいと思います。

ただしこれは盛豚の個人的な経験に基づく考察に過ぎませんので、あくまで参考程度の私見である事を予め御承知おき下さい。

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※…8月5日加筆:(レンガ塀沿いの道でのテスト画像は、軽乗用車『スズキ・ワゴンR』のドライバー目線位の高さで撮影してあります。 セダンよりは高めですがワンボックス車よりは低く、今日普及している一般的な乗用車としては平均的な高さであり、成人の歩行者目線の高さからも著しく離れていないと考えています

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サイクルモードの試乗会でリカンベントの楽しさに魅せられた盛豚が、その後に初めて公道を走行中のリカンベントを見た時の印象は、「面白そうだけど背が低くて何だか見え難いから、ちょっと怖いというか危なっかしいなぁ…」という少々懐疑的なものでした。

その為しばらくの間は好奇心を抱きつつも手を出さずに我慢していたのですが、やがてあるイベントで同席した方のリカンベントがそれほど全高も低くなく、冷静に観察していると着座している時の頭の高さが小学校の中学年程度の児童と同じ位である事に気付きました。
そこでその車種についてよく調べた上で同型の物を手に入れたのが、今も愛用しているミッドツアラーのOPTIMA・LYNXXです。

LYNXXにはシート角の調整機構がついており、納車した時は初心者向けにシート角をやや起こした状態で引き渡されました。

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注意深く周囲を観察しながらLYNXXで公道を走ってみると、予想通り周囲からはある程度見えているという手応えが感じられ、たまに周囲の歩行者や自動車から見落とされる事があっても「確かにこれがもし小学校の中学年程度の児童だったら、こんなカンジで見落とされるケースがいかにもありそうだよな…(苦笑)」といった想定の範囲内であり、まぁこちらも警戒しながら走っていたので危険な目に遭う事はありませんでした。

ところが乗り慣れてシート角を当初の角度よりも寝かせてみたところ、走りが軽快になったのとは裏腹に周囲の歩行者や自動車から見落とされる頻度が増え始めたのです…。

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これに対して次に手に入れた ChinaMascotProducts LOW-RACER では予想通りというかそれ以上というか、とにかく「周囲の歩行者や自動車はこちらに気づいていないのが基本」というカンジでした。
一度自宅を出発したら最後帰宅するまでの間は自分が透明人間状態であり、「こちらが優先だとか相手が一時停止側だとかいった交通法規や正論もクソもなく、とにかくこちらに気付いていない周囲を避けて運転しないと命が無い!」というのがローレーサーでの公道走行における実情です。
お蔭で周囲の動向や挙動に対する注意力と予測のスキルが否応なしに磨かれて、「常に頭を使いながら走る」という運転技術が身につきました。

「責任ある安全運転とか上手い運転とはただ単に自分が交通法規さえ守っていれば良いという程度のモノではなく、そうした基礎技術を活用して交通の一員として参加しつつ周囲との調和を維持する事である」と気付いたのはこの頃でした…。

(一般道を走るのは怖いので、リスクの低いCRや河川敷道路が好きになった頃でした…)
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またこの頃に一つの転機というべきモノが訪れて他のベントライダー諸氏との交流が始まっています。 そのお蔭でポタ会などの集合場所で待っている時に実際に公道を走って来るリカンベントの姿を見る機会が多くなりましたし、またハイライダー・ミッドライダー・ローライダーの各種リカンベントの走行シーンを眺めるほどに、リカンベントが走る姿は傍目にはどう見えているのかが徐々に分かってきました。

それから数年…、ベントライダーとしての立場や主観に固執するのではなく、そこにそれまでの人生での経験から培って来た〝自動車目線″と〝オートバイ目線″と〝アップライト自転車目線″と〝歩行者目線″という他の交通構成者の立場や視点も取り入れて、更に生物学的にヒトの特性として知られている事についても照らし合わせながら鑑みる事によって、可能な限り客観的な見方や判断をするように努めてきました。

こうして導き出した私見について以下に記します。

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NET上でもリアルな会話でも「リカンベントは見え難くて危ない」と主張する人の大半が指差しているのは、OPTIMA社の製品のようにライダーの乗車姿勢が後方へ寝そべるようなカンジのツアラーやレーサーであって、Bike-Eのような「背筋を伸ばして椅子に座るような姿勢」の車種は対象に入っていないと感じます。 少なくとも実際に会話をする機会があった人々は皆そうでした。

(Bike-Eのように椅子に座るような姿勢で乗る車種を問題視する人は見た事がありません…)
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最も風当たりが厳しいのがローレーサーであり、この辺はまぁ予想通りといったところです。 そしてその理由については「低くて見え難いから」と主張する人が多いのですが、盛豚自身は「確かにそれも一つの要素として含まれているけれど、そんなに単純な問題ではない」と考えています。

もう少し掘り下げて述べてみると「全高の高さ低さは程度の差にこそ影響するかもしれないけれど、根本的な問題は見慣れない姿・形・乗車姿勢というその外観にある」というのが盛豚の考えです。

どういう事なのか例を交えながら解説してみましょう。 まずは下の画像をご覧下さい。

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「これは何だと思いますか?」と問われれば、日本人なら100人の内90人以上は「バスです」と答えるでしょう。 ですがこの車輌は大阪市営バスであり、大阪市内に来た事がない人は実車を見た事はない筈です。

次にこちらをご覧下さい。

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「これは何だと思いますか?」と問われれば、日本人なら100人の内90人以上は「カメラです」と答えるでしょう。 ですがこの機種は約二十年前のマイナーなモデルであり、カメラ関係の好事家でなければ実機を見た事はない筈です。

最後にこちらをご覧下さい。

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「これは何だと思いますか?」と問われれば、日本人ならほぼ全員が「かき氷です」と答えるでしょう。 ですがこのカキ氷は大阪府枚方市にある枚方凍氷さんの名物商品であり、同店を訪れた人でなければ実物を見た事も食べた事もない筈です。

なぜバスだとかカメラだとかかき氷だと分かるのでしょうか? 「バカにしてるのか!?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんけどココが肝心なところなのです。 もし大真面目に答えて頂いたらほぼ百発百中で「んなモン見りゃ分かるわい!」という答えが返って来るでしょう。 更にこちらが「なぜ見ただけで分かるのですか?」と尋ねたら、ほぼ全員が「例えその実物を見た事がなくても、似たような物をいくらでも見た事があるからだ!」と答えるでしょう。

さて、これを踏まえた上で話をリカンベントに戻しましょう…。

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既にカンのいい方はもうお気付きだとは思いますが、ヒトは生物学的に「初めて見た物であっても脳が過去の記憶と照らし合わせて、それがどのような物質なのかを瞬時に判断する能力を備えた動物である」と言われています。 厳密にはヒトに限らず多くの動物にそうした「学習能力の応用機能」が備わっているそうなのですが、大脳が特に発達しているヒトの場合はその能力が特に優れており、そのお蔭で日常生活の大抵の出来事に対応できるのだと聞いた事があります。

おっと、向こうから何かが近づいて来ます。

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「あれは何だと思いますか?」と問われたら誰もが「人です」と答えるでしょうね。 おっと、また何かが近づいて来ます。

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「あれは何だと思いますか?」と問われたら誰もが「自転車です」もしくは「自転車に乗った人です」と答えるでしょう。 おっと、また何かが近づいて来ます。

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ベントライダー以外の人が「あれは何だと思いますか?」と問われたら、果たして何人の人が即答できるでしょうか? それどころか例えベントライダーであっても「同じ地域で自分以外のベントライダーを見た事がない」という人であれば、一般人と同様にリカンベント・ツアラーが走っている姿を見た事がない可能性は非常に高いでしょう。 そういう人はこの姿を見ても過去の記憶に照らし合わせる事ができる物が存在しない為、それが何なのかを即時に認識する事ができません。

「…???」となって軽くパニックになる事請け合いです。 その時に目に映っているのは上の画像なのですが、果たしてそれを脳がどう認識しているかというとリカンベントの部分だけが理解不能な状態に陥っている為、下の画像のような感じになっていると考えられます。

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何しろ自分の知識や記憶に存在しないちょっとしたUFO(未確認飛行物体)なので、まずそれが物体なのかどうかすら瞬時に理解できません。 仮にそれが物体だと分かってもその大きさが分かりませんし、それ故に自分との相対的な位置関係や距離感が掴めません。 そうなると静止状態なのか近付いて来ているのかすら分からず、でも何となくロードノイズや気配が大きくなって来るので「得体の知れない物(怪物か何か)が自分に向かって来る!sweat01という一種の恐怖感すら感じる人だっているでしょう。

なぜそう言えるのかと言いますと、盛豚自身が走行中のリカンベントを見慣れるまでの間は何度もこう感じて、その度に軽くパニックに陥った経験があるからです(実は慣れるまでに大分月日を要しました…sweat02)。
実際、「こんなので公道を走っていいのか!?」とややネガティブな反応を示しながら話しかけてきた人達に対して、順を追ってリカンベントについて解説しながら話をした時に、上記のように感じたのではないかと確認したところ、ほとんどの人が「うん、そう感じた。 一瞬、怖かった…sweat02」と答えました。

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このように「リカンベントは見え難い」と言われる根本的な理由は、全高の高さ低さという以前にまず「一般の人はリカンベントが走る姿を見慣れていなかったり見た事がなかったりするので、それが何なのかを頭で認識できない為」であり、見方を変えれば「リカンベントが走る姿には一般の人が〝人間の姿″もしくは〝自転車の姿″と認識できる要素が不足しているのが一因である可能性が高い」と解釈できるのではないかと考えています。

そこで次回はその辺を逆手に取って盛豚が普段から実践している、「周囲から見え難いと言われるリカンベントを見え易くして、周囲から見落とされる事を防ぎこちらに気付いてもらう為の運転方法」について述べてみたいと思います。

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コメント

「なぜ、見え難いと言われるのか?」「どう見えてるのか?」を確認する為には、たまには自動車側の目線で見てもらうのも一つの方法かも知れませんね。
もしかしたら、自動車以上にデイライトが必要かも。

>しょうやんさん
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流石ですね。 実は(その3)で自動車目線を含めてもう少し多角的な見方をする予定なので、今少しお待ち下さい。(笑)

この記事へのコメントは終了しました。

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