最近のトラックバック

« 備えあれば憂いなし | トップページ | 車椅子の手直し »

自家用車と福祉車両 4(福祉車両の種類と仕様選び①『車椅子仕様』)

一口に福祉車両といってもいくつかの種類と仕様があります。 福祉施設などで使われるような業務用車両はひとまず置いといて、ここでは一般家庭向けのマイカーとしても使えるような車種に注目してみます。 Img_0726
. 現在メーカー各社から市販されている福祉車両の中でマイカーとしても使えそうな「乗せる為の乗用車」は大雑把に分類すると、助手席が外に向かって約90度回転して対象者の乗り降りを楽にしてくれる「助手席回転シート仕様」・対象者を座らせたままシートが電動式リフトで車体の外まで出てきて乗り降りさせてくれる「サイドリフトアップシート仕様」・対象者を車椅子に乗せた状態でウィンチで丸ごと乗り降りさせてくれる「車椅子仕様」の三種類があります。 (助手席回転シート仕様) Img_0150_2 (サイドリフトアップシート仕様) Img_0750 (車椅子仕様) Img_0161 ディーラーの担当の方が私に提案して下さった車種は『トヨタ ノア』です。 そして添付してくれた福祉車両のカタログに掲載されていたノアの福祉車両にはサイドリフトアップシート仕様と車椅子仕様に該当する下記の四車種がありました。 その中でもカタログに目を通してすぐにピンと来たのは、二列目左側座席にサイドリフトアップシートが搭載されている車種です。 一方、車椅子仕様はスロープシステムだけでなく後輪周りにエアサスなどの乗降支援機構が搭載されているなど、こちらも乗降システムが充実しているのが分かりました。 ①前述の二列目にサイドリフトアップシートを搭載している仕様。 Img_0016 ②助手席にサイドリフトアップシートを搭載している仕様。 Img_0158 ③車椅子に乗っている人を車椅子に乗せたまま三列目に一名だけ収容できる仕様。 Img_0163 ④車椅子に乗っている人を車椅子に乗せたまま二列目と三列目に合計二名を収容できる仕様。 Img_0167_2 ちなみに車椅子仕様の場合は… トヨタ ヴォクシー・エスクァイアを含むノア系三車種と同等他社品である日産セレナや ホンダ ステップワゴン にも用意されていますが、スロープを展開した時の長さや角度が各メーカーの車種によってそれぞれ異なるので、それがユーザー個々の住宅や車庫事情を含むスペース的な制約に影響を受ける事がありますから、購入前に採寸しておいて入念に確認するなどの注意が必要です。 贔屓のメーカーがあるという方も少なくないとは思いますが、特にこの車椅子仕様の場合はスロープを展開した時の前後方向の寸法やスロープ角度が意外と大きくなって使い勝手に差が出てきますので、贔屓のメーカーだけでなく一通りのメーカーの車種について展開状態での寸法や、対象者を車椅子ごと車内へ牽引してくれるウインチの作動具合に至るまで、各車を確認・比較してから候補車を絞り込んだ方が良いと感じます。 もし立地的にそう遠くないディーラーに福祉車両の試乗車があるのならば、交渉して自宅まで来て貰って展開を試してみるくらいの慎重さでもいいでしょう。 何故なら展開した状態の車両の総全長の更に後方にも、車椅子と介護者が入ってなおかつ車椅子の方向転換や切り返しをするスペースが必要になる為、車椅子仕様の場合は特に広い運用スペースを必要とするからです。 (トヨタ ノア系三車種と日産セレナの場合は車椅子仕様専用設計の低床型フロアに加えて、エアサスで乗降時の車高を調整できるメリットがある一方で…) Img_0164 ただ、この展開時の寸法やスロープ角度がコンパクトであるに越したことはありませんが、乗せる人数や何らかの事情で三列目に車椅子の利用者を乗せなければならない場合は、それ以外の事についても考慮する必要が生じてきます。 何故なら車椅子に乗せる対象者が自力で姿勢を維持できない時がありがちな要介護度の高い高齢者や障がい者の方や健常者でも体調を崩している方だったりした場合は、隣に介護者が座って支えて差し上げるなどのケアをしなければならない事を視野に入れておく必要があるからです。 健常者の方にはあまりピンと来ないかもしれませんが、車椅子に乗せる対象となる方の中でも特にこうした要介護度の高い高齢者や障がい者の方や健常者でも体調を崩している方の場合は、「身体の姿勢を維持する為に必要な体幹の力が、若い健常者に比べて十分に入りにくい人が多い傾向がある」と言われています。 ただでさえそのような身体の人がしかも乗用車のセミバケットシートに比べてとてもホールド性の低い車椅子の座席に座っている訳ですから、車の加速減速や横揺れに対応する為には介護者による隣席から支えて差し上げるなどのケアが欠かせないケースも少なくありません。 この三列目の車椅子席の隣にも介護者用の座席が設置されているのは、今回挙げている三メーカーの現行型車種の中では ホンダ ステップワゴン だけです。 (ホンダ ステップワゴン の場合は乗降補助用エアサス機構が搭載されていないのでスロープ角度が少しキツくなる代わりに…) Img_0772 (二列目だけでなく三列目についても車椅子席の隣に介護者が座ってケアする為の座席があります) Img_0756 (また、カタログに解説図付きの詳細な寸法データーが一通り掲載されているのは、ホンダ ステップワゴンだけでした) Img_0773 . それから一口に車椅子仕様といってもミニバンではなくリッターカーの場合はスロープや車内の乗車スペースの幅が狭くなりがちですから、病院も含めてこれまでに国内に広く出回っている川村義肢社・川村サイクル社製の伝統的な車椅子の幅(約64〜67cm)には対応できず、同社の新製品かもしくは自動車メーカーが用意した専用の車椅子を買い足さなければならないケースもありますので、併せて注意が必要です。 確かに車椅子の中でも最近のモデルは横幅を抑えてコンパクトに設計されている機種が増えていますけど、その分だけトレッド幅が狭くなってしまうので使用条件によっては安定性に不安が残ってしまう可能性も否めません。 車に合わせて無理にコンパクトな車椅子を選ぶのではなく対象者の体格や使用環境に適した車椅子を選び、その車椅子にマッチするスロープ幅の車種を選ぶ事ができるのであれば、その方がベターでしょう。 また私のように既に持っている車椅子を使いたいという方もいらっしゃるでしょうから、車椅子仕様の福祉車両を検討される場合には変にお店に対して遠慮したり気を使ったりしないで、とにかく購入前に入念な調査を行って下さい。 買った後で不具合が発覚してももはや手遅れですし、事後で対処できることには限りがありますから…。 (広く出回っている伝統的な機種の車椅子の幅は約64〜67cmありますが…) Img_2301 (車椅子仕様の福祉車両でも車格の小さい車種の場合は、組み合わせて運用する車椅子によってはスロープや車内の乗車スペースの幅が不足するケースもあります…) Img_0742 こうした車椅子仕様が良い例なのですが、一口に同等他社品の車種といってもメーカーによって得意なことや気を配って重視しているポイントは意外と異なっているようです。 だからこそ「何度も実車を見に行ったり問い合わせしたりして結局よそのメーカーの車種を買うことになってしまったら買わなかった所に申し訳がないから…」などと変に遠慮したりしてはいけません。 なぜなら本当に困っていて車の助けを切実に必要としているのはディーラーマンではなく、今から福祉車両を買おうとしていて最も自分達の助けとなる車種がどれなのかを真剣になって調べているあなた自身なのですから。 . くどいようですが福祉車両を必要としている人がディーラーマンに対して遠慮などしてはいけません。 どうしても結果として買わなかったディーラーマンに申し訳がないと気後れしてしまうというのであれば、遠慮する代わりに「なぜそのメーカーの車種を選ばず他社の車種を選んだのか」という理由をハッキリと説明してあげて下さい。 そうすれば彼らはユーザーのニーズという貴重な情報を生の声から知ることができるので、営業成績とは別にマーケティングの一つとして情報をメーカーにフィードバックできます。 そしてそれが次回のフルモデルチェンジの時に価値ある有力な情報として設計に反映されていく訳ですから、彼らにとっては十分な収穫になるのです。 . こうして述べてみると改めて思うのですが、私自身の車種選びがそうであったように「自分の贔屓や嗜好を優先するのではなく、乗せる対象となる人への配慮を一番に優先すること」こそが、マイカーとしての福祉車両を選ぶ上でとても大事なのではないかという気がします…。 今回は車椅子仕様の車種について少し掘り下げた内容に触れてみましたが、次回はいよいよ私が選んだサイドリフトアップシート仕様について述べてみたいと思います。 .

« 備えあれば憂いなし | トップページ | 車椅子の手直し »

福祉関連」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 備えあれば憂いなし | トップページ | 車椅子の手直し »

2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ