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四万十川の沈下橋を訪ねて

九州へ行った帰りに四国は四万十川へ立ち寄りました。

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四万十川には十余年前にも自転車で訪れた事があります。 その時は旧友と一緒に自家用車へ小径車とキャンプ道具を積み込んでのパーク&ライドで中村に入り、自家用車をデポした後に汽車とタクシーで輪行して四万十川の源流へと移動して、そこから二泊三日のキャンプツーリングで全長約180kmの四万十川本流にかかる沈下橋の全てを訪れるという旅でした。

確かに四万十川流域の自然を味わいたいという気持ちもあったのですが、どちらかというと当時のお目当ては沈下橋の方にあったというのが実情です。
そして今回の寄り道でも仁淀川流域と四万十川流域のどちらを訪れるかで大分迷ったのですが、やはり沈下橋を訪れたいという気持ちが強かったので四万十川流域を選びました。

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沈下橋とは文字通り「沈んでしまう橋」という意味で、昔から台風や豪雨などによる増水で四万十川が荒れる度に壊れて流されてしまう生活橋を何とかしようと、増水した川に抵抗するのではなく川に身を沈めて寄り添う事でやり過ごし、破損を回避すべく工夫された特殊な橋だと云われています。

鉄筋コンクリート製建造物が普及してきた時代に数多く作られたこの橋は、欄干を排除すると同時に橋脚や橋桁の側面をなるべく丸みを帯びた断面にしてシンプルな構造にする事で、側方投影面積と形状的な水の抵抗を減らして、増水にも耐えるようにする狙いで考案されたと聞いた事があります。

(細部の構造は個々に異なりますが、基本的に超シンプルで見るからに水の抵抗が少なそうです)
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それまで増水の度に交通が寸断されて困っていた地域の人々にとって、以後長きに渡って生活を支えてくれる存在となった沈下橋…。
近代建築技術によって大きな橋が幾つもかけられている今日に至ってもその大半は現役で使われており、今回訪れた地域でも近年修理を受けたと思しき痕跡があっちこっちで見受けられました。

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前回訪れた時の愛車は小径車のBSモールトンだったので機動力に限りがあった事と、時間をかけての旅を楽しみたかったという事から日時をかけての旅を楽しみましたが、今回は長旅の帰りに立ち寄る関係上あまり多くを割けません。

四万十川と沈下橋をセットで考えた場合、大きく三つの流域に分類する事ができます。

一つは原風景に溶け込んでいる代わりに傷んで通行止めになっている橋も少なくない上流域。
一つは華やかさこそないものの今なお流域の人々のささやかな生活を支え続けている、小さくて素朴でも本来の姿を保っている沈下橋が数多く点在する中流域。
一つは大型で見目麗しく観光と接待用にお金をかけられた沈下橋が数本ある観光地めいた下流域。

色々と考えた結果、流域をある程度は走りたいという気持ちと素朴で生活を支える本来の姿を見たいという意向から、今回は中流域を訪れる事にしました。

(下流の橋は見応えがあるけど、キレイ過ぎるし数が少ないし観光客が多いからね…sweat02
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九州を後にした日の夕方にこの日の宿の星羅四万十さんにチェックインしました。 情緒ある民宿も考えたのですが予約を取るのが寸前になってしまった事や、宿泊者は翌日のチェックアウト後も自家用車をデポさせてくれる事に加えて、何よりチェックアウト後も当日の16:00~21:30までに再訪すれば16:00~22:00は無料でお風呂に入らせて貰えるというメリットがあったので、こちらでお世話になる事にしました。spa

このホテルではカヌーや天体観測を始めとする地域の体験イベントを盛りだくさん紹介されており、どうやらこのお風呂のサービスも「地域にゆっくり滞在して楽しんでいって下さいね~note」という地域振興の意味を込めてのサービスのようです。

(サイクリング目的の盛豚にとっては、特に再入浴サービスが有り難かった星羅四万十さん)
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宿では前夜もそうでしたが朝食でも四万十の幸を楽しみました。

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朝食が済んだらチェックアウトして、宿の了解を得て自家用車をデポさせて頂いたまま出発します。
江川崎を出発して往路はひたすら国道を走りました。

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(トンネルを七つ越えて…)
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(はい、宝っすよね~note
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休憩は補給のみでとにかく走ります。 中流域はアップダウンが少ないのですいすい走れました。

(「四国限定」と書かれていたので飲んでみたら美味しかった!)
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前回訪れた時にヤマメ定食を頂いた民宿兼お食事処の『森の里』さんです。 今でこそ中流域にも道の駅がありますけど、十余年前は全くお店が見当らず大変助かりました。
今回はまだ朝の内で時間も中途半端だったので通過しましたが、こちらのヤマメ定食がとても美味だったのは今なお記憶に新しいです。

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一気に上宮まで走ると… 見えてきました! 上宮の沈下橋です。

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中流域の沈下橋のある風景は概ねこんなカンジです。

(橋の向こう側には集落があります)
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正面から見た沈下橋はこんなカンジ。

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観光で離れた場所から眺める分には「趣きがあるなぁ~」なんて悠長な事を言っていられますが、いざ渡ってみるとなるとおっかないこと…。sweat01 初めての人が自転車で渡ろうと思ったら橋の中央を渡るのが精一杯で、ヘタすりゃペダルをこいで走る事ができず両脚で歩くのが精一杯だったりします…。sweat02

(渡るとなると結構おっかない沈下橋…sweat01
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対岸から見た沈下橋はこんなカンジ。 こちら側に来た段階でもう「ただののどかな風景」には見えなくなっています…。(笑)

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ここからは引き返して復路になります(実はもう一つ先にある重要なポイントの弘瀬に行かねばならないのを失念していたのですが…sweat02)。 国道を基調にしつつ四万十川の穿入蛇行(「せんにゅうだこう」と読みます。 川がくねくねしている地形の事です)をなぞって走り、往路では飛ばして来た沈下橋を訪ね歩きます。

(これぞ四万十の風景やね~note
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ほどなく上岡の沈下橋が見えてきました。 一見すると対岸に人里は見当りませんが…

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渡って少し走ると多かれ少なかれ流域に住まう人々の生活風景というものがあります。 ただ観光地ではありませんから大勢で訪れたりジロジロ嘗め回すように見るのは失礼に当たりますので、サッと眺めたらすぐに退散するのがいいでしょうね。

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道の駅四万十大正さんで小休止。

(このアイスは本当に美味しかったなぁ…)
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ここから先は穿入蛇行が本格的になってきますので、往路に比べて距離も所要時間も大幅に伸びてきます。

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国道381号線を逸れ、里川に向かい穿入蛇行に沿って進みます。

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やがて里川の沈下橋が見えてきました。 こうして盛豚が立っている位置にかなり以前から大きな橋がかけられていているにも拘らず、沈下橋には近年修理されたのであろう痕跡があります。

(この橋の近くの分岐から沈下橋への道が伸びていますし、対岸の道にはこの橋も通じているのですが…)
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そのまま穿入蛇行に沿って走り国道に合流します。 ここから先はこの行程の繰り返しになります。

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吹芽手の沈下橋が見えてきました。 残念ながらこの日は道路工事中でアプローチできず、国道から拝むだけで通過です…。

(この橋は傷んでなくて結構キレイだから、今回も渡りたかったんだけどなぁ…)
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そのまま国道381号線を走って三島に来ました。 ここは四万十川流域で唯一JRの鉄橋と並走して沈下橋が架かっているスポットであり、また二つの沈下橋が隣接する珍しい地区でもあります。

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回り込んでみるとこんなカンジ。 こちらは第一三島沈下橋でバリバリの現役です。

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ところが第二三島沈下橋はすぐ横に立派な橋が後からかけられたせいか、橋へのアプローチには泥がタップリと堆積していてほとんど使われている気配はありませんでした…。

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こうしてご紹介しているように沈下橋でも知られる四万十川ですが、実は今なお現役の渡し船やその名残があっちこっちに見受けられます。 その数は沈下橋よりもはるかに多かったのが印象的でした。

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ちょっと陽が傾いてきましたね。 先を急ぎましょう…。

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暫く走ってから最後の三連発です。 まずは半家の沈下橋。 こちらは目立った修理痕もなく現役で稼働していました。

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少し走って中半家の沈下橋ですが、こちらはアプローチの段階で既に増水の痕跡により道が…。

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橋は特に損傷していませんでしたが車止めがあり、すぐ横には大きな新橋がかけられています。

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対岸のアプローチには泥がタップリと堆積していました。 対岸の集落の位置も高い所にあり、どうやら今なおこの橋を利用している人はほとんどいないようです…。

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対岸から見てみるとこのように沈下橋自体には傷みが感じられないんですけどねぇ…。

(もったいないです…)
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そしてまた少し国道を走ると、この日最後の沈下橋となる長生の沈下橋が見えてきました。

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この橋にも近年修理されたと思しき痕跡が残っていましたが、中央部の〝すれ違い″もちゃんと残されていたので安心しました。

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沈下橋も全長が長い物になると自転車や歩行者が横断中に自動車が来てしまうので、こうして〝すれ違い″をする為の退避場が儲けられている物もあります。 下流に行くほど流域面積が増えて橋の全長が長くなるせいか、この構造はここから下流域に特有の構造だといえます。

(撮影してる間にホンマに車が来てもうたがな。 早よ〝すれ違い″に逃げ込まな…sweat01
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この後は自家用車をデポさせて頂いている星羅四万十さんへと戻り、ゆっくり風呂を浴びてから帰路につきました。

盛豚は軽乗用車でしかものんびりペースで帰ったのですが、観光パンフレットによればホテルを出発してから一時間余りで四万十町中央 I.C.に到着。 そこから高速道路で高松までの所要時間が三時間半。 更にそこからジャンボフェリーさんに乗って四時間余りで神戸に上陸とありますので、健脚なローディーさんやベントライダーさんなら大阪から一泊二~三日やゼロ泊二日の弾丸ツアーでも四万十川サイクリングを楽しめるかもしれませんね。

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【往路】
 走行距離 : 41.0km
 平均速度 : 23.2km/h
 走行時間 : 1:45:00

【復路】
 走行距離 : 59.0km
 平均速度 : 21.1km/h
 走行時間 : 2:47:00

【合計】
 所要時間 : 7:08:00 … (大分のんびりしました)

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コメント

諫早だけかと思いきや、四万十にも行かれてたのですね。自分は4年前に家族で四万十川(主に下流域ですが)を旅行しました。その時にどうしても家族でサイクリングがしたくて、GreenspeedとDAHONを積んで行きました。家内はレンタサイクルのママチャリ、子供は小学生でしたので、速度は知れていますが、それでも四万十川沿いの雄大な景色と、それぞれ個性あるいくつかの沈下橋を渡った時の感動は忘れられません。トライクは二輪ほど速度は出ませんが、バランス感覚を気にせず景色を楽しめる上に着座位置が低く水面に近い臨場感は二輪にはない新鮮さがありました。文章を読んで当時の楽しい思い出がよみがえり、思わず投稿しました。これからも走行記・旅行記・リカンベントの考察とも楽しみにしております。

>Corsa VQさん
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ようこそお越し下さいました。 コメントありがとうございます。
こちらでは初めましてですね。(笑)
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ご家族で四万十川と沈下橋を楽しまれたのですね♪ 羨ましいなぁ…。
下流の沈下橋は川幅に合わせて全長は長い物が多く、それでいて幅は中流の物と同じ位しかないので、見応え・渡り応えがあったでしょう? 私も以前訪れた時に撮った写真を振り返ると、あの辺りの細長い沈下橋…特に下流から二番目と三番目の物が印象に残っています。
もしトライクで行っていたらあの空気をもっと肌で感じる事ができていたのでしょうね…。
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考察は文字ばっかりだったり走行記や旅行記は画像ばっかりだったりの拙ブログですが、これからも気長にお付き合い頂けましたら幸いです。

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