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『GP Car story vol.21 McLaren MP4/5』(三栄書房)

その昔、日本でも “F-1ブーム” ってヤツがありました。 日本では “セナ・プロ時代” なんて呼ばれ方をする事もあるみたいですが、日本のホンダ社製エンジンを搭載したマシンがチャンピオンマシンになったりした事もあって、コアなモータースポーツファンではない一般人でさえF-1に関心を持っていたりサーキットまで観に行ったりしていたという、今では考えられない時代でした。

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F-1で88〜89年といえば1.5ℓターボ最後の年と3.5ℓNAへの回帰元年という事になり、エンジンで言えばホンダ社は両年共チャンピオンエンジンになっています。 数年前からターボエンジンで圧倒的な強さを誇ったホンダ社はレギュレーションの改変をものともせずにNA回帰元年を制した訳ですが、成績とは裏腹にその実情は厳しい物にありつつありました(この本の中でもそんな表現はされていませんが…)。

具体的な事情については当時の日本国内の多くのメディアが偏向報道をしていた事もあって、関係者の人物像からマシンの性能やチーム内でのゴタゴタも含めて海外で広く知られている情報の大半は正しく伝わっていませんでした。 そして特にTV放送を中心に歪められた内容ばかりが喧伝されていた為、海外の認識と日本のファンの認識との間には大きな隔たりがあったというのが実情です。

(一番の被害者は日本では悪者扱いされたアラン・プロスト氏だろうな…)
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マクラーレンホンダはNA回帰元年もタイトルこそ取ったものの、エンジンもシャーシも時代の変わり目にありながら変化を拒むかのように旧態依然とした技術に固執し続けてしまった事によって、数年後には勝てなくなってしまいホンダ社に至っては撤退してしまう事が決定づけられたようなものでした(この本にはそんな表現など全く出てこないのですが、その辺はバックナンバーの『GP Car story vol.03  Wiliams FW14B』と併せ読むととてもよく分かると思います)。

(インタビューでホンダ社の技術者諸氏が誇らしげに語るのとは裏腹にエンジンは…)
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(本文中では絶賛されているシャーシも、旧態依然とした構造なのが…)
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マクラーレンホンダやセナ・プロのファンではなかった盛豚でさえ読み応えのある一冊でしたが、特に興味深かったのはドライバーのアラン・プロスト氏のインタビューに加えて、スティーブ・ニコルズ氏やジョー・ラミレス氏など有力なエンジニアやコーディネーターのインタビュー記事も充実している事でした。

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あの時代を知るモータースポーツファンにはオススメの一冊だと思います。
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