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技術の応用? それとも無駄使い?

車椅子を O.H. に出しました。Img_1906


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ちょっとした事情により非常時に備えて自家用車に車椅子を常時搭載しておく事になりました。 たまたま実家に三十年物のほぼ未使用品があったのでそれを使う事にしたのですが、スポークが赤サビで傷んでいた事やワイヤー類の経年劣化やハブのグリス固着などの懸念も含めてそのまま使うにはちょっと不安が残るところです。

病院の備品・個人所有を問わず、世の中にはタイヤの空気圧程度でさえメンテされている車椅子は滅多にないのが実情ですが、空気圧のチェックをしたからといってこのまま搭載してしまっては、盛豚の車椅子(自分自身が使う訳ではありませんが…)もそうした物と大差ない無責任な一台になってしまいます。
そこであれこれ考えた挙句、今回は素直にプロへ丸投げを前提に相談する事にしました。

(スポークはサビが目立ち、一部腐蝕している物も…)Img_1908

相談する相手はプロはプロでも医療器具業界ではなく自転車業界を選ぶ事にします。 実家に行って自家用車に車椅子を積み込んだその足で帰りの道中にあるサイクルショップ金太郎さんに実車を持ち込みました。
本来は守備範囲外のそれを見て一瞬キョトンとされていた店長さんですが、こちらが「本来なら守備範囲外だとは分かっているんですけど…」と切り出すと、ちょっと苦笑しつつも相談に乗って下さいました。(ありがとうございます… m(_ _)m )

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あまり知られていない事だと思いますが、実は国内で車椅子を製造・販売されているのは基本的に自転車業界ではなく、そのほとんどが義肢メーカーさんだと言われています(言われてみるとなるほどなんですけど…)。

一見すると自転車にも共通するスポークホイールの車輪や廉価版の軽快車にも使われていそうなブレーキレバー&ワイヤーなどが目につく為、ついつい自転車業界で作られているかのようは印象を受けがちなのですが、断片的に自転車と同系の部品が流用されている例こそあれそもそも車椅子は自転車のような軽車両ではなく、松葉杖のような歩行補助具に分類されると聞いた事があります。

細部をよく見ると例えば車輪のハブ一つをとっても専用設計のドラムブレーキ内蔵型片持ち式ハブが使われており、これは自転車業界には出回ってなさそうな部品です。 O.H. や修理をしようにもベアリングなどの補修部品を自転車販売店さんで入手できるかどうか分かりませんし、そもそも分解して O.H. できるような内部構造なのかどうかさえも分かりません(後で分かった事なのですが、案の定このハブのベアリング周りは脱着・分解できない構造になっていたので、側面から清掃・グリスアップして下さったそうです…)。

その為一般的には自転車販売店に持ち込んでも修理対応が得られないケースも少なくないと聞いた事があります。
ならばこそ餅は餅屋で本来は製造元に相談すべきなのかもしれませんが(車体にはちゃんと良心的に製造メーカーさんの連絡先を記したシールが貼ってあります)、車体をチェックしたところ他はともかくスポークに関しては材質的に「ちゃんと6本組み(JIS)してあるところは流石なんだけど、この部品そのものは新品でも使いたくないな…」と感じる物が使われていたので、信頼している自転車販売店さんに頼み込んででもお願いしようと思い立ちました。

そしてまず開口一番「こういう事情の物だという事については認識していますから、可能な範囲で結構ですので助けて頂けませんか?」と前置きしたところ、「認識してくれているのであれば…」と相談に乗って頂けた次第です…。

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今回のホイールはリカンベントレーサー用のそれとは訳が違うので、ホイールに走りの良さを追求する必要はありません。 しかしながらそう気楽なハナシでもなく、この車椅子に乗せる相手は交通事故の後遺症害で身体の麻痺に苛まれている為、自動車で走行中に路面の継ぎ目などの多少の段差で受ける振動ですら苦痛を感じる身体の方です(よく麻痺とは「感覚を失って何も感じない」という意味だと誤解されがちですが、むしろその逆で「健常者が何も感じない場面でも過敏に感じたり激しい苦痛を感じたりする事があるなど、言わば程度の個人差こそあれ神経の誤作動や過剰反応に常に苛まれている状態」だと考えた方がいいでしょう)。

そこでその旨を伝えて「とにかくその方の苦痛を少しでも和らげて差し上げたい」という前提条件を述べた上で、スポークとニップルを例によって『SAPIM LEADER #14』に刷新してホイールを乗り心地重視の柔らかめに組んで頂く事と、全体的な O.H.(タイヤのチューブ類・ワイヤー類・ハブ・他)をお願いして帰路につきました(今まで自転車は全て自分でメンテして、お店に O.H. を依頼した事なんて一度もないのに何と贅沢な…w)。

待つこと僅か二日で仕上がりの連絡が入りました(相変わらず仕事の早いこと早いこと…)。

(何と『SAPIM LEADER #14』で組み上げられた贅沢な車輪!)Img_1977

(三十年物のブレーキワイヤーも新品に交換!)Img_1978

この車椅子は日頃から常用する為の物ではなくてあくまで非常時に備えての物なので、徒らに飾り立てたり磨き込んだり弄り回したりするつもりはありませんが、やはり信頼性という意味と乗り心地の対策はしておきたかったので、これで安心して搭載できます。

(ロードレースプロチームの帯同メカニックさんに車輪を組んで貰った車椅子なんて、世界中でも数台しかないんだろうなぁ…)Img_1980

サイクルショップ金太郎さん、ありがとうございました。 助かりました。
ありがたく使わせて頂きます。

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