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冬用レーパンの裾ファスナー位置の話

自転車のスポーツ・競技用ウェアで「レーサーパンツ(いわゆるレーパンね…)」と呼ばれる物があります。 もちろん夏用もあれば冬用もあるのですが、この冬用レーパンについて以前から気になっている事があります。

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薄手の夏用レーパンやコンプレッションパンツと比べると、冬用のレーパンは防寒・保温性を優先している関係上、その生地の伸縮性は夏用ほど高くありません。 その為伸縮性が高くなくても着脱し易いようにという配慮から、裾にファスナーが取り付けられている物が多く見られます。

実は盛豚、かねてからこの裾ファスナーの位置が気になって仕方がありませんでした。

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それなりのレベルでオートバイの経験がある人でしたら気付いてらっしゃる方も多いと思いますが、どのメーカーの冬用レーパンも裾ファスナーの位置が明らかに不適切だと感じるのです。
盛豚は8年前に初めて購入した冬用レーパンを穿き始めてすぐに不具合を感じるようになり、以降対策品が発売される事をひたすら待ち続けて今日に至ります。

「メーカーはいつになったら気付くのかな…?」とか、「今年こそ対策品のニューモデルが出て来るかな…?」という期待とは裏腹に、材質以外は毎年毎年進歩の無いレーパンを見る度に「今年もダメだったか…」と失望する冬が繰り返されています…。

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オートバイのブーツや革ツナギの使用経験のある方には「釈迦に説法」な話だと思いますが、「裾のファスナーは足首の外側の『くるぶし』と重なってはいけない」という鉄則があります。 なぜなら外側の『くるぶし』は転倒した時に最も路面にぶつける確率が高い箇所だからです。 また自分の『くるぶしを』手で触ってみると良く分かるのですが、『くるぶし』周辺には筋肉が無くて『くるぶし』の骨が無防備な状態になっています。 無い筋肉を鍛える事はできないので、ウェアで保護するしかありません。
転倒しないまでも骨が無防備な状態ですので、ファスナーみたいな固形物が直接触れる構造が好ましくないのは言うまでもありません。

(一部むさ苦しい物が写っていますが気にしないで下さい…)
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「『くるぶし』が布切れ一枚で覆われただけで路面に打ちつけるよりは、ファスナーが盾になる方がマシなんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現実はその逆です。 
ただでさえ無防備なこの『くるぶし』にファスナーが重なっていると、転倒時に『くるぶし』を路面に打ち付けてしまう時に金属製もしくは強化プラスチック製のファスナーに打撃の力が集中してしまい、『くるぶし』を砕く力が増幅されてしまうと言われています。

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これはオートバイ業界では統計的によく理解されている事であり、高い安全性を要求されるレース用のブーツに限らず一般向けのブーツでも三十年くらい前から対策が取られています。 もちろんオートバイ用の革ツナギについても同じ事が言えるのですが、自転車業界ではとんと関心が無いようです…。
仮に転倒の事を棚上げして考えてみても、骨が無防備な『くるぶし』に固形物のファスナーが当たっているのは感触的に非常に宜しくないモノがあります。 仕方が無いので盛豚は冬用レーパンを履く時に、ファスナーが『くるぶし』に当たらないように裾を捻って履いています…。

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これはウェアの構造に沿わない付け焼刃の穿き方ですので、捻った裾は走っている内に少しずつ元の位置に向かって戻って来ますから、道中で度々捻り直さなくてはなりません。 またピッタリとフィットする衣類を捻って穿いていると肌にも捻る力が掛かり続けますので、正直言って普通の穿き方に比べると少々履き心地が悪くなります…。

(捻れば一時的にファスナーを避けられますがジワジワ元に戻って来ますし…)
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(ちょっと感触が宜しくないのですよ…)
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オートバイのローリング族やプレスライダーやサーキット走行をするライダーで転倒歴のある人のブーツを見れば分かるのですが、転倒歴のあるオートバイ用ブーツはほぼ例外なく外側の『くるぶし』にダメージを受けています。 その事を見越して市販のオートバイ用ブーツでは外側の『くるぶし』の位置が内外から補強されています。

(『くるぶし』の位置に内外両側から補強パッドが内蔵されていて膨らんでいます)
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(こちらは外側にプロテクターが取り付けられています)
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また、ブーツまで行かなくともライディングシューズという物があるのですが、これもバスケットシューズみたいに足首がハイカットになっていて、さらに厚手のパッドで『くるぶし』を包み込んで保護する構造になっています。

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ちなみに盛豚がオートバイに乗っていた頃は、「ヘルメット・グローブ・ブーツはセットでライダーの身だしなみ」、「オートバイ用のブーツ選びは値段よりもまずファスナーの位置で選べ」と言われていました。
ブーツのファスナーは大抵が以下の①~④のどれかに該当するのですが、ファスナーラインの位置選びの優先順位は、

①内側の『くるぶし』の前を通り斜めに走るライン(理想)
②内側の『くるぶし』に重なって縦に走るライン(妥協案)
③踵側が分厚いブーツのみ踵側にプラスチックファスナーが縦に走るライン(妥協限度)
④外側の『くるぶし』に重なるライン(敬遠…)

と言われていました。 盛豚には正統派気取りの街乗りライダーにもレーサー気取りのローリング族にも友人がいましたが、特にローリング族の友人ほど安全意識が高くてチョイ乗りでさえグローブ・ブーツを着用しており、彼等は一様に外縫いグローブと①のブーツを愛用していました。

(①の構造はファスナーラインが内側にあり、かつ『くるぶし』を避けて斜めに通っています)
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当時のオートバイ・ウェア業界では技術的に最高峰のプロショップTAKAI社が①の構造の第一人者でしたが、如何せん構造的に生産効率が良くなかったので(それでも安全の為に作り続けて普及させたのだから立派だと思います…)品質だけでなくお値段も高くて手が届かなかった為、貧乏ライダーの盛豚達は追随するKUSITANI社やNANKAI社・他が模倣して販売していた廉価版を手にするのが精一杯で、①や②が買えたらまだ御の字でした(盛豚は無名ブランドの③を買うだけで精一杯でしたよ…)。
ちなみにローリング族の友人達は憧れの先輩におねだりしてお下がりを格安で譲ってもらうという工夫と努力をするなど、どんなに見た目がボロでもツナギと色が合わなくても①のブーツを手に入れるまで諦めませんでした。

(高井幾次郎氏が創設されたプロショップTAKAI社のウェアは一流品であり…)
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(ライダーの憧れでした…)
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自転車ではクランクと脚の稼動クリアランスの都合などもありますので、必ずしもオートバイと同じファスナーラインがベストとは限りませんが、それでも『くるぶし』直撃だけは安全性の問題だけでなく心地悪さが付きまといますので、是非とも対策して欲しいものです。
そんな期待をしながら先日もYおかさん達と一緒にウエパーさんを襲撃したのですが、やっぱり空振りに終わりました。 今年もこのままトホホな冬に終わるのでしょうか…?

この時防寒レーパンを物色したのに買わない盛豚を見たタチさんから、「お買い得品やのに買わんの?」と訊かれたのでこのファスナー位置が気になっている件についてお話したところ、「今まで全然気付いてなかったのに、そんな話を聞いてしもうたら何やらファスナーが当たる感触が気になって仕方なくなってしもうたがな!」とビミョーな顔をされていました。

タチさんは発言力がありますので、「この意見がタチさんからウエパーさんを経由してメーカーに伝えられて、来年こそは対策品が発売されないかなぁ~」などと期待している今日この頃です。

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そんな訳で今年も冬用レーパンを新調できていない盛豚は、今日も裾を捻ってレーパンを穿いています…。

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コメント

私もファスナーの位置は気になっていたんです。
現在使用しているブーツとの相性もあって、ファスナーを踝の上に持ってくるように裾を上げて履いています。
これだけでブーツとの擦れから来る痛みもなくなりますし、転倒時もある程度被害を小さく出来ます。
この位置じゃなきゃダメだというのなら、ファスナーでなくマジックテープ等にしてもらってもいいと思うんですがねぇ…。

あぁ、確かに俺も思ってましたわ。
どーしてよりによって一番イヤな位置にチャックを持ってくるのかと。
他にも思っている人が居るのはサイワイです。
理由としては、あの位置が一番伸縮が少ないからじゃないかと思うけど…着心地の面からも足首の凸部より凹部に持ってくる方が利点多いとは、未だに思いついてないんでしょうかね。
俺はチャックが嫌でチャック付きのレーパン一着しか持ってないですわ。

あ~、これは、長レーパンのみならず、レッグウォーマーも同じですねぇ。
今まで、ほっとんど気にしてませんでしたが、言われてみれば「なるほど」で、
なんか工夫があっても良いですよね。

超伸縮性の生地にすれば、裾のジッパーなんて要らなくなるんじゃ…
それか、トラウザーベルトみたいに、裾の上からベルクロみたいなので絞るとか…

転倒してくるぶしと金具が・・・想像しただけでも痛い。
そー言われてみればバイクのウエアやブーツは良く考えられてましたね。

>foxhounderさん
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foxさんも気になってられるという事はいよいよ問題ですな。(←ちょっと自分の意見の正当性が認められた気分になってる…)
そういえば裾を高めにして穿いてられますよね(←実は暑がりなのかと思っていた…)。 確かに踝に固形物が触れてその上からブーツなどで押さえつけられると痛くて仕方がありませんよねェ…。
位置についてはただ単に「作り易いから」という理由みたいですので、ぜひマジックテープの起用か位置変更が願わしいところですね。

>ツカモトさん
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オートバイにも乗ってられるツカモトさんですから、きっと同じご意見だと思っていました。 思うに自転車業界ってオートバイ業界や自動車業界と違って、「ユーザー目線で考える」という思考が欠如しているという気がしてなりません(だからオートバイや自動車の関係者からいつまでもバカにされるんですよ…)。
オートバイのブーツの事で聞いた事があるのは、「外側踝上のファスナーラインが最も造るのが簡単」という製造側の意見でした。 それだけにオートバイ業界でも内側の斜めラインを導入するのは容易ではなかったらしいですが、ヤマハの世界的ライダー高井幾次郎氏(国内制覇のみならずマカオGP優勝・他)が自ら起こした企業・ブランドで諦めずに製造・販売した事が
流れを変えたと聞いた事があります。 確かに他社の同等品よりも三割ぐらい高かった記憶がありますけど、後に大手も追随しましたから非常に意義のある事だったと言えますね。
私もファスナーが気になって買い足せずにいますので、早く対策品が出回ってほしいという意味で、やまおかさんやタチさんの大きな声に期待したいところです。

>ゆっきょさん
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ゆっきょさんでしたら平忠彦氏の画像に食いついて来られるんじゃないかと思っていたのですが…。(汗)
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そうでしょ~、作り易いという理由だけで長レーパンでもレッグウォーマーでも何でもかんでもファスナーラインの位置がダメなんですよねぇ~。
ご指摘の通りオートバイのブーツでは既に一部でベルクロが導入されている物が存在します。 いっそ私も高井幾次郎氏みたいに新興ブランドでも立ち上げてやろうかと思っちゃいますよ…。(笑)

>えむきゅうさん
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そうでしょ? 「転倒してくるぶしと金具が・・・」って想像するとゾッとするでしょ?
自転車業界はどうも作り手に素人臭さが抜けませんけど、大きく遅れを取っていたパールイズミがこの二~三年で急にマシな物を作り始めましたので(私が使ってる『握り上手』のフルフィンガーグローブとかね…)、ぜひこの辺についても対策品を出して欲しいものです。
その為にもタチさんの発言力と声のデカさには期待大です!(笑)

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